神奈川県

@分布
 神奈川県でギフチョウが現在確認されているのは津久井郡藤野町、津久井町、愛甲郡清川村のみで、他の産地でも偶産するものの単発で、確認された翌年からの定着はない。

 上記3市町村のうち、藤野町は町で保護されているため個体数も多いものの、他産地の放蝶のウワサが絶えない。どう見ても新潟のような明るい個体と山梨産と思われる個体が混在している。間引きも実施しているというが効果が上がっているとは思えない。

 津久井町は広く発生しているものの、神奈川純系の放蝶である。藤野に比べるとこちらのほうがまだ原型を留めた個体が多く採集されている。

 清川村も同様で、70年代より累代飼育している人がいる。こちらは生物学者ヨハンセンのいう所の完全な純系であり、見る限り他の産地の混入はほぼ見られない。安定した形の個体が得られている。たまに標本の販売も廉価でされている。

 愛川町の三増峠産を累代飼育している人がいるとの話も聞く。この方は放蝶はしていないらしい。

 伊勢原市は大山の個体が2006年オークションで出品されたが、大山では最後まで発生したポイントだが個体数が少なかった模様。子易は現在ゴルフ場となっているが、大発生した年もあったようだ。1960年代に絶滅。日向沢は私も行ったことがあるが、カンアオイは多い。たまに食草採りに行くことがある。その他善波が挙げられるが、カンアオイはわずか。今の住んでいる場所から車で三分であるが、かなり衰退している。

市町村 最終確認年 市町村 最終確認年 市町村 最終確認年
横浜市   川崎市   相模原市  
城山町 1964 愛川町 1978 相模湖町  
藤野町 2007 津久井町 2007 清川村 1997
厚木市 1953 伊勢原市 1958 秦野市 1969
松田町 1958 山北町 1958    

 

 

 

A特徴

 神奈川県は、他のギフとは独立した産地群で、
後翅外側の黒帯中央付近に細く弱々しい「三日
月」 (右図緑線)が出ることが見分けるポイントと
なる(1990年代から顕著)。稀に「三日月」と黒帯
の間に赤紋の延長で伸びてきた赤点刻が入る
ことがある。また、三日月がはっきりせず、微妙
に雲がかることもある(1970年代以前に多い)。

津久井郡藤野町石砂山1971年4月23日母蝶採集 1972年3月16日羽化
顔が崩れる前の純系神奈川産。上翅の外縁が膨らむのは飼育のせいか・・
津久井郡藤野町石砂山1966年3月27日採集
神奈川県立博物館の文献にこの個体が出ています。
津久井郡相模湖町石老山 1994年3月20日羽化
藤野町石砂山の反対側。
津久井郡津久井町韮尾根 1969年4月12日
 
津久井郡津久井町青野原 2005年4月9日13:00 
私自身の採集品。放蝶物とはいえ、まだ神奈川の顔を残している
津久井郡津久井町志田峠 1993年4月17日
放蝶ものか?偶産した野外品。メスだが未交尾である点に注意
津久井郡津久井町南山 1967年4月6日
津久井町の東にあたる
津久井郡城山町小倉山1964年4月5日 採集
三日月が良く出た個体
津久井郡城山町小倉山1962年3月 飼育
絶滅産地。三日月は微妙に出ている。
愛甲郡清川村物見峠 1970年4月
この地域から絶滅する前年の個体。
愛甲郡清川村辺室山 1976年4月16日 愛甲郡清川村法論堂 1969年4月9日
愛甲郡清川村宮が瀬2004年4月14日 羽化
絶滅産地。1970年代からの累代飼育品である。神奈川顔の面影もある
厚木市相模白山 1959年3月下旬羽化
飼育品だが状態はイマイチ。神奈川の顔が上手に出ている。
愛甲郡愛川町天狗松1958年4月9日
この産地を調べるのにいろいろな方々から情報をいただきました
愛甲郡愛川町半原林道1978年4月7日
ここは数年に1頭ほど採れるという。
秦野市ヤビツ峠 1960年3月30日
絶滅産地。年配コレクターの三角紙の中から発掘した逸品
秦野市山内 1962年3月29日
絶滅産地。やはりビンテージもの。
 
秦野市なのはな台 1956年4月12日 採集
ヤビツ峠のやや下にあるバス停。三角山と同じ場所と思われる。
 
伊勢原市日向沢 1958年3月29日 
他に大山や子易で採れている
足柄上郡松田町寄下川 1958年4月8日
神奈川の顔が出ていない。真贋?な個体

他産地

相模原市(上溝水郷田名) 記録間違いかも知れない。実際は愛川町である。
山北町などに分布していたようだ。現在はすべて絶滅