Neolucanus属

インド〜中国の大陸を中心とした地域に住む大型〜中型の属。島嶼では日本の南西諸島、台湾、海南島、スマトラ、ボルネオなどにも数種類分布する。総数は未整理の種も多く40弱の種類で構成される。Odontolabis 属との区別が微妙なため、同属としてまとめている図鑑もあるが、長歯(大歯)、中歯、短歯(小歯)の各型は体格に比例することが多く、大型でも短歯型の出現するOdontolabis 属とは異なる点があり、区別されている場合が多い。


 

Neolucanus okinawanus Sakaino,1984
   オキナワマルバネクワガタ

分布・沖縄本島

体長・42〜68mm

写真のデータ・2.Oct.1990 沖縄県国頭村

特徴・ 前胸背板(胸部)後角が尖る。大顎の上方を向く一歯があり、
    基部よりのものは欠く。アマミマルバネクワガタではニ歯とな
    り区別ができる。シイの大木に縄張りを持つ習性があるため
    ルッキングで捕獲可能。本島はハブが生息するため発生後
    期に路上を横切るところを採集するのがメジャーである。奄
    美では九月下旬、沖縄で10月上旬、八重山では10月中旬、
    与那国で10月下旬から11月と採集前線が南下していくの
    は興味深い。

流通・最近は大型が減った。

Neolucanus protogenetives Y.Kurosawa,1976
     アマミマルバネクワガタ

分布・奄美大島、徳之島

体長・44〜63mm
    48〜64mm(請島亜種)

写真のデータ・14.Sep.1994 鹿児島県奄美大島中央林道

亜種・ssp hamaii Mizunuma,1994 請島に分布

特徴・ 前胸背板後角が尖る。大顎にニ歯の上方突起を持つ。請
    島亜種は大歯型が出現するが、原名亜種の徳之島産でも
    大歯型が数例報告があり、亜種分類は微妙である。毒蛇
    のハブとの遭遇を避けるためルッキングによる採集よりも
    冬季の幼虫採集が盛んであるが、その際腐葉土ももってく
    ることによる環境破壊が懸念される。採集者のマナーの悪
    さから請島では採集禁止となった。日本のマルバネの中で
    は時期がもっとも早く九月中旬から下旬にかけて発生する。

流通・請島産はほとんど出まわっていない。

Neolucanus insulicola Y.Kurosawa,1976
   ヤエヤママルバネクワガタ

分布・八重山諸島(石垣島・西表島)

体長・34〜68mm

写真のデータ・西表島仲間川林道 3.Oct.1994

亜種・ssp donan Mizunuma,1985八重山諸島(与那国島)

特徴・ 前胸背板後角が尖り、大顎に上向きのニ歯を備える。
    石垣島産と西表島産では複眼の突起が異なる。西表島産
    はssp donanとほぼ同じ形。大顎の上向きのニ歯は中央側
    が大きい。ssp donanはニ歯の中央のものはなだらかに隆
    起する。

流通・ 与那国亜種は近年激減。

Neolucanus insulicola donan Mizunuma,1985

写真のデータ・与那国島 10.Aug.1994

Neolucanus maximus Houlbert,1912
   マキシムスマルバネクワガタ

分布・ベトナム、ラオス、タイ

体長・

写真のデータ・Wianpapao,Chaing Rai,N.Thailand Sep 1996

特徴・ N.saundersii に似る。体色が黒色、前胸背板の後角は尖
    る。大顎の二歯は後ろが長い点で見分けられる。

亜種・ssp confucius Lacroix,1972 インドダージリン周辺
   ・ssp fujitai Mizunuma,1994  中国福建省
   ・ssp vendli Dudich,1923    台湾

流通・ ssp confucius 以外のいずれの亜種もよく見かける。
    ssp confuciusN.saundersii と混合されている可能
    性がある。

Neolucanus maximus fujitai Mizunuma,1994

写真のデータ・中国福建省武夷山 May.1995

Neolucanus perarmatus Didier,1925
  ペラルマトゥスマルバネクワガタ

分布・中国福建省周辺、ラオス、ベトナム

体長・46〜73mm

写真のデータ・Tamdao N.vietnam 96.10

特徴・ N.maximusに似るが独特の複眼で判定できる。また、下唇
    のひげ下部が褐色を帯びる。前胸の後角は尖く2本とげが
    ある。晩夏に出現する。 

流通・よく見かける。

Neolucanus baladeva (Hope,1842)
  バラデバマルバネクワガタ

分布・インドダージリン周辺、ブータン、ミャンマー、
    ネパール

体長・35〜67mm

写真のデータ・ Darjeeling,NE.INDIA Jun.1992

特徴・前胸背板後角は尖るがN.maximus より鋭くは
    ない。長歯型は上方に向く一歯が先端部に存
    在する。

流通・比較的首都圏の標本商では見かける。

Neolucanus waterhousei Boileau,1899
  ウォータハウスマルバネクワガタ

分布・シッキム、ミャンマー

体長・49mm

写真のデータ・Putao,Kachin,Myanmer Aug.2001

特徴・ かつては前種のシノニムとされていた。大あごは極度に太
    く湾曲。長歯型は不明。
    

流通・ 前種と混合していると思う。