Chiasognathus属 

チリ、アルゼンチンに分布する6種からなる小属で、同じ南米に生息するシワバネクワガタ属Sphaenognathusやコフキクワガタ属Casignetusと形態がよく似る。


Chiasognathus granti Stephens,1831
   チリクワガタ(コガシラクワガタ)

分布・チリ、アルゼンチン Chile,Argentina
体長・33〜85mm
写真のデータ・Malleco,Chile Feb.1990
亜種・ssp pygmaea Dallas,1933
シノニム・chiloensis Lesson,1831
      affinis Philippi,1859
      brevidens Germain,1911
特徴・ 体とほぼ同じ長さの大顎、その先端は「ク」の字型に
    曲がる。この属ではこの種のみが大顎下部に鋭い牙
    をもつ。触角の折れ曲がる部分に毛を有する。前胸
    背板後角は鋭く尖り、紫色を帯びる。形態は以上の
    ように特異である。
    生態も興味深く、進化論のチャールズ・ダーウィンが
    たわむれに自分の指を挟ませたところ痛みを感じさ
    せないほど力が弱く、この種の大顎は本来の目的を
    超え過剰に進化を遂げたとする「過剰適応」の例とし
    て取り上げられることもある。氏は装飾のためであろ
    うと推測している。しかしネイティブの採集人の話で
    は指に鋭い痛みを感じ、鮮血がしたたるとの報告も
    ある。また、夕刻には集団で一定方向へ飛ぶといっ
    た性質も見られる。
流通・普通。

ssp pygmaeaとされる個体。ただの小型個体に思える。
特徴は上記参照。

写真のデータ・Puerto Aysen,Chile Feb.1996

Chiasognathus latreillei Solier,1851
     ラトレイユチリクワガタ

分布・チリ Chile

体長・26〜36mm

写真のデータ・Malalcahuello,Chile Dec,1987

シノニム・impubis Parry,1870
      imberbis Philippi,1859
      reichi J.Thomson,1862
      latreillii Parry,1870
      pygmaea Dallas,1933

特徴・ 上翅はこの属で唯一つやのある褐色で前胸も金属
    光沢をもつ。ベネッシュチリクワとは大顎小歯が内
    側にあるので用意に区別できる。

流通・普通。

Chiasognathus jousselini Reiche,1850
     ジュセリンチリクワガタ

分布・チリ Chile

体長・27〜38mm

写真のデータ・Malalcahuello,Chile Feb.1996

シノニム・mniszechii J.Thomason,1862
      imberbis Dohrn,1864
     

特徴・ 全身が白い毛で覆われているため区別は容易。大
    顎はこの属においては長いほうで小歯もはっきりと
    している。

流通・普通。

Chiasognathus schoenemanni Kriesche,1917
     ショーエネマンチリクワガタ

分布・チリ、アルゼンチン Chile,Argentina

体長・22〜29mm

写真のデータ・Osorno Antillanca,Chile 20.Nov.1994

特徴・ 全体に細身で、カナブンを思わせるフォルムである。
    大顎は極端に短い。

流通・少ない。

Chiasognathus beneshi Lacroix,1978
    ベネッシュチリクワガタ

分布・チリ Chile

体長・24〜26mm

写真のデータ・Los Lleques,Chile Nov.1996

特徴・ 前胸は紫、上翅は褐色で無毛、ラトレイユチリクワと
    異なりシワが寄る。小盾板はブルーを帯びる。他種
    との決定的差異は大顎の小歯が上向きであること。

流通・普通。

Chiasognathus mniszechii J.Thomson,1862
      ミニスゼッチチリクワガタ

分布・チリ Chile

体長・26mm

写真のデータ・Los Trancas,Ñuble prov.Chile Nov.1997

特徴・ ベネッシュチリクワとの区別がよく分からない種。亜
    種程度であろう。形態的差異は見られない。色が黒
    化している。
    チリ産のクワガタにはこのような個体変異の範囲で
    多数の種が記載されている。チリクワの亜種ピグマ
    エアやサメハダクワガタ属Pycnosiphorus には首を
    傾げてしまうものが多い。

流通・近年入荷あり。