O小学校火事事件 前編

2000.3.26

 それは、忘れもしない夏の暑い日の出来事だった。俺は今日、試験があるので、プール監視をAさんに代わってもらった。試験が終わり、急いでO小学校に行ってみた。Aさんが拡声器を手に持って、ガキんちょ達を注意している。俺は、プールサイドでガキんちょ達と戯れている。

 プール監視のアルバイトも終わり、俺とAさんは近くのパチンコ屋に行くことになった。帰ろうとしてパチンコ屋を出ようとした時、Aさんはバイクのキーを無くしてしまったらしく、二人で店内をくまなく探してみたが見つからず、Aさんは合鍵を取りに俺のバイクでアパートに戻っていった。俺は、一人寂しくAさんの帰りを待っていた。

 突然、消防車のけたたましいサイレンがどこからともなく鳴り響いた。次々にサイレンとともに消防車が走り去る。確かに煙がもうもうと空に上がっている。俺は、それを見て「あっ!」と思った。O小学校の辺りから煙が出ているではないか。

 パチンコをやっていた客も外に出てきて、互いにO小学校が火事だと騒いでいる。通行人もO小学校が火事みたいなことを言っている。俺は、目の前が真っ暗になり、全神経が硬直し、血の気が引いていくのを感じた。いつもは脳天気で楽観的な俺もこの時ばかりは驚愕し、あせりと不安を覚えた。

 一人で確かめる勇気も無く、Aさんが1分でも早く帰ってくることを必死に祈った。その間、O小学校が火事ではないと自己暗示をして気を静めようとしたが無駄だった。刑事責任・行政責任・暗黒の未来とかいやな予感なるものが脳裏を横切っていった。

次週につづく