FAQ――よくある質問への答え
Q:論点や方法論などについて良い参考書はないですか?
A:という質問をいくつか受けました。教科書の巻末に参考文献がたくさん挙がっています。講義中に紹介したものもいくつかありました。それ以外に、例えば用語集として日本語のもので使えるのは、例えば、用語集的なジェイムズ・モナコ『映画の教科書』(フィルム・アート社)とか、モラ『写真のキーワード』(昭和堂)なども挙げておきます。
Q 作品の添付形式は?
A 上に書きましたので参照してください。
Q 類似した例、対照的例も挙げてよいのですか?
A はい、かまいません。効果的に説明をできるならば比較例は歓迎です。ただしよくあるケースですが、埋め草的な例の羅列をするのはやめましょう。そもそもの議論の焦点がぼやけてしまいます。
Q 分析することは何でもよいのでしょうか? 分析の方法は?
A この講義では視覚的制作物のさまざまな分析方法を紹介しています。
全体に関して大まかにいえば、人がイメージを見る際のコードやコンテクストの可変性をイメージを見る主体(意識や無意識や身体や諸感覚)と社会とからめながら議論していく可能性、それをいろいろな形で提示しています。そのうえで個別のジャンルに関しての分析の仕方ですが…
例えば、写真を説明するにしても、その形式的特徴の分析や特徴的な技術について触れ、どのような効果が生み出されているのか、そこで写しとめられている被写体がそうした形や技術によってどのように切り出され、なおかつその写真が流通した展覧会や雑誌などの経路をおさえて社会のなかでの写真の存在様態を考えながら、視覚文化の一部としての写真を分析する。
あるいはマンガであれば、夏目のような形式的分析方法を行いつつ、そこでどのような時間と空間が編集されているのかについて特徴的な部分を特記し、しかも形式的分析では収まりきらないマンガの読書的、身体的次元に話を開いてもよいでしょう。
映画に関して言えば、その映画作品のある効果的なシーンのなかでショットのモンタージュによっていかにして空間と時間が構成され、ショット間の関係が創り出されていくのかをレンズやカメラの動き、映像と音の関係、プロットの構成などを参照しつつ分析することができます。あるいはその映画ジャンルへの監督の意識はどのようなものかなどをおさえたり、物語と映像との拮抗についての監督のどのような取り組みがそこではなされているのかとか、作品全体、全作品、当時の映画業界のなかでその映画が有していた意義とか、その映像がそもそも観客に与える身体的効果とか、話を広げていくこともできます。
もちろんすべてを上のような書き方に制限するつもりはありません。注意すべきなのはイメージを中心にすること、そのイメージによって何が起きているのかを捉えることです。
Q 2つの媒体、例えば映画と写真の両方から例を挙げて分析をしてもよいのでしょうか?
原則的にはひとつの媒体のほうがよいとは思います。複数の媒体を挙げることで説明がより効果的になるのであればそれはそれで構いませんが、論点がぼやけないように。
Q & A
別に質問はないのですが、例の選び方には充分注意してください。なぜなら、分析するにくみしやすしと思った分析対象が、ただ構造が単純であり、分析しがいのないものである場合が過去の例から考えてみても結構多いからです。そのイメージを見た後に引っかかる感は、それまで視覚イメージについてどれだけ考えてきたかに依っています。ここのところ、充分に留意して選択をすること。
Q よく他の授業で「この授業では…割しか通らない」という相対評価について話す先生がいるのですが、この授業はどうなのでしょうか。
A そんなことはありません。
たしかに経験上、登録人数の何分の一という割合が単位をとることのできた学生数になっている。そのことは、経験値から言うことができます。しかし、良いレポートが数多くあれば、その分単位は多くでるはずです。「何分の一」という物言いは、たぶん学期末に慌てて講義に出てきたり、授業終わりに出席のためだけにやってきて「…は奥が深い」などという「浅い」アンケート回答をだしている学生にたいするその先生の警告と考えたらいいのではないでしょうか。良くは分かりませんが、腹を決めて軸をしっかりすればそんな無意味な振る舞いやそれにたいする警告も無意味でしょう。
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