ナクソス島のアリアドネ・公演報告
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![]() コメディアン四人組 |
今回も公演報告は「掲示板参照」ということにお願いもうしあげます、ペコリ。![]()
http://www.yk.rim.or.jp/~hirata/minibbs2/minibbs.cgi?view=442&page=480
皆様のご感想はこちら
http://www.yk.rim.or.jp/~hirata/minibbs2/minibbs.cgi?view=466&page=480
http://www.yk.rim.or.jp/~hirata/minibbs2/minibbs.cgi?view=471&page=480
![]() 序幕 (ツェルビネッタ・執事長・舞踏教師) |
メールで頂いた感想も抜粋して御紹介いたします。今回もまた、非常に示唆に富んだ御意見をありがたく拝読いたしましたが、多くは個人宛に頂戴したものですから身に余る賛辞です。芸人タナベは実にお褒めに弱いもんで、節操なく喜んでいる段、平にご容赦願います(~_~)。
面白かったです。とおるさんの、演技っぷり!今回も舞台にとても近い座席だったので、細かい動きまでよく見えました。でも、歌うところがちょっと少ないですねえ。あのオペラはどうがんばっても女性物ですね。シュトラウスのオペラといえば薔薇の・・・しかしらなかった私には、ここのところ、おかげさまで、リヒャルトちゃんって呼んであげたい感じです。あ、でも、とおるさんてリヒャルトと良く似てる!ってますます思っちゃいました。
え、どんなところかって?それはシークレット・・・。
すっかり楽しませていただきました。あれだけ笑いをとれたのは成功ですね。「ナクソス島の・・・」は全然知らないオペラでした。でも、アリアドネについては少しは興味がありましたから、それを喜劇とどう結び付けるのか、興味がありました。さすが、ホフマンスタールだけあるなと面白く見ました。シュトラウスの曲はきれいですね。違和感はまるでありませんでした。スーと曲に気持ちが入れました。ツェルビネッタの動とアリアドネの静がとても上品に出ていました。ツェルビネッタは、もう少しコケティシュでもよかったかなと思いました。そのほうが田辺さんとの絡みも面白くなったかもしれません。
あなたのファンとおぼしきグループもいて、後半の4重唱がよかった、と興奮した面もちでしたよ。私も同感でソロのパートで聞かせても、重唱がだめで興ざめすることが多いのですが、本当に良かったですよ。独唱陣ではツェルビネッタが絶好調で良かったと思います。オケはオーボエがうまかったな。30分くらいまでシュトラウスのサウンドをつかみきれてない感じだったけれどあとは安心して聞けました。とくに鍵盤楽器陣が熱演でした。残念ながら横からだとスクリーンとかつら屋の演技がよく見えなくて残念。こういう楽しいしかもリーゾナブルな値段のオペラ、あれだけ入るのも当然です。実はもっとがらがらかと思って心配していました。だけど田辺さんのことだから建設的な批判も欲しいと思っているでしょうからあえて指摘を。演出家が不在であること。このオペラほど歌と台詞のない人の動きが難しいのはないと思う。もう少し工夫があってもよかったのかな。
![]() アリアドネによせるセレナーデ 〔ツェルビネッタ(右)・妖精たち(後ろ)〕 |
今日は久々のオペラだったのでとても楽しめました。田辺さんは存在感がとてもおありだから ずっと目で追ってしまいました。
私は田辺さんの演技をとてもいいと思います。歌詞もはっきりしていて、メリハリがきいていました。
田辺さんの活発なパーフォーマンスで引き締まった場面もあり、始終ほほえみながら楽しみました。
私にとっては初OPERAでしたが、大変に面白く(特に田辺さんの演技が全体を盛り上げていたように感じました)、また行きたくなりました。
貴君の働きについて言えば、先般の床屋同様満足すべきものだったと思います。しかし、それは作品のねらいと一致していたのか?「やりすぎ」じゃなかったかという気がするのです。オペラ組とコメディ組が対決をするという趣向で、結果的にはオペラ組の流れの中に溶け込んで幕になる・・・はずなのにコメディ組が圧勝してしまった。そしてコメディ組大勝のMVPが貴君。歌唱だけでもひけをとっていないのに、たぶんオペラではケレンになるだろう芸で笑いをとっちゃった。僕が演出家だったら貴君を抑えるだろうな。
皆様、ありがとうございました。
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この作品の持つ社会性について
この問題に是非触れておきたいと思い、掲示板への報告記事に以下の件りを書きました。
「まず音楽か、それとも言葉(歌詞)か」とか、出版や上演といった作品の社会性と作品そのものの芸術性とのギャップといったテーマは、シュトラウスが生涯かかわっていたものです。わがままで無理解なスポンサー、芸術一本やりの若き作曲家、酸いも甘いも噛み分けた妥協主義の音楽教師、高慢なプリマドンナ、芸術至上主義を笑い飛ばすコメディーチーム・・・・・。舞台にかかわるさまざまな視点をみんな登場人物にもりこんだ、当時のオペラ界への強烈なメッセージが、この作品の骨格です。そしてそのメッセージこそ、今の日本で、官民ともに「予算」というものを握っている全てのひとに是非きいていただきたいものです。これについては制作責任者で指揮者の杉山氏が詳細な文章をプログラムに寄せています。
杉山氏の文章を転載いたします(抜粋)
・公演の趣旨について
(前略)・・・にもかかわらず、我が国においてはすでにバブルの時代から、次世代の日本の音楽界を担って行くべき音楽家を育成しようという努力が、官民を問わず怠られてきた事は事実です。名声ある演奏家が企業から豊富な財源を得て公演を行ったり、地方自治体の運営する文化施設が湯水のように予算を使って公演を行う様を私たちは目にしてきましたが、私たちの公演は音楽家・舞台関係者・衣装家自身による手作りです。総額700万円ほどの予算では、豪華な舞台装置を披露する事はできませんが、次世代の我が国の音楽シーンを担うべき音楽家達のベストを、どうか温かい目で、しかし厳しい目で見つめ、皆さん自身の耳で判断し、ご支援下さいますようにお願いいたします。
・ナクソス島のアリアドネについて
シュトラウスのオペラは「サロメ」や「エレクトラ」といった巨大な管弦楽を伴った作品がほとんどだが、「バラの騎士」と「影のない女」の2つの大作の間にまるで筆休めの様に書かれたこの「アリアドネ」はわずか37人のオーケストラと合唱を伴わない17人のソリスト(うち一人は台詞のみの役)の為に書かれ、晩年の作品のような室内楽的な響きを持っている。この作品の音楽的な美しさが、内容の多面性、皮肉たっぷりの難解なテキストにもかかわらず、この作品の人気の一つとなっている事は間違いなかろう。
この作品のうわべだけを眺めると、劇中劇として演奏される「本幕」はドタバタ芝居の挿入された荒唐無稽な古典劇にすぎないようにも見える。しかし、ツェルビネッタとアリアドネという二人の女性に象徴される、絶対に相容れる事のない価値観は、常に流転し続ける事象と、永遠に変化しない理想との対立でもある。そしてこのことは芸術のみの問題ではなく、20世紀を通しての人類の精神史上に共通した現象であったに違いない。
却って序幕を見てみると、そこには音楽家なら誰でも直面する崇高な理想と、残酷な現実への皮肉たっぷりな描写がある。メセナを自称する成金の侯爵は、最後まで舞台に姿を現す事はないが、彼の芸術への無知と無理解は、権威主義の権化である侍従長によって舞台上の出演者達に伝えられる。
バブル華やかなりし頃、人口に膾炙した「メセナ」という言葉は、本来損得に関係なく才能ある芸術家を育む篤志家を指す言葉である。しかし、日本における「メセナ」はまさに芸術に対する無知と無理解のオンパレードであった。有名で評価の定まった芸術家に多額のスポンサー料を支払い、特に海外の有名アーチストが目白押しで来日した事は、日本で地道な活動を続けていこうとした若手演奏家には致命的であった。多くの「メセナ」は実績主義で、コンクール入賞や評論家推薦などがない若手を支援しようとはしなかった。自治体の運営するホール事業などもこれに続く。有名演奏家のコンサートが「メセナ」や自治体の自主事業で安く聞けるのなら、マスコミにも取り上げられないような若手演奏家のコンサートを聴きに行く人があろうか。企業も自治体もすでに評価の定まった人たちに企画のすべてを丸投げしてしまった。かくして、決まった層の音楽家だけが優遇されて生き残った事により「バブル」と「メセナ」は中国で吹き荒れた文化大革命の嵐のように一つのジェネレーションをこの国の歴史から抹殺しようとしている。
何と、この作品の影の主人公である「町人貴族」の侯爵と二重写しになる事だろうか。今日この場に集まった皆さん、良識ある、音楽を愛する聴衆の皆さんにお願いしたい。どうか、いつも音楽を自分自身の耳で評価していただきたいと。その上での批判に、私たちはいつでも甘んじよう。でも、決して他人の耳に、耳を貸してはならない。百見は一聞に如かず。
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過激な表現に躊躇しない氏の勇気は、ぼくにはとてもありませんが、ぼくは氏の考えを、「ドイツの地方劇場」といういつものぼくの話題との関連の中で、興味深く読みました。氏は新進芸術家保護の視点から、ぼくは大衆が気軽に芸術を楽しめる環境作りの点から、おもに語っていますが、標榜するところは遠くないように感じられます。
なお、プログラムにはこのテーマに関する僕の文も掲載してもらいました。大分前に書いたものですが「演劇人」誌に寄稿したものを改筆して転載したほか、東京新聞記事「おらが街のロミオは日本人」も載っています。このサイトでは資料集の以下のリンクに置いてあります。
http://homepage1.nifty.com/opera/ar04.htm