12月30日 最終日:パーデンヴァイラー →
シュヴェッツィンゲン E
最終日です。きょうは100キロあまりの移動なので、10時出発。おかげで熟睡できました。きょうだけはベストコンディションで歌いたかったんです。シュヴェッツィンゲン宮殿のロココ劇場。夏に有名な音楽祭があって、一流歌手のオペラ公演もあり、しばしばテレビ放送される豪華な劇場です。ぼくも何本かヴィデオもってる。ロッシーニの初期作品など。
ライン沿いに伸びる平坦で直線のアウトバーンをマンハイムまで北上します。きょうはめずらしく晴天で黒い森の山々がよくみえます。台風一過。この瞬間もフランスでは大惨事を巻き起こしている台風雲は2日前にこのあたりからミュンヘンの方向に抜けました。ちょうど我々が北ドイツに向かった直後。アウトバーンの左右の木々が軒並みたおれていて、生々しい折れ口をさらしています。われわれの北ドイツ公演の日程が反対だったら、大雪と強風のアウトバーン上に立ち往生して公演も流れていたかもしれません!!
さて、件のロココ劇場に足を踏み入れました。公演も満席、楽屋は個室。尊敬する大歌手のあの人やこの人が使った楽屋だな、と思いながら出番をまちました。音響もとてもよかった。こういう旅公演だとオペラハウスだけでなくて公会堂みたいなところでも歌わさせられるのだけど、やっぱり段違い。声も一層よくコントロールできた。ぼくとしては5回のうち一番いい出来だったでしょう。なにしろCorbelliやRinaldiが歌い、Gelmettiがタクトをとった劇場に立ったんだ。気分がちがいますよね。指揮者にもほめられたし、個別のカーテンコールでは僕のときにひときわ拍手が大きくなったし、結構ご機嫌でした。それはそれは豪華な宮殿劇場です。写真をごらんください。
メンバーの大半はこのバスにそのままのって新年からスタートのミュージカル公演にむかいます。夜行でドイツを再び北上。一番ながくツァーするアイゼンシュタインのハンネスは2月末までウィーンの自宅にかえれないとか。ぼくはロザリンデやアルフレートなど、なんにんかと一緒にホテルにもどりました。
突貫工事で暗譜中はほんとに自信なく、こんどというこんどは覚えきれずに大恥かくかとおもって現地入りした12月24日だったし、8時間からバス移動した当日に公演できるものか、コンディションにも自信なかったけど、なんとか一応それなりにやりおおせました。いい経験でした。
翌日、もういちど宮殿にきて庭園を散歩。曇天の大晦日とあって閑散としたものです。よく整備された広大な敷地の中を孔雀がゆうゆうと歩いていました。昨晩の劇場前にもたって最後の余韻を楽しんだのち、ゆっくりと地元ビールで食事しました。明日は公演が無い、とおもうと心置きなく飲めます(笑)。