ロルツィング「ウンディーネ」
(1996年1月26日バレンシュテート宮殿劇場初日)
キューレボルン役
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| ウンディーネ2幕、キューレボルンに素性を明か されたベルタルダはその場にくずれおちる |
新聞評
Volltoenend liess Toru Tanabe sein baritonales
Timble fuer Kuehleborn, den Fuersten des
Wasserreichs, in wandelnden Gestalten ertoenen.
(3.2.96, Halb. VST)
田辺とおるは様々に変装して登場する水の王キューレボルンで、バリトンの輝きを豊かに響かせた。(2月3日ハルバーシュテッター・フォルクスシュティメ紙)
Mit Toru Tanabe steigt schliesslich ein bleicher
Kuehleborn aus den
Fluten, der die Exotik seiner Erscheinung
durch sonore Stimmgebung
unterstreicht und das Geschehen dezent dominiert.
(29.1.96,
Mitteldeutscher Zeitung)
蒼ざめたキューレボルンの田辺とおるは、容貌のエキゾチックな雰囲気を豊かに鳴り響く声で強調し、ドラマ全体を慎み深く支配した。(1月29日中央ドイツ新聞)
Exotisch Toru Tanabe als allgegenwaertiger,
weissgesichtiger in die
Versenkung verschwindender Kuehleborn, weniger
mit Vordergruendigkeit als vielmehr durch
Mimik und Gestik gefallend. (5.2.96, VST)
田辺とおるはエキゾチックな神出鬼没の白い顔のキューレボルンで、うわべだけの表現を抑え、むしろ細やかな芝居の動きで好演した。(2月5日ハルバーシュテッター・フォルクスシュティメ)
オペラあらすじ
娘のように可愛がる水の妖精ウンディーネが浮気な騎士に裏切られたことへの、水の国の大王キューレボルンの復讐劇。
若い騎士フーゴーは湖岸の村に漂着して漁師夫婦の家に厄介になり、そこの養子ウンディーネと恋に落ちる。その昔、漁師夫婦の娘が行方不明になった晩に見知らぬ娘が戸口に立っていたので養子にしたのだ。しかしウンディーネがフーゴーにとっては浮気相手に過ぎないと知ったキューレボルンは人間界への復讐を誓い、さまざまな人物に変装してその段取りを準備する。
一方フーゴーはウンディーネが結婚式のときに話していた秘密を明かしてほしいと頼むので、ウンディーネは素晴らしい水の世界を描写して自分もその世界の一員だと告白する。人間との違いは水の精に魂がないことだが、人間に愛されることによって魂を獲得する。そして喜びに輝いてウンディーネはフーゴーの愛によって自分が魂を得たことをあきらかにする。
ベルタルダ公妃が登場。ナポリ大使に変装したキューレボルンが随行している。フーゴーのいいなずけを自認していた彼女はフーゴーとウンディーネの結婚をきいてショックを受ける。キューレボルンは歌に託して、ベルタルダが実は行方不明の漁師夫婦の娘なのだと素性をあかす。ベルタルダは否認するが宝石箱のなかの証拠が証明する。しかし結局ベルタルダはフーゴーの情熱を取り戻すことに成功し、ウンディーネとの縁を断ち切らせようとする。ウンディーネはフーゴーから追い払われて驚愕し、水の精たちの復讐があると警告するが聞き入れられず、フーゴーはベルタルダと立ち去る。
湖からキューレボルンと水の精たちが浮き上がり、取り残されたウンディーネを慰めて水の世界に連れ帰る。キューレボルンは「魂を持っている人間と言う奴がどれほど上等なものなのか見てやろうと、ベルタルダを誘拐してお前を送ったのだ」と話すが、ウンディーネにはフーゴーの不実が信じられない。一方フーゴーは良心の呵責に苛まれながらもベルタルダと結婚してしまう。その祝宴の最中、零時の鐘とともに明かりが消えてウンディーネが現れるのでフーゴーは断罪の時が訪れたと感じ、死を覚悟でウンディーネを抱きしめる。城は瓦解して水に沈む。水底の宮殿でキューレボルンは、フーゴーの悪徳が死に値するものだがウンディーネに免じて赦すという判決を下し、フーゴーはウンディーネとともに永久に水の世界に住まうことになる。