渡欧を控えて開催した二回のオペラ二重唱コンサート。京都ではソプラノ、東京ではテノールとそれぞれ共演した




『古典的オペラの軽快なるギャグ感覚』
〜二重唱でつづるオペラ・ブッファ〜

(1991年5月13日(月)・京都 KSKホール)

バリトン・田辺とおる
ソプラノ・祐森由香
ピアノ・下間都美子

「フィガロの結婚」
・幕開きの二重唱(フィガロ・スザンナ)「三尺、、五尺、、」
「奥様がもしお呼びなら」
・カヴァティーナ(フィガロ) 「殿様がもしダンスをなさるなら」

フィガロは伯爵の従僕、スザンナは伯爵夫人の小間使い。
結婚式を控えた二人の会話

第一曲・フィガロ「三尺、、五尺、、ベットを置くのはこのあたりかな。」
スザンナ「ちょっと見てよ、あたしの作ったこの帽子似合うでしょ。」

第二曲・フィガロ「この部屋は殿様がくれたんだ。便利だよ、ディンディンと鈴がなりゃすぐ飛んでいける。なんでそんなに嫌がるんだ」
スザンナ「だからあんたはお目度いのさ。殿様はあたしをくどきたいんだ。花嫁への御慈悲だって。」

第三曲・フィガロ「殿様、ダンスなさるならギターを弾いてあげますよ。奥様に飽きたって、まんまと儂ら夫婦をロンドンに連れていってスザンナは秘密の大使夫人かい、そうはいくもんか。」



「セヴィリャの理髪師」
・カヴァティーナ(ロジーナ) 「今の歌声は」
・カヴァティーナ(フィガロ) 「私は町のなんでも屋」
・二重唱 (フィガロ・ロジーナ) 「そう、私よ」

「フィガロの結婚」はこの「セヴィリャの理髪師」のいはば後日譚にあたる。床屋のフィガロが、伯爵のロジーナとの結婚を仲介する筋立て。即ちロジーナは後の伯爵夫人のことである。リンドーロと変名している伯爵に彼女は惚の字。

カヴァティーナ(ロジーナ)・「今の歌声はこの心にこだましたのよ。リンドーロ様はあたしのものよ。後見人がなんと言おうと絶対勝つわ。」

カヴァティーナ(フィガロ)・「私は町のなんでも屋、フィガロ、フィガロと引く手あまたさ。辣腕理髪師の愉快な一日が始まるぞ」

二重唱・フィガロ「あいつは片思いしていてね。相手は確か・・・ロジーナとか言ったかなぁ。あんたの一筆サラサラで、奴ぁ飛んできますよ。」
ロジーナ「そう、私よ。それならリンドーロ様が恋しているのはこの私なのね。手紙を書いておいたから渡してくださらない。早くお会いしたいわ」


休 憩


●「フィガロの結婚」第三幕
・二重唱 (伯爵・スザンナ) 「むごいぞ、どうして今の今までわたしを焦らせたのか」
・アリア (伯爵) 「わたしが溜め息をつく間に家来が幸せになるなんて」

さて、伯爵は第一幕以来、口説いても口説いてもオチぬスザンナにいらいら。スザンナは伯爵夫人と結託して浮気性の殿様を懲らしめようとオチた芝居をうつ。

二重唱・伯爵「むごいぞ、どうして今の今までわたしを焦らせたのか。今宵、庭の松の木の下に来るか、来るか、何こない!・・そうか、来るか。余は満足じゃ」
スザンナ「もちろんですわ。いいえ、すっぽかしませんわ。いいえ、いいえ、、、あ、はい、必ず伺いましてよ。(殿様だましてごめんね)」

アリア・伯爵「なに勝っただと、そんなはずがあるもんか。フィガロの訴訟は儂の意のままだ。そう簡単にスザンナはやらん。儂が落胆の溜め息をつく間に家来が幸せになるなぞ許さん。下郎め、儂の不幸を嘲笑うような氏素性ではあるまい。おお、復讐の希望に我が胸は躍る」


●「ドン・パスクワーレ」
・序曲
・アリア(マラテスタ) 「天使のように美しい、その娘」
・カヴァティーナ(ノリーナ) 「あの騎士のまなざしは」
・二重唱 (マラテスタ・ノリーナ)「準備OK、細工は流々仕上げをご覧じろ」
策師マラテスタはまず、老人ドン・パスクワーレに花嫁を世話する。

アリア・マラテスタ「天使のように美しい、その娘。百合のように純情で、目許といい、口許といいなんとも、可愛いのです」

美しき未亡人ノリーナ、小説にうっとりして・・・・。

カヴァティーナ・ノリーナ「あの熱きまなざしで言ったのよ。私はあなたの騎士です。なーんてね、私だって手練手管くらい心得ているわ。エルネストは私のものよ」

そこへエルネストからの手紙。「マラテスタの奸計にかかった老人の御陰でドン・パスクワーレの遺産相続人に馴れないから、君を諦めます」。マラテスタ登場。ノリーナに一芝居うたせて色気づいた老人を懲らしめようと算段する。

二重唱
マラテスタ「君をぼくの妹と言うことで爺さんの嫁に世話するから、ひとあばれしておいで。あとはうまくやるさ。修道院からでてきたカマトトというふれこみでいこう。少し練習してみるぞ」
ノリーナ 「オチョボ口のむすめ?こうかしら・・。さぁ、爺さんひねりに行くか」
マラテスタ「準備OK、細工は流々仕上げをご覧じろ」
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「男伊達伊太利歌劇華競(オトコダテ・イタリヤカゲキ・ハナノキソイ)」
1991年6月1日・国分寺泉の里コンツェルトザール

バリトン・田辺とおる
テノール・吉冨晃一
ピアノ・渡辺一史

・テノール
1.おまえを称える栄光のために(ボノンチーニ)
2.例え不実の影さえも(ヘンデル)
3.海の詩(チマーラ)

・バリトン
4. ストルネッロ(ヴェルディ)
5. 娘さんがキスしたくらいで(モーツァルト)
6. バッラータ(レスピーギ)

オペラ「セヴィリャの理髪師」(ロッシーニ)より
・テノール
7.東の空が微笑めば (アルマヴィーヴァ伯爵)
8. 何でも屋の歌 (フィガロ)

休憩

オペラ「運命の力」(ヴェルディ)
・バリトン
9.この鞄のなかに私の運命がある(ドン・カルロ)

オペラ「ドン・ジョヴァンニ」(モーツァルト)
・テノール
10,恋人をなぐさめて(ドン・オッターヴィオ)

オペラ「ファルスタッフ」(ヴェルディ)
・バリトン
11.夢かまことか(フォード氏)

オペラ「愛の妙薬」(ドニゼッティ)
・テノール
12.人知れぬ涙(ネモリーノ)
・テノール・バリトン
13. ネモリーノとドゥルカマーラの二重唱