GHz AMD Athlon

はじめに

AMDのintelへの過激な挑発によりCPUの最高動作クロックトップの座を巡り激しいクロックアップ競争が昨年の春から始まり、等々Athlon、Pentium共に1GHzの時代に到達しました。しかしながらこの2000年4月現在どちらのCPUも限定での出荷であり、大変高価なCPUでとてもお遊びで使うにはハイリスクすぎるのが現状です。まあ今年の後半には相当に価格も下がり供給量も増える事でしょうが、当然待てないのが自作派の性・・おっと一部の自作派かな?・・(笑)。私も昨年の春からAthlonのオーバークロックにとりつかれ、マザーとCPU情報に一喜一憂する時を過ごしました。結果的には出費が嵩むと解りつつも廉価版のCPUでの高クロック化に勢力を注ぐ日々を続け、結局漸く1GHzを達成した時には、5個のAthlonと6枚のマザーボードを費やす事に成りました。まあそれぞれのマザー、CPUもその時々で楽しませてもれえたし、期待と落胆の楽しい時を味わえたので特に気にしている訳でもないですが・・ところで本題ですが、折角大出費を計上して構築させた純空冷GHzのノウハウを少しでも同士の方々に情報提供する事が出来ればと半年振りに書き始めました。私などより遥かにスキルの高い先輩諸氏により1GHz達成の記事、特にベンチマークテストの結果等は既に公開されていますのでここではそれらの記載は省略し、主にだれでも出来るGHzなんて感じで行きたいと思います。当然ながら現在リリース済みの900MHz以上のCPUを10万円(4月時点)出して構築すれば、本当に誰でも可能ですが、比較的廉価なグレードで限界を追求しようという諸氏への参考になればと思いますので、本物の1GHzを使い構築をお考えの方にはあまり意味の無い事かもしれませんね。前置きはこの辺で終了します。

基本的な知識

このサイトを覗いて下さる方々の知識レベルは様々でしょうが、ハイレベルな方に合わせるのも問題が有るので不必要な方は読み飛ばしてもらうとして、パソコンの中でCPUの中心的な役割は一言で言うならばデータ処理、その能力を左右するのが、動作クロック、搭載キャッシュの速度と容量、そして拡張処理命令により能力が決まります。同一CPUで有ればごく当然ながら動作クロックが上がれば、処理能力も上がります。そして周辺機器の制御を行い、メインメモリとのデータの受け渡しを繰り返し、実行し続けます。このデータの受け渡し、所謂命令の実行は動作クロックが高まればより高速に実行される事になります。1GHzなら命令の実行タイミングは10億回/秒となります。しかしながらこの命令実行能力もメインメモリとのデータ受け渡しの遅い速度に合わせ待たされている時間が有り、決して1GHzが100MHzの10倍の速さでデータの受け渡しが出来るものでは有りません。そこでメインメモリより遥かに高速に動作するCPU搭載キャッシュメモリが一定の命令を保管しておきより高速にデータの受け渡しを可能にさせる役目を請け負います。さらに命令自体を同時処理可能な拡張命令に変換し高速に動作させ処理能力を向上させる機能も追加し全体の能力向上を図っています。しかしこの拡張命令(3DNow!、MMX、SSE等)の機能はアプリ側で対応させなければ全く効果を発揮させる事は出来ません。

本題

現在リリース済みのAthlonは0.25μと0.18μの2種類が存在します。ほぼ断言して言える事は一部の例外を除いては0.25μのAthlonでの純空冷1GHzへのオーバークロックは不可能です。1GHz到達への大前提は0.18μのAthlonの選択から開始されます。では0.18μコアの見分け方はと言うと、これは極めて簡単でCPUケースに記載されている数字の最後のアルファベットで見分ける事が出来ます。Aなら0.18μコア、Cなら0.25μコアとなります。(例AMD−K7800MPR52B  /AMD−K7500MTR51B )、ここで問題なのはリテール品です。箱の中に入っているのでこのCPUケースの文字を確認出来るのはバルク品に限られます。しかし800MHz以上のグレードは全て0.18μコアなのでこの限りでは有りません。まずは最低800MHz品以上の選択が必須となります。ここで一つ問題が生じます。現状のAthlonは基本的知識の所で述べたCPU搭載キャッシュの速度がクロック別に違いが有ります。500〜700MHzまでがCPU動作クロックの1/2のクロック速度、750〜850MHzまでがCPU動作クロックの2/5のクロック速度、それ以上がCPU動作クロックの1/3です。この値はCPU上の基盤の抵抗を移動する事により変更は可能ですが、遅い設定の物には高速なキャッシュメモリが使われていない場合が多いので、高クロック版CPUに速いキャッシュメモリが使われているとは限らないと言う非常に悩ましい仕様です。だからといって低いコアクロックの物では1GHzまでオーバークロックは不可能、妥協点はどのCPUか悩む所です。相当に確率が高い選択はズバリ850MHzです。850MHzなら350MHz動作のL2キャッシュメモリが搭載されているので比較的安心、コアの耐性も十分1GHzに耐える事例が多く報告されています。しかしAthlon850MHzはまだ高価。さらに下のグレードで構築できない物かと、800MHzでの純空冷1GHzに取り組んでみました。条件つきでは有りますが、十分実用に耐える純空冷1GHzが800MHzで可能でした。

構成

今回Athlonによる1000MHz構築に辺りマザーは相当に吟味しました。残念ながらスロットAのマザーの完成度は今一つ途上段階と言わざるを得ません。左記のマザーは現在所有しているスロットAのマザーですが、既に手元に無い物も有ります。昨年の春からこれらマザーを使い試行錯誤を繰り返し、個々のマザーの癖などを探りながら楽しんでいました。残念ながら私の使った中のマザー全てにおいて1000MHzの安定を得る事は出来ませんでした。また周辺カードの不具合で使用を断念したマザーやFSB(外部バスクロック)の上限の制約、BIOSの挙動が不可解なもの、電源や周辺機器の相性が厳しいもの等、既にスロット1のマザーでは殆ど起こり得ない不具合が続発しました。特に最新チップのKX−133搭載のマザーには手を焼きました。AMD−750系のマザーより確実に高速な一面は示す物の現在リリースされているマザーは何かしらの不具合が起こるようです。私の試したKX−133はASUS−K7V、ABIT-KA7、Epox-7KXA、の3枚ですが、ノーマル無改造状態で私個人的に納得の行くFSB(外部バスクロック)を問題無く使用出来、各種カードが使えたマザーは、ABIT-KA7のみでした。他の2枚は相当にスキルの高いユーザーでないと現状、安心して使用出来る状態では無いように感じます。ABIT-KA7に関してはBIOSでの各種変更が殆ど有効になっているし、GMHzも正式に対応しているので何とか初心者の方でも手におえるマザーではないかと思います。しかしABIT-KA7もオンボードのFSB設定ディップスイッチが全く作用しない等、不可解な個所は有ります。AGPx4モードやバーチャルメモリー等最新の機能をどうしても試したいどうしてもKX−133搭載のマザーだと言う諸氏にはズバリABIT-KA7をお奨めします。不具合なんて怖くない、ベンチマークテスト最優先速さこそ命と言う諸氏にはASUS−K7Vですね。少々速さは遅くても安心して1000MHzを堪能したいと思っている諸氏(私もその中の一人ですね)にはAMD−750系マザーですね、ノーマルで使用するならMS-6195(K7-PRO)が最も安定した動きを示しました。電源の相性問題は少々発生しましたが、各種カードとの相性問題も少なくGMHzにも正式対応しています。欠点はコア電圧の設定上限が1.85Vと低い為下位のCPUを使ったオーバークロックにはいささか心配な面も有ります。700MHzや800MHzでGMHzを狙うにはコア電圧1.9V以上が必須ですのでその対応が必要です。最近手に入りやすくなった可変倍率、コア電圧設定用具、通称ルビーの指輪等を使えば簡単にこの問題は解消できます。私はFreeSpeedProを愛用しています。半田に自身のある方ならCPUの抵抗移動でデフォルト電圧や倍率を変更すればそれでも良いのですが、失敗すれば高価なCPUを無くす事になりますのでご注意下さい。ところで私は常用GMHzのマザーはAthlonリファレンスマザーであるMS-6167を使用しています。このマザーは6層基盤を使用したとても安定したマザーです、しかし、ノーマル状態ではFSB(外部バスクロック)の可変すら不可能なマザーなのでFSB可変にTurb.PLL−01&PLLControllerを、VI/O可変にExcraftのEX−33ADP、コア電圧可変改造、倍率可変をFreeSpeedProで行っています。まあこんな過剰装備しなくてもMS-6195(K7-PRO)を使えば良いのですが、趣味の分野ですね・・笑。

仕様詳細

CPU

AMD-K7800MPR52B A

230007537264 2000年7週の0.18μ L2/MOT/325MHz

CPUFAN

ARC製TriumphAthlon

α製ヒートシンクを使用した高性能品、

MOTHER

MSI-6167改

TurboPLL-01+PLLController+EX-33ADP装着

MEMORY

HY57V658020ATC-10P C.C.G.ENG

HYUNDAY製の高FSB対応品 FSB150が可能

HOST

FAST TRAK 66

Ultra66改…

HDD

SeagateBarracudaST313620A

X2によるRAID/O構成、激速です 50MB/sec

SCSI

AHA-2940U UltraSCSI

定番のアダプテック製、安心の一枚

CD-ROM

PLEXTOR-ULTRA PLEX-32

32倍速、静かで安定

CD-R

TEAC CD-R55SK

X4/X12 SCSI-2

FDD

SONY 2MOODE

安物

VIDEO

CANOPUS SPECTRA5400PE/AGP

ARCさんに作ってもらった銅SPバッハ板付き

SOUND

FORTEMEDIA-FM801 5.1CHANNEL

6チャンネルの格安カード赤基盤

SPEAKER

CAMBRIDGE SOUND WORKS

クリエーティブ製

ETHENET

WS-D400/D-DEC-21140

定番DEC製(100-TX/10-T) IPMATE 1200RDルーター使用

CASE

WinDy MT-2000PRO(330W)

オールアルミ製、330W電源搭載

KEYBOARD

IBM Preferred 103

IBMの103英語キーボード ブラックですよ!

MOUSE

MouseManWheelUSB Combo

Logicool製、使い慣れると良いです。

GAME PAT

LogitechWingMan/USB

Microsoft製とは一味違う。

CRT

MITSUBISHI RD21GX

そろそろ新機種に替えたいなぁ

更なる挑戦その1

Athlon君も、もう直ぐ次世代への変更が加えられます。その一つがFSB133(266)MHz化ですが、現在のリリース済みのマザーとCPUでは相当に環境を吟味しないと、FSB133MHzを垣間見る事は不可能です。現状はマザーのPCIクロックが1/4に設定出来ない物が殆どで、HDDやVGAが起動の足かせに成ります。一部マザーでBIOSのアップデートでPCIクロックが1/4に成ると情報も有りますが、一般的には次期Athlon登場と共に一斉にマザーの対応が図られるものと思われます。下記の画像はKX−133マザーのABIT-KA7と高PCIクロックの追従性の良いHDDを使いCPUの倍率を6倍に落としてFSB133(266)MHzを起動させてみましたが、不安定で使い物にはなりませんでした。FSB120前後は極めて安定して動作し、楽に1000MHzオーバーが可能でした。ノーマルではこのABIT-KA7は大変に好印象のKX−133マザーでした。

更なる挑戦その2

さてAthlon1000MHzは構築したものの、今一つ高速感を感じる事は出来ませんでした。実はこのAthlon1000MHzの環境の前はL2 1/2でFSB117MHzの倍率7倍による820MHz(L2 420MHz)の環境でした。しかし今回のAthlon1000MHzのL2は残念ながら400MHzにダウンクロック、その結果一部のベンチマークテストでの違い以外に体感的に全く速くなったようには感じる事は出来ませんでした。そこで現状のAthlon購入最後の無駄使いを慣行しました・・笑。狙いは当然高クロックL2搭載品、そこで2万円前半まで値が下がったAthlon700Aをゲット、幸いにもL2はNEC製の2.9nが搭載されていました。さてこれでL2クロックの限界から逆算してCPU動作クロックを決定する事にしました。結果NEC製の2.9nは予想を上回る高クロックで追従しました。何と455MHzまで動作可能でした。更にFSBも各種周辺機器が安定動作可能な120MHz前後が使える様に、倍率は7.5に設定しました。GHzに達していないので精神衛生上は今一つ良くないですが、確実にL2 2/5でのAthlon1000MHz以上のパフォーマンスを得る事が出来ました。次期K7への期待は当然に高まるのでした。

更なる挑戦その3

Athlon700MHzの製造週17週に900MHzのコアとL2がNEC製の2.8n搭載という夢のような組合せの存在の噂が巷に流れました。Athlonに関しては極めてくじ運が悪い私、しかしこれが最後の宝くじと購入、見事に当りくじを射止めました。2万円半ばの900MHz・・殻割して確認した時は思わず笑みがこぼれてしまいました。早速テストした所、何か様子がおかしい、L2の追従性が今一つ良くない、前回のNEC製の2.9nから考え、相当に期待していたのですが、期待は見事に裏切られ、搭載NEC製の2.8nは2.9nと同等かそれ以下と言う悲しい結果に終わりました。しかしながらコアは流石に900MHz、純空冷で簡単に1000MHzをオーバー、1106MHz(260MHzDDRx4.25)にまで達しました。これでゆっくりと次のサンダーバードを待てそうです。

つづく