江戸暦─葉月の行事 其の壱
八月十五日は中秋の名月、いわゆる「十五夜」です。
仲秋と言うのは本来、七月を「初秋」「八月を「仲秋」九月を「晩秋」と言うところから来ています。
現代とは季節の移ろいの設定が違うため、実感し難いところですね。
十五夜の行事は前日の十四日から始まります。
先ず、十四日の夜、月見の宴を開き詩歌連俳を催します。
そして前日までに米を臼で引いて粉にして、十五日朝未明より家中総出で作るのを吉祥としました。
この団子は月に供えますが、他に、柿、栗、葡萄、枝豆、里芋の衣かつぎを三方盆にうず高く盛り上げます。
団子は三寸五分から二寸余りの大きさに作ります。
これに尾花、女郎花等を添えます。
月に供える団子とは別に小さな団子を作り、一人に付き十五個ずつ、さらに柿、栗等を添えて配分します。
ちなみに閏月は十六個配ったようです。
京坂の団子は小芋形で、衣にきな粉に砂糖を混ぜたものをまぶしました。
これを醤油煮の小芋とともに、各十二個ずつ(閏年には十三個ずつ)三方に盛り合わせます。
この日は先の放生の欄でも延べたように、八幡宮の祭礼でしたので、あちこちで神楽太鼓の音が遠く鳴り響き、幟がはためいて賑やかだったそうです。
今では十五夜も夕方のニュースで聞くぐらいの物で、風流に月見と洒落込む人は滅多に見られなくなりました。
元々は宗教的な意味合いもあったのでしょうし、またそろそろ収穫期に入ると言うのも関係しているのでしょう。
そう言った事柄は現代に生きる私たちには余り関わっては来ないのですが、たまには夜空を見上げて月を楽しむくらいの余裕は欲しい物です。
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