江戸暦─文月の行事 其の壱
井戸浚い(「井戸替え」とも言う)は、一年の間に落ち込んだ落ち葉やごみを取り去る作業です。
前日からこの日の正午までにかけて、約1日半かけて江戸中の井戸を浚いました。
まず、井戸の化粧側をはずし、滑車で大桶をおろし、井戸水を汲み出します。
この桶は井戸を使用している人達が総出で曳きます。
七分通り汲み出したところで井戸職人が水中に潜り、井側を洗って落下物を拾い出します。
全部汲み干したら化粧側を元通りにかけ、板戸を蓋にしてその上に御酒、塩を供えます。
年に一度、それも七月の上旬に水替えをすると言うのはひとつには衛生上の効果もあったのではないかと思います。
梅雨が明け、暑い盛りには雑菌も繁殖しやすい事から、ちょうどこの時期に行うのではないでしょうか。
江戸には上水道がありましたが、雑水としての利用等々井戸の利用法は多岐に渡ってありました。
特に「中水の井」と言われるものは地中の岩盤よりも上の水を汲む井戸ですので、飲用には適さないのですが、鮮魚を冷やすのに適しているため、ほとんどの魚屋にはこの井戸がありました。
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