江戸暦─文月の行事 其の壱



【七夕祭】



 七月七日と言えば七夕祭りです。
 牽牛織女が天の川を渡って年に一度の逢瀬を行う日とされています。
 現代では新暦で見てしまうので、ちょうど梅雨の真っ最中で滅多に星が見える事はありません。
 旧暦では新暦の八月半ば辺りになりますので、概ね晴天となりました。
 七夕祭は五節句(人日、上巳、端午、七夕、重陽)のひとつで、星祭りとも言います。 この頃になると竹売りが程よい竹を担って町中を売り歩きます。
 まず、どんな貧しい裏長屋でも必ず買ったそうです。
 七夕の竹には『天の川』と書いた色紙や短冊、ひょうたん(紙形)、吹き流しなどを付けて飾ります。
 江戸では、竹短冊(青竹に短冊や色紙を付けた物)を長い竿に結びつけ、屋上高く立て上げたそうです。
 当初は家々で飾りを作って楽しんでいたのですが、時代が下るに連れて種々の形の物を売りに来たそうです。
 寛政の頃には紙を網目に切った物や、糸に通したほおずき等をつるし、又は桃灯や西瓜を切った形の物であるとか、枕筆硯の張抜き等も飾ったようです。
 これらの物は現代でも目にする物ですね。

 こうして見てみると、七夕祭りはかなり長い間変わらずに受け継がれてきた物だと言う事がわかります。

 また、七夕様を御慰めするための古くからの行事に【小町踊り】と言うものがあります。
 七・八歳から十二・三歳ばかりの少女達が美しい衣装を着て、手に手に太鼓を持ち、面白く歌いながら歩いたそうです。
 残念ながら、寛延の頃にはほとんどなくなってしまったそうです。
 ただし、天保の頃の資料にも見られるところから、華々しさはなくなったものの、なお続いてはいたようです。


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