江戸暦─皐月の行事 其の弐



【柏餅・粽(ちまき)】




 五月五日は端午の後祝儀なので諸候は柳宮へ粽を献上しました。
 また、多くの町家でも柏餅・粽を自家製作して食べます。
 江戸では男子が生まれると、その年から知人親族に柏餅を贈ったそうです。
 一方、京坂では男の子が生まれて始めての端午には親族知己に粽を配り、二年目からは柏餅を贈りました。
 柏餅は現代のものと同じで、米の粉を練って平たくしたものを二つに折り、間に砂糖入りの赤豆餡(小豆餡)を挟み込み、柏の葉で包んで蒸したものです。
 江戸では赤豆餡のものと味噌の二通りがあって、赤豆餡は柏の葉の表を出し、味噌のものには裏を出して判別できるようにしていました。
 以前、山梨の方に「柏餅と言ったら味噌餡でしょ」と言う地域があるとテレビで観まして、その際、こちら(味噌)の方が元祖だと言っていましたが、ちゃんと江戸にもあったんですね。
 粽は葭(よし)に新粉の団子を付け、それを菰(こも)の葉で包んで蒸します。
 現代の粽には小豆餡入りがありますが、当時のものには餡は入ってなく、砂糖を付けて食べました。
 京都の菓子職人、道喜と言う人が作ったものには砂糖が入っていました。
 これには串になる葭は入っておらず、笹の葉で包んで蒸してあり、道喜粽と呼ばれ大内(御所)にも調進(*)されました。*注文に応じて作り納めること


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