江戸暦─卯月の行事 其の三
「ほととぎす」の事です。
「子規」「不如帰」とも書きます。
山地に棲む中型の鳥で、初夏にキョキョキョと鳴きますが、俗に「テッペンカケタカー」と聞こえるそうです。
残念ながら私はこの声を聞いたことは今だにありません。
この「テッペンカケタカー」の声が聞こえたら、もう夏と言う事で江戸の人々は心待ちにしていたようです。
ほととぎすは鴬の巣に卵を産んでしまう、ちゃっかりした鳥として知られていますが、郭公(かっこう)と同視される事がままあります。
郭公はホトトギス科の一種で、元来別の鳥です。
鳴き声も郭公は『カッコー』と鳴き、どう聞いてもほととぎすとは違います。
因に閑古鳥は郭公の事を指します。
時鳥は高田禅英山宝泉寺の境内にある「いもりが池」の近くの森から鳴き始めたそうです。
また、小石川白山御殿のほとりから指谷町にかけてを初音の里と呼び、高田馬場、駿河台の辺りでも立夏から三日目の頃には初音が聞かれたようです。
俳人は時鳥の声を殊更愛でていたようですが、これは鴬等と比べて時鳥は山谷に棲むためなかなか人里にては聞かれないものですので、初物を珍重する江戸っ子には喜ばれたようです。
「目に青葉 山不如帰 初鰹」
有名な句ですね。
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