江戸暦─弥生の行事 其の三



【出替り】


 出替りの日には肝煎(きもいり=周旋屋)が来て「御家は何用の奉公人を何人召抱えますか」と問い合わせて帰り、後に男女五、六人を連れて来る。
 その内で人柄恰好の気にいった者があれば、宿はどこ、大家は誰、前の勤め先などを尋ね、給金等を決め、男女とも食を与え、まず一日召使い、それぞれの仕事を申し付けて、明日は早朝より来るよう言い付けて帰す。翌日もまた召使い、明日も来るよう言い付け・・・こうして男女とも五日も十日も毎日呼びよせて召使って、それでも他に良いものが見つかればこれに代わる事もある。
 十日も過ぎると奉公人の方より、「もう幾日も相勤めましたから、どうか請状(うけじょう=引請証書)をください」と願い出る。
 それを渡すと男はその晩に、女は翌晩に引っ越してきた。
 男の奉公人などは少しでも悪事があれば手討にする。
 駆け落ちすれば尋ね出させて、引き寄せて試し物にすることが、家々のここかしこに、一月に二、三度ずつもあったと言うが・・・
 ちょっとオーバーな気もしますね。(笑)
 また、この話しは武家の奉公人の事でしょうね。
 町家で試し物なんてやった日には、たちまち手が後ろに回ってしまうでしょうから。(笑)


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