江戸暦─如月の行事 其の弐


【初午】


初午は二月の始めの午の日で、この日は稲荷の社祭になっていて、江戸では盛んな子供祭でした。
「江戸町中稲荷社のあらぬ所はなく、地所あれば必ず稲荷社を安置して地所の守り神とす。
初午祭は盛不盛の別はあれども必ず行ふ。
まづ裏長屋の入口、露路、木戸外への染幟(そめのぼり)一対を左右に立て、木戸の屋根へ武者を画(え)がきし大行灯をつる。
露路の両側なる長屋より表家共地所中の借地借家の戸々に地口画(じぐちが)田楽灯籠をかかぐ。
稲荷の社前にて地所中の児童、太鼓を打鳴して踊り遊ぶ。
借地借家の住み人より集金して社前に供物を奉る。
是最も下等の祭礼なり。
祭費は皆地主の負担とする所とす。
其外(そのほか)地所により盛祭の催しありて実に繁昌したり」
(『江戸府内絵本風俗往来』より)

王子稲荷が最も有名で、関八州の稲荷の司と呼ばれています。




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