オリジナルPenのシリーズは、年代によって3つのモデルが存在しています。初代のPenは、1959年から1960年5月まで製造されたモデルで、三光商事という外注会社にて製造されたモデルです。2代目、3代目とはシャッターボタンの溝の方向と本数、レンズべゼルの表記、フィルム面表示マークが異なります。2代目は1960年6月から1961年12月まで、完全にオリンパスの自社製造体制下にて製造されたモデルです。シャッターボタン及びレンズベゼルの表記、フィルム面表示マークが変更されました。3代目は1962年1月から1964年11月まで製造されたモデルで吊り金具が両側についた最終型です。初代が2代目と入れ代わる1960年は同時にPen
Sが登場する年で、オリンパスはこの1960年5月までの間に、自社生産のための準備を進めていたそうです。PenとPen
Sは1960年以降、並行して製造されていたことになります。Pen
とPen
Sは外観上は殆ど違いがありませんが、異なるレンズ、異なるシャッターメカニズムを搭載しておりオリンパスの生産管理や、在庫管理、各コンポーネントの品質管理など様々な面において、けっこう厄介なモデル構成を成していたと思われます。しかし、営業サイドからの強いリクエストもあってしばらくの間、この二つのモデルが並行生産されていました。そしてその問題に終止符をうつべく、1964年でオリジナルのPenシリーズとPen
S2.8は幕を下ろして1965年よりPen
S3.5が製造されることになりました。レンズを一つに絞り、シャッターメカニズムをPen
S2.8と共通化(一本化)したPen
S3.5へのバトンタッチは、オリンパスに多額の利益をもたらしたと伝えられています。
オリジナルPenとPen
Sの関係を図で示すと左の様になります。まず外注で(といってもレンズ、ボディーダイキャストなどの部品はオリンパス製ですが)組み上げられた初代三光商事製オリンパスPenが登場しました。その後自社製造の準備が整い、まず高性能をうたったPen
Sが登場します。レンズ、シャッターともに三光商事製Penとは異なっています。三光商事製Penの仕様を引き継ぎPen
Sの後を追う形でOlympus
Penが製造されます(レンズ、シャッターは三光商事製と同じ)。その後吊り金具の不具合が発生し、金具を左右2つに改修した三代目Olympus
Penが登場しました(レンズ、シャッターは三光商事製と同じ)。つまりOlympus
Pen SとOlympus Pen(One
Leg)が平行生産されるようになってから、2種類のシャッター、2種類のレンズを保有していたことになります。そして、この煩雑さを解消すべく1965年にレンズ、シャッターを集約したPen
S3.5が登場しました。Pen S3.5の登場と同時にOlympus
Pen(Two Leg)とPen
Sは製造を終了しています。こういったオリジナルPenシリーズの流れ、およびその模写性能からもPen
S3.5はオリジナルPenシリーズの集大成モデル、と位置付けできるかと思われます。ちなみにPen
W(1964~1965年)はPen
Sに高性能な広角レンズを搭載、合わせて黒塗装を施したもので、Pen
Sの派生モデルと位置付けできるかと思います。