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Pen EEシリーズ

Pen EE TreePen EEシリーズも基本的には、初代PenやPen Dシリーズと同様に3段階の進化の道を歩んだと見てとれます。それはEE-EE2-EE3という基本モデルの歴史です。その一方で様々な派生モデル(派生モデルというよりは、どちらかと言えば、独立したモデルでEEシリーズとは別の線なんですが)が誕生したのがEEシリーズの特徴と言えると思います。

 EEシリーズは、誰にでも手軽に写真撮影を楽しんでもらおうという、米谷さんの発想から誕生したものです。米谷さんは、初代Penを設計開発していた時点からすでにEEシリーズのイメージを固めていたそうです。そういう背景から誕生した初代EEは、自社製のプログラムシャッターの開発が追いつかず、プログラムシャッターと言うには少しばかり不足点が有りました。シャッター速度がなんと1/60秒だけの単速で、絞りだけを変化させるというかなり強烈な割り切りの設計がされていました。この単速という点については、オリンパス社内でも賛否両論がぶつかり合い、米谷さんのアイデアである段カムスキャンという画期的な自動露出機構を確立したものの、いざ販売という観点では営業サイドから疑問視する意見が絶えなかったようです。結果的には、2速式のプログラムシャッターの完成も見えつつあったので、市場動向をさぐる観点から単速式Pen EEは製造、販売にこぎつけました。月産平均5500台程度、最終的には12ヶ月で65000台程度が製造された模様です。

 EEが2速化されたのは1962年4月ですので、2速プログラムシャッターの開発製造までに約1年のインターバルが必要であったことが解ります。この1年をじっと我慢して単速のEEを販売しなかったとしたら、EEシリーズがその後これほどまでに成長できたか、またOlympus Penシリーズがその後も繁栄できたかと考えると、非常に興味深いと思われます。なぜならばこの時期、他のカメラメーカーからは軒並みOlympus Penを追撃すべく様々なモデルが市場に投入された時期だからです。庶民に受け入れられる為には、やはり自動露出は必須であったと思われます。1961年から1962年はタロン、ニコン、ペトリ、ヤシカ、リコー、明興社などから続々とハーフカメラが市場投入された時期でもあり、これらの追撃を振り切り、ハーフはOlympusという位置付けを死守するためにも、不完全ながらもシャッターを押すだけで写真が撮れるカメラ=EEの早期投入は販売戦略上、まちがいのないところであったと思われます。

Pen EE Tree02 2速式プログラムシャッターを搭載したEEは1962年4月から1966年2月までの間、合計51800台程度が製造された模様です。

 2速式EEの登場後、明るいレンズを望む市場の声に答える形でEESが投入されました。ただ、設計者である米谷さんとしては、F2.8の明るい(つまり深度の浅くなる)EESはあくまで、おまけで造ったという感じのようです。ご本人がEEシリーズにはその誕生背景からF3.5の固定焦点がマッチしていると考えていた、と語っていらっしゃいます。焦点調整が可能となったEESは、しかしクリックストップ付きのゾーンフォーカスを採用するなど、やはりあくまでも初心者や、カメラに不慣れな層を意識した造りになっています。EESは1962年4月から1968年1月までの間に合計459954台程度が製造された模様です。

 オリンパスにおけるハーフカメラ開発がやや落ち着いた状態(オリンパスではピークの時期には、なんと6種類ものハーフモデルを同時進行で開発していたのですが、1966年にはたったの2種類のモデル、、それはこれから紹介するEE ELとEES ELの2種類だけが開発されただけなんです)になった1966年2月になってEESが、そして同年5月にEEが、EL化されて登場します。ELとはEasy Loadingの略で、要するに巻き取りスプールを少々改良したモデルで、カメラ初心者のもっとも弱点と言われるフィルム装填をより楽にできるようにしたモデルです。どちらも1968年まで製造されEES ELが765709台、EE ELが943986台製造されました。その後に使い勝手を大々的に改良したEES2/EE2が市場投入されます。

Pen EE Tree 03EES2/EE2シリーズはEES/EEの使い勝手を大幅に改良したモデルで、EE EL/EES EL登場から約2年後に登場しました。主な改良点は、(1)後ろ蓋、(2)カウンター、(3)ホットシュー、(4)フィルム対応範囲などです。ようやく近代化を果たしたといった感じですね。尚、国内ではどちらかと言えばグレーのダックペルカのモデルの方が多く目につきますが、黒のダックペルカのモデルが先行して発売されたようです。

EES2 は1968年3月から1985年12月(途中1971年4月から1973年5月の間、製造休止)までの間に1838375台が製造されました。製造休止前のモデルは型式HL-EE4と呼び、休止後つまり1973年5月以降のモデルを型式HL-EE4Nと呼んでいます。HL-EE4Nはシャッターがリファインされ低速1/40秒、高速1/200秒の新しいプログラムシャッターを搭載しています。シリアルナンバーは2000000から始まった模様です(もし2000000よりも若いEES2をお持ちの方は是非ResearchにてSerial Numberをお送り下さい!)。EE2は1968年5月から1977年3月まで1029875台が製造されました。1973年4月以降、EES2同様、新型シャッターが搭載されています。

 

Pen EE Tree 04そしてEE2の改良型としてEE3が登場したのが1973年5月で、1986年10月までのなんと13年間にも渡って1559250台が製造されました。EE3はEE2の更なる改良型です。当時はストロボ撮影がより身近なものになってきた時で、専用ストロボを使用することで、簡単にストロボ撮影を楽しめるようにしたモデルです。結果的には、あとから発売されるEFよりも長寿モデルとなり、EFが退陣したあとも、最後まで長いPenの歴史を守り続けた、最後のPenとなりました。

 EE3をさらに進化させたEFは1981年2月に全プラスチックボディーをまとって登場しました。EFはEE3の進化型で、ついにオートストロボを搭載し、日常のあらゆるシーンに対応できる姿となったモデルです。比較的短命で、1983年8月にはリタイヤしてしまいます。月産平均15550台、総製造台数は482050台です。シリアルナンバーは1000001から始まります。

 

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