Pen D シリーズの血統
Pen
DシリーズはちょうどPen
S2.8の後を追う形で、1962年1月に製造開始されました。Pen
Dシリーズのポイントは高速レンズ、高速シャッター、露出計の装備と、Penサイズの両立です。系列は極めてシンプルです。初代Pen
Dでその骨格がほぼ完成の域に達しており、その後のPen
D2/D3は時間の流れとともに完成されていった新たな技術の追加というか、更新という形になっており、少しずつこのカメラが熟成されていったと見れるでしょう。DからD2への進化は、ずばり露出計がセレンからCdsに置き換わったものですが、電池搭載の問題をクリアーしたという意味でも、記念すべきステップだそうです。そしてD2誕生から僅か1年後には、より高速なレンズを搭載した最終モデル、Pen
D3が誕生しています。セレンからCdsに変更されたことで得た、広い測光範囲と精度の高い測光能力という前提(ペンD2)があればこそのPen
D3の誕生でもあります。しかし同一のシャッターユニットに、D2よりもさらに口径比の大きなレンズを搭載することは、並み大抵のことではなかったという逸話も残されており、米谷さんの飽くなき追求心に疑問を持つ関係者もいるほどの難産だったとか。最終型であるPen
D3が、当時のコンパクトカメラとしてはあくまでも最先端技術の結晶で武装されている点が、オリジナルPenシリーズの最終型であるPen
S3.5の位置付けと異なります。Pen
S3.5は、あくまで当初のPenの目指していた、低価格で高い機動性と高画質という絶妙なバランスを追い求めた形に終止符を打っているからです(Pen
S2.8をリタイヤさせPen
S3.5を登場させたところに米谷さんのこだわりが見えます)。つけられる物はなんでもつけて売るという考え方は、微塵も無く、あくまで各シリーズに求められる機能のみを追求した設計者のかたくなな設計哲学が見えますし、それゆえにPenという小さい、しかし果てしない宇宙のようなカメラに、人々が魅了されるのだと思うのですが、、