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- Pen D2 Close Up 2 / Front View -

Pen D2を正面から観察してみます。 Pen Dシリーズの特徴は
 1 大きな瞳
 2 オリジナルPenシリーズには無かった露出計の為の受光部
 3 受光部を納めるために大型化されたファインダーカバー部
などですが、単純にD2のみを観察すると受光部の大きさに比べてファインダーカバー部(黒い部分)が大きく感じられます。

 もともと初代Pen Dでは、ここにセレン露出計の為の複眼レンズがびっしりと並んでいたのですが、Pen D2になって当時の最新技術であったCds露出計を採用したことにより、あっけない程に小さな受光部がチョコンとつけられ、大きなファインダーカバーの空いた空間が間延びしています。その空間を埋めるためのPen D2の凝った金文字がおごられています。

 このファインダーカバー部の変化は、初代Pen Dと二代目Pen D2の外観から受けるそのカメラにただよう時代感といいますか、世代感といいますか、、ようするにそのカメラの登場時期が大きく異なることを、見る者に感じさせます。
 Pen Dシリーズの進化の道筋にはまさに必然性があり、日本の生産技術、電子技術、化学技術などの各産業技術の進歩に支えられており、外観の小さな変化がその重みをささやかに表しています。

 Pen DやPen EEシリーズに装備されているセレン光電池の長所は、光を受けることによってそれ自身が電流を発生する、すなわち電源となる電池がいらないことにあります。またセレン光電池はその分光感度が人間の目の視感度に近いことです。
 ただ欠点が無いわけではなく、取り出せる電流が非常に小さく(数百マイクロアンペア)起電力が弱いために受光素子の面積を大きくする必要があること、そして暗いところを測れないことがあげられています。

 もともとPen EEシリーズに代表される撮影者を厄介な露出決定から解放し、初心者から熟練者に至るまで広く愛用されるカメラの弱点、すなわち逆光撮影に弱い、またシャッタースピードと絞りを任意に組み合わせ撮影者の意図を汲み取ることが不可能なプログラムシャッターに対する答えとしてPen Dシリーズが生まれました。ただPen Dが搭載していたセレン光電池は上記のような欠点を持っており、Pen Dの有するレンズとシャッターの性能を十分にカバーしていなかったのです。具体的にはPen Dの露出計はEV7からEV17までで、これはPen Dの絞り開放でシャッター速度1/8秒の露光性能を僅かながらカバーできていません。また逆光撮影に対しては読み取り式なので、単独メーター的な使い方をすれば支障をきたすことはないものの、無意識に測定した場合には逆光の影響を受けて主被写体が露出不足になる恐れもありました。このふたつの問題点に対する答えがPen D2に搭載されたCds露出計なのです。

 以下に1064年の「写真工業」に掲載されたオリンパス光学の楠山氏による開発レポートを紹介します
「 Pen D2には当時開発が成功したばかりの3つの電極を持つ複合セルタイプのCdsが使用されています。この複合セルは1:広範囲にわたって高低切換なしの1レンジ等間隔メーターが可能である 2:逆光補正ができる、という大きな特徴がある。従来の露出計では、セレン光電池にしてもCds光導電体にしても、広い範囲にわたって測定するにはセルの受光面積を変えたり、絞りを用いて入射光を調節したりして被写体の輝度の高低に応じた、いわゆる高低切換えを行わなければならなかったし、そのために操作が煩雑になったり、読み違いなどを起こしやすい難点があった。また被写体のコントラストが大きい場合、特に逆光撮影や主被写体のまわりに広い明るい空間などあるときには、メーターは全受光角の平均輝度を測るので主被写体は露光不足になり勝ちであった。そのためあらかじめこのような撮影条件を計算に入れてメーターの振れ角を補正したり、露出計の受光角を極力小さくして被写体の微小部分の輝度だけを測るようにしたものが考えられているが、前者の場合は逆光補正にあまり重点を置くと、輝度が平均化された被写体の場合には補正過剰となち、また後者の場合は、逆にコントラストの大きな被写体の平均輝度を測るときに、平均輝度光域の選択に難点があったりして一般的でなく、いずれにしてもはなはだ厄介な問題であった。しかし複合型Cdsではフラットな光線具合の被写体では従来どおり、、受光角全体の平均輝度を測るが、コントラストの大きな被写体の場合にはおのおのの輝度の中間の値を示し、一般に低輝度である主被写体に対する露出不足を補正することができ、しかも回路の抵抗を適当に選ぶことによって、補正の程度を自由に変えることができる。ペンD2では、ASA100のフィルムを使用したときに、Ev3から17までの範囲を1レンジで測れるようにすると共に、逆光補正については読み取り式メーターと言う性格を考慮して、補正過剰にならないようにしてあり、高度な作画意図にも対処し得るように設計されている。さらにペンD2ではメーターに使用する水銀電池の無用な消耗を避けるためにスイッチを設けると共に、スイッチの切り忘れを防ぐように、釦を押している間だけ回路が閉じて電流が流れるようになっている。
Pen D2 Cds特性 第1図は複合Cdsの特性を表わす図で被写体の輝度が平均化されているときには、その特性は直線を示し、逆光補正作用が行われているときは、被写体のコントラストに応じて高輝度側で先端が下にカーブし斜線の範囲内で自動的に変化する。」







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