-Lens/Shutter-
Pen
Dの存在意義はとにかく一にも二にもそのレンズにあると思います。F1.9と言う大口径のレンズにより、絞り開放でのボケを生かした撮影や暗闇での撮影領域の拡大につながっています。レンズの仕様はF.Zuiko
32mm F1.9
4群6枚のガウス型です。直進式Helicoidを採用しているので、焦点調整をする際に前玉が回転せず、フィルターワークが容易になっています。
そしてもうひとつが高速のレンズシャッターでしょう。Penは1/25
-
1/200 秒のコパル#000Barioを搭載していました。一方でPen
Dは1 / 8 - 1/500
秒のコパル#000Pronter式を搭載しています。このシャッターが無ければ明るいレンズもただのガラスの塊と化してしまいます。実はこの高速なシャッターの開発はオリジナルPenの開発がスタートした時点でコパルに対して依頼されていたそうです。
シャッターの開発にも、かなりの期間が必要だそうで、高速化と小型化を両立させるのは並み大抵のことではないそうです。小型化にこだわった米谷(note1)さんは、それだけ高速なシャッターを使いたいのならばコパル#00を使用すれば良いのでは?というコパルの意見に対して「絶対に#000が使いたいのだ」と押し切ったそうです。結果的には開発期間を要し、Pen
Sで1/250、Pen Dで1/500の#000
Pronterが搭載されることになったそうです。
Pen
Dのすばらしさは、この大口径レンズをコパル#000の中に納めてしかも通常のPenとほぼ同じサイズのコンパクトなボデーを達成したことでしょう。しかも露出計を装備したのですからまるで手品のようです。
note1=The name of the designer of Olympus Pen is
everywhere translated as Mr.Yonetani, this is an error by
translation software.
exact -- It is Mr.Maitani.
-露出計-
Pen
Dシリーズのポイントとしてレンズ以外に露出計の搭載があげられると思います。Penシリーズとしては、1961年にすでにPenEEが露出計を搭載していました。タイプは同じセレン光電池ですがEEのサークルアイ方式とは異なり写真の様に、ファインダー部分にコンパクトに納まっています。これはおそらく大口径レンズを搭載している関係で、サークルアイ方式にできなかったのではないでしょうか。それともうひとつはEEシリーズが露出計を露出制御に使用している関係でレンズの周囲に配置しているのではないかと思います。
Pen
Dにおいては露出計は露出制御に使用するためでは無く、LV値をトップカバーのメーターに表示する為に搭載されていますので、セレンの受光部(note2)がこの位置にあるとも言えます。測定範囲はLV7〜17でフィルムスピードはASA10〜400に対応しています。光があればこのメーターは勝手に作動しますのでとても便利です。このメーターでLV値を読み取り、レンズ鏡胴部にあるLV値の窓に読み取った数字が表示されるように、絞りとシャッタースピードを自由に組み合わせて撮影を行います。
Pen
D2.D3においてはCdSを使用しているので、外観がこの写真のようにまるで時計屋さんが腕時計の修理をする時に目に直接つけるルーペのような、もしくは海中から獲物を狙う潜水艦の潜望鏡の先端のような受光部(note2)となっています。僕はこれをナチスの覗き穴と呼んでいます。すごく悪役の様に見えてしまうんです。つまらない感想はこのくらいにして、CdSの搭載で測光範囲が広がりかつ、精度も増したそうです。もっとも、セレンのおおらかな反応を見ながら撮影するのもゆったりした気分で撮影できて悪くはありません。電池も不要ですからね。やっぱりPenはセレンに限ります。しかし極限の暗さの中での撮影となると、やはりPen
D2/D3に一歩譲らざるを得ません。しかもこのCds露出計には、信じられないようなテクノロジーが内臓されているのです。この件については、Pen
D3のところで紹介します。
note2=Light acceptor
-Shutter Button/Counter-
Pen
DのシャッターボタンはPenシリーズの標準仕様である長方形です。平滑性、縦位置撮影での操作性を追求した結果この形になったそうです。そしてもうひとつ、フィルムカウンターは手動の逆算式でフィルムをセットした後に真ん中のギザギザのついたリングでフィルム枚数を合わせるようになっています。
これは不便のように思われるかもしれませんが、実はこれがいいんです。これから72枚撮るぞ!という意識付けとともに、36枚撮りのフィルムが72枚撮りになったぞ!倍だぞ!ハーフはえらいぞ!と実感できる一瞬なんです。ちなみにこのすばらしい一瞬は1967年発売のPen
EEDで奪われてしまいました。(自動順算式カウンターが導入されてしまったんです。)ところでこのシャッターボタンとカウンターには謎があります。ひとつはシャッターボタンの長さがPenやPen
S.Pen
Wと比較して短い事。そしてボタンの溝とレリ−ズケーブル(note3)の穴が左右入れかわっている事。カウンターの文字盤の色がEEシリーズは白でPenシリーズとPenDシリーズは黒い事。なぜなんでしょうか?(そんなのどうでもいい、、)ボタンの溝と穴の位置関係が入れ代わっている理由は内部構造上の理由だそうです。
note3=Release cable
-Bottom-
これはPen
Dの底面です。左側の丸いくぼみの中にあるのが巻き戻しボタンで広いくぼみのおかげで、実に押しやすくできてます。このくぼみは1968年に発売されるEES2,EE2以降小さいくぼみに変わります。真ん中は三脚ネジ、右側のノブは後蓋を固定しているノブでノブを立てて90度回転すると後蓋が丸ごとはずれるようになっています。このノブが精密感というか剛性感たっぷりで、いい感じです。
底面の四隅にはこのように小さな突起があります。カメラを置いたときにぐらつかない働きもしているのだと思います。CONTAXなんかにもついています。他に理由があるかも知れませんが解りません。後でよくよく観察してみて解りました。この小さな突起は、後蓋と底蓋(note4)を合体させるためのリベットの頭なんです。あえて平らなリベットを使用していないのは、おそらくカメラ底部の保護の為と思われます。
note4=Bottom cover
-後蓋-
初代Penシリーズと同様にPen
Dも後蓋がカメラの底といっしょにはずれる様になっています。これは1967年のPen
EEDが登場するまでです。なぜこのような蓋にしたかと言うと、フィルムの軸の分だけカメラの高さを高くしたくなかった為だそうです。開閉式だとフィルムのへそを逃がせるだけの蓋の寸法が必要となりその下側にカメラの底部分がさらに必要でわずかにカメラの高さが増してしまうのだそうです。それと蝶番のコストが意外とかかるのだそうです。
なんでそこまでカメラの高さを低くしたかったのか?それはハーフサイズというフォーマットに起因しています。ハーフサイズだとカメラの横幅は必然的に狭めることができるそうです。一方でカメラの高さはフルサイズと変わり無いのでカメラ自体が妙に背高のっぽになってしまうそうで、かっこわるい、、それがいやで高さをすこしでも低くしたかったそうです。このこだわりには恐れ入りますよね。
次はPen DとPen Fの関係について見てみます。
-Pen Fとの比較-
Pen
DとPen
Fを比べてみるといろいろと勝手な想像が沸いてきます。米谷(note5)さんはPen
Dを設計していた段階で既にPen
Fのイメージをある程度持っていたのではないでしょうか?つまりPen
Dは後から生まれてくるPen
Fのサブ機材という位置付けです。Pen
DはPenシリーズにおいては高度な撮影に使用できる高級機として開発されたわけですが、米谷(note5)さんが持っていたイメージはレンズ交換可能なカメラ。 しかしPenシリーズそのものはあくまでも広く一般大衆がターゲットでコスト的にも限界がある、、。そこで将来的には自分の理想をとことん追求したハーフサイズのカメラを出すぞと言うもくろみのもとで、その時にサブ機材としてふさわしいカメラはどうあるべきか、その形がPen
Dだったんじゃなかろうか、、なんて勝手に想像してみたりするんですけど、いかがでしょうか?
Pen DとPen
Fをいっしょに使うのってとっても便利なんです。Pen
Dには露出計があって(Pen
Fには無い)、それを直接読み取れる。シャッタースピードが同じ1/500秒同志。Pen
Fのレンズの基本フィルター径は43mmでPen Dも同じ43mm。Pen
DのレンズはF.Zuiko 32mmでこの焦点距離はPen
Fシリーズには無い。それとPen
Dのシャッターボタンの溝とレリ−ズケーブルをつける穴の位置関係がPen
Fと同じ(溝が左で穴が右)なんです。Pen、Pen S、Pen W、Pen
S3.5はこの位置関係が逆なんです。Pen DとPen
Fは赤い糸で結ばれている!!(気持ち悪い、、)ちなみにぼくはPen
Dが男性でPen Fが女性のような気がします。Pen
Fは可憐な顔つきですから。そして性転換手術を受けた結果、Pen
FTに生まれ変わったんじゃないでしょうか?(おまえマジかよ、、)
Pen D Close Upはこれでおしまいにします。次はPen
D2をClose Upします。
note5=The name of the designer of Olympus Pen is
everywhere translated as Mr.Yonetani, this is an error by
translation software.
exact -- It is Mr.Maitani.