homePen EM Close Up 02

 [Home]

 
-Lens-

EM LensEMに搭載されているレンズは、F.Zuiko35mm F2.0です。4群6枚構成のガウス型で、35mmフルサイズに換算すると51mmの焦点距離となります。このレンズはPenの中では最も長焦点です。ハーフサイズカメラとしては比較的長い焦点距離のレンズを採用している理由は、アサヒカメラ誌によると鏡胴後部に様々な部品がつまっていて30mm級のレンズを搭載できなかったためと記載されています。またこのレンズは他のPenには使われていません。さらに同誌に記載されている専門的な分析を紹介すると「球面収差が小さく、F5.6まで絞ったときの焦点移動も小さくよい。放射、同心両画像は半画角18.5度へんで交わらせてあり、それ以上の画角では両者の開きはたいへん少ない。平均像面は多少内側に湾曲している。画面周辺にいくにつれて光量が減少する割合を示す開口効率は、画面対角線90%の位置で58%、たいへんおおきなりっぱな値である。解像力はなかなかよく、実写結果もすなおで使い良いという感じを受けた。」とあります。かなり専門的で難しいですね(^ ^ゞ。

レンズの仕様を見て思ったことは、EMというカメラが、ホントにあらゆる面で欲張りなカメラだったという事です。電子シャッターの搭載だけで十分に画期的なカメラだと思いますし、そこにハーフというオマケもついているわけですから、結構アピール度は高いと思うのですが、さらにモーターによる巻き上げ、巻き戻しがついて、さらにこの明るい大口径レンズの搭載。もう、「これでもか」ってな感じですよね。この「これでもか」主義故にPenらしさは一掃されてしまったのだと思います。

-EE 機構-

このカメラのEE機構は、Cdsセルとコパルエレク000番電子シャッターとの組み合わせで、作動範囲は絞りによって異なり、開放F2のときはEV2〜11(1〜1/500秒)、絞りF16のときはEV3〜17(30秒〜1/500秒)となっています。30秒といった長時間露出ができることはまさに注目に値します。使用できるフィルムの感度はISO10から400まで。

 このカメラをEEで使うには、まずカメラ背面のA(オート)とM(手動)との切り替えレバーをAに設定したのち、ファインダーカバー上面右端にあるASA感度を設定します。次に被写体に対して適当と思われる絞りにセットしてから、カメラを被写体に向けてシャッターボタンを押せば良い、、となります。Cdsセルを含む内部の電気回路は、セットされた絞りに対する適正露出時間を無段階、連続的に選定してくれます。

 最初にどの絞りを選ぶべきか迷う初心者のために、鏡胴前部に太陽、雲、窓際、室内の4つの絵マークと、おおまかなフィルム感度設定部分とが用意してあって、これを利用すると一応無難な絞りにセットすることができます。

Shatter Schema このカメラの電子シャッターの構造と作動は左図のようになっています。(アサヒカメラより)原理としては、シャッターボタンを押すと、レリーズレバーの作用でシャッター羽根が開き、同時に回路のスイッチが入る。電磁石にも電流が流れて閉じレバーを吸引するため、羽根は開きっぱなしとなるが、Cdsセルを流れる電流がコンデンサーに蓄積されてその端子電圧が規定値に達すると、比較検出回路とその増幅回路とが働いて電磁石の回路を遮断し、閉じレバーが電磁石から離れてシャッター羽根が閉じ、露出が完了する。

カメラの露出制御を自動化した場合に、そのカメラのユーザー像がどのような層となるかは、結構両極の判断がなされるそうで、つまりホントに素人か、極めて通の人か、、。このEMについてはこの大口径レンズを搭載したことから勝手に推測すると、比較的「通」のユーザーをターゲットに置いていたのではないでしょうか?F2級と言えばPenDシリ−ズの守備範囲ですからそこに食い込んでいるわけで、明らかに「通」指向だと思います。

しかし他の部分で上記の考え方には?マークがついてしまいます。ホントに「Pen通」をターゲットとしていたのか、、。このカメラにはPenシリーズに脈々と流れる割り切りや、明確なコンセプトといったものとは別の何かを感じます。


-EM vs Pen-

EM vs PenオリジナルのPen とEMを正面から見た映像です。従来のPenは上部がややすぼまった台形デザインですが、EMは真四角です。またPenはレンズの配置やファインダーカバーの位置などに左右対象のデザインが成されていますがEMはまったく違います。またPenのアイデンティティーでもあるファインダーカバーの造形がEMには無く、まったく異質のカメラと言えます。トップカバーの縁には一段の絞りがあることもPenの特徴だと思いますが、EMにはありません。

ですからこのカメラを見たときに、これはPenだといわれても信じられません。決定的なのがその大きさでフルサイズカメラ並み、いやいやそれ以上の大きさと重さがあることです。この独特な雰囲気をかもしだしているEMには、どことなく未完成なイメージが有ると思いませんか?

当時オリンパスのPenと言えば、すでに確固たるブランドイメージが確立されていましたし、その優れたインダストリアルデザインがPenらしさ、Penの存在感、Penとして認知される所存であり、Penの熱烈な愛用者の誇り?のようなものであった訳で、自称「Pen使い」の人種にしてみればこのEMというカメラは、あくまでOlympus EMであってもOlympus Pen EMとは成り得ない、いやもう少し直接的に言えばPenと名乗ることは許しがたいものが有ると思われます。

EMを愛用されている方の名誉の為にもひとつことわっておきたいのは、このカメラがダメなカメラだとか言っているのではなく、ここに記したのはPenの血統かどうかということです。EMそのものにはカメラの発展史上すばらしい功績が存在しており、今日のコンパクトカメラの主流である自動露出と自動巻き上げ(電気モーターで)を世に問うた世界初の35mmカメラという輝かしい勲章が有ります。ですからホント誤解しないで下さい。と、言う訳でEMにはPenを名乗る理由が見当たらないことになります。Penの完成されたデザインを継承していない点と、その大きさ重さの点で。ここのところが「Pen通」指向ではないと考える第一の理由です。


[Page Top] [Camera Gallery Index] [Home] Next>>