-Disassenble 1-
Pen
EEのトップカバーを外すとこのようになります。この画像でグレーに見える部分はすべてダイキャスト製です(少々画像がきたなくて良く解らないかも、、)。トップカバーを外した姿はなんとなくクラカメめいていて、そそられる物があります。ファインダー部分の両サイドには結構な空間があるので、ファインダー部分だけを突き出して軍艦部の両肩を下げたクラカメデザインを捨てて、フラットなトップカバーを目指したのだと思われます。個人的にはどちらのデザインも、捨てがたい物があります。
-Disassenble 2-
リアーワインディング部分はこのようになってます。巻き上げスプールと同軸上にノブが有り結果的に歯車の数を減らすことになり、コスト削減に寄与しています。ノブの右側に有る小さな歯車は、シャッターをチャージする為の物です。ノブの手前の細い棒状の部品がシャッターレリ−ズボタンによって押し下げられる部品です。ノブの左側にある歯車は巻取りスプールを駆動する為の物でさらに減速歯車を介してフィルムカウンターの針が動くようになってます。針その物はフィルムを入れた際に手動で撮影枚数をセットできるようにする為、波状の金属板によるフリクションを介して駆動軸にマウントされています。
-Disassenble
3-
リアーワインディング機構の隣にはユニット化されたEEメカニズムとファインダーがあります。画像の中心にある円形のピンの下にあるギザギザのついた板が段カムと呼ばれるパーツでシャッターボタンを押し込む過程で上へゆっくりと押し上げられてきます。実はこのギザギザの一段一段が絞りに対応していてセレンメーターで測定した明るさに応じて絞りを決定するんです。EEではシャッター速度は1/60秒固定ですので段カムは当初ひとつでしたが、EEの後期モデル及びEE2以降ではシャッター速度を決定する為のもうひとつの段カムがあります(写真の段カムは2速タイプだそうです。このことはゲストブックに書き込みして下さった研究員さんとkinjiさんに教わりました。いつもありがとうございます)。その右となりにある黒っぽい部分がファインダーです。
-Disassenble
4-
これがユニット化されたファインダー部分です。画像の右側にあるのがファインダー光学系で左側がなんと電流計なんです。EEシリーズのファインダーがオリジナルのPENシリ−ズの逆ガリレイ式からアルバダ式に変わった理由はこの電流計を納める為だったのです。この電流計はセレン電池が発生する、明るさに応じた電流をもらって、律儀に針を左右にゆっくりと振るんです。それを前のページで紹介した段カムが機械的に検出するようになってます。
今日であればセレンの電流によって直接絞り制御が可能だと思われますが、Pen
EEが誕生した当時においてはこの方式、すなわち段カムスキャン方式は最先端テクノロジーであり、またEE化を可能とした大発明だそうです。もちろん米谷さんが発明されたものです。この時からカメラの中に目に見えない電気なるものが走りまわるようになりました。この様に電流計ユニットとセレン電池は電線で結ばれています。ただ今日のカメラが内蔵しているスルメイカ(柔軟性のある電気回路の基盤)よりは明解で解りやすいです(私は電気が超不得意なんです)。
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5-
これがユニット化されたレンズとシャッタ−部分です。画像の左側にあるのがシャッター系で右側がセレン/レンズ系です(いちいち解説しなくても見ればわかりますね)。EEシリーズのこのようなユニット化はおそらく生産性の合理化に非常に寄与していると思われます。長く突き出た棒状のものがシャッターレリ−ズのためのスプールなんですが、この棒は他に先程ふれた段カムスキャンのメカニズムを作動させる大切な役目も持ってます。ですから非常に長いストロークを有しています。米谷さんのお話によればこの段カムスキャン方式を採用した為に長方形シャッターボタンをつけられなかったそうです。
シャッターユニットとファインダーユニットを外した本体側はこんな形です。奥にシャッターのメカニズムが見えています。Pen雑学の森で紹介した様に二枚羽のシャッター羽があります。それにしても今日では考えられないくらい、ごつい本体構造ですね。たのもしいです。
-Disassenble
6-
左の画像はセレンからの電流を受けて作動する電流計の下面です。白丸で囲まれた部分が電流計の針です。この針が明るさに応じて左右にゆっくり作動します。この電流計は弱い電流でも鋭敏に動くように作ってあります。メーター指針の両端を針のように尖らせて、硬く摩擦係数の少ないサファイヤを軸受けにして受けています。そのメカニズムは大変デリケートだそうです。明るさに応じて変化する指針の振れを機械的にスキャンしてカウントするときに、その力が加わっても鋭敏なメーターを壊してはならないので、ここが当時のEEカメラの設計の難しさのひとつでした。いろいろな試行錯誤のすえ米谷さんが考えたのは、指針を薄いバネ材で作り、力が加わったときにたわんでその力を逃がし、指針の先端だけを強くしてそこをカムで抑える。そういうメーターを考え出し、露出計トップメーカーのセコニックを訪れました。営業部長は「初めての経験だがとにかく作ってみましょう。ところで、何台生産するつもりですか?」「少なくとも月産1万台くらい」と米谷さんは答えたそうです。
生産化はまだ決まっていないがペンが5000台でも品不足なところから、それくらいは必要になるだろうと計算したそうです。セコニックの営業部長はけげんな顔をしていた。なぜならば単独の電気露出計は専門家用なので高級品となると月に数10台、量産品でも600台程度だったのですから。単独露出計は高価でまだそんなに売れないだろうが、EEカメラに組み込むからそのくらの数量が必要なのだと説明したそうです。実際に生産開始してみるとその数は予想をはるかに上回り、月産6万台を超えてしまったのです。(クラカメ専科より)
シャッターボタンを押していくと下の画像の中央に見える段カムがゆっくりと上昇します。そうするとある時点で上の針と段カムがぶつかります。そのぶつかった時の段カムのカムの位置によって絞りが決定されます。カムの一番低い所が絞りF22で一番高い所が開放絞りF3.5に相当してます。明るすぎると針が左に振り切れている為に、カムの一番低いところにあたり絞り最小となります。逆に暗すぎると針が一番右に振り切れていてカムの一番高いところより向こう側に行ってしまいカムは針と当たること無く上昇します。そうすると後にあるレバーに連動して赤いセルロイドが上昇して警告表示を行い、またシャッターロックが作動します。
実はこのEEメカニズムには社内でも賛否両論で、決着にはかなりの時間を要したようです。Pen開発の親とも言える桜井さんから、「たとえ露出アンダーでも、それを承知でシャッターを切らなければならないことがある。シャッターレリーズをロックされては困る」と言ったのでした。米谷さんは、それはあくまでもベテラン写真家に必要な機能であって、EEシリーズがターゲットとしている初心者にはシャッターの切れないほうが親切だと反論したそうです。桜井さんは、「カメラとしての機能が限定されすぎる」といって聞き入れなかったが、考えた末にフラッシュ撮影のための機能によってシャッターロックを解除して撮影可能としなんとかこのシャッターロック機能が許可されたというものです。しかしさらに押し問答は続きました。シャッターロックが作動した際にファインダー内に赤い標識が出るのを見て「何だこれは? こんな安っぽい標識なら付けない方がよい」とまたまた桜井さんからクレームが付きました。ロックがかかるだけで十分であり、赤い標識を取れというのだった。米谷さんは、写そうとしてシャッターが切れないと、誰でも「あっ、キャップをとらなければ」、、とか「暗いのでフラッシュをつかわなければ、、」と気づき安心できる。もし赤い指標が出なければ、「故障したのか、、」と、とれるからだ。米谷さんはシャッターロックには警告表示を併設することが必要不可欠であると考えていたため、がんとして引き下がらなかった。今日のEEカメラがすでに確立された状況ではこのようなことは、当然であるが、まだEEカメラが誕生したばかりの当時には、何が正しく、何が陳腐であるかさえも誰にもまだ判断のつかない時期だったわけです。
暗すぎてシャッターが切れない場合一度明るい方へカメラを向けて十分に針を振り切らせたあとで、即座に暗い被写体へカメラを向けてシャッターを切るとロックが作動せずに撮影可能となるのは、この針が戻り切る前にカムが針にコンタクトする為だと思われます。
叉は明るい方向へカメラを向けてシャッターボタンを半分くらい押し込みカムを針に当てた状態を維持してから被写体にカメラを向けシャッターを切ることでも対応できます。この時の撮影結果は当然モロアンダーですがネガフィルムならば問題無く写ってます。(問題有りか無しかは、あなたしだい!私はずぼらな性格なので問題無しです。)
またそんな面倒なことをしなくても、絞りリングをオレンジ色の絞り値に合わせれば、セットした絞り値でシャッターロックが作動すること無くシャッターを切ることもできます。
-Build Up and
Painting-
バラバラになったEEを元通りに組み立てますが、バラしたついでに黒塗装を施すことにしました。
今回は塗装表面にちりめん模様ができる変わった塗料にトライしてみました。ちりめん模様というのは、表面にうねうねというか、にょろにょろというか、そんな感じの凹凸のあるつや消しの模様でなんとなく高級感の漂うものです。小生はZynolyteという会社のWrinkle
Finishという塗料を使用しました。
塗装前に塗装面を脱脂して、さらに塗装面を温めます。この温める工程をはしょると、きれいなちりめん模様ができません。また普通の塗装では一度に厚塗りすることは御法度ですが、このちりめん塗装は少々厚めに塗ります。数回に分けて吹き付けたあと、オーブンで再度過熱します。そうすると塗装の中に混入した水分が急速に蒸発して塗膜の強度が増すそうです。
偉そうに書きましたが小生にとってこのちりめん塗装は初体験であり、実は失敗の連続でした。ちりめん模様が全体に均一にできないんです。失敗のたんびに、塗料を全部落として再度塗り直しといった感じです。結局それなりのところで妥協しました。塗り終わったEEはこのような感じです。人によっては「ただの汚いカメラ」でしかないと思いますが、まあ趣味なんてものは自分ひとりが満足できればそれでサイコ−なわけで、黒いPen
EEを眺めてひとりほくそ笑む小生です。