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『台湾入門』 酒井享著 日中出版
先日、台湾を歩いていた時に考えていたのは、大陸から中国人が入ってくる前に平地にいた原住民は何処にいっ
たのだろうかということだった。つまり今の本省人とは移民の中国人と原住民との混血児ではないのかという疑問
だった。本省人とは南米におけるメスチーソのような存在ではないのかと考えていた。
この本で酒井氏は「そうだよ」、とひとことで言いきっている。南米に渡ったスペイン人が殆どが男たちばかりであっ
たように、台湾海峡を渡っていったのも殆どが男たちであったのである。
台湾人やメスチーソが本国の言葉を残したのは原住民との文化的な力の差が圧倒的だったということなのだろう。
この日本列島にも半島や大陸から多くの移民が渡って来たのだが、日本語と日本文化が残されたのは移民が日
本人に融合していったということなのだろう。
日本人と台湾人、日本人と原住民の間は併合初期こそいろいろ軋轢もあったが徐々に上手く行くようになった。こ
れは原住民の血と文化が、日本人のそれと相通ずるところがあったからではないか。インドネシア、フイリッピンか
ら台湾、沖縄、九州と繋がっていく『入れ墨』、『ふんどし』の南方海上文化の流れなのである。
(010623)