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最近のバンコック 


 
初めてバンコックを空から見たときは、地平線の涯まで一面の水田が広がっているのに感動したものだった。
 空港から町に入る道路も、車も少なくのんびりしていて、人が横切ったりしていた。
 今、空港の周りは開発され、都心までの高架の高速道路の両側は工場やビルで埋まっている。

 
バンコックはいつ行っても騒々しく、落ち着かない街である。にも関わらず、何故かヒトの心をホッとさせてくれる変
 な街でもある。日本人にもバンコック・フアンは多い。
 最近は定年を向かえたサラリーマンが夫婦でスクンビットあたりのマンションに住む例も多いと聞いた。

 
       ☆

 97年夏の金融破綻から大不況に入ったタイ経済も最近はだいぶ持ちなおしてきたようで、手元の、Far Eastern
 Economic Review 誌(02Dec99)をみると、昨年ー9.4%だった成長率も99年は+3%が見こまれている。しかし、
 株式市場は銀行の未回収債権の処理が進んでいないことから、なかなか以前の水準にまでもどらない。SET指数
 で半値戻しぐらいか。この先、経済が本格的な回復に向かうのか予断を許さないという。鉱工業生産指数は着実
 に上昇しており、バーツ安に支えられて輸出も好調だが、問題は銀行の抱える膨大な不良債権である。


 銀行の貸出し債権の焦げ付き率なんと45%、$65Billion (約6兆7000億円) とある。バーツや円のレートが大
 きく変わっているがおおざっぱに1,800億ドル経済 (96年:世界国勢図会98/99 国勢社)と見て、日本の5兆
 1000億ドル(同年)に対し30分の一の経済規模の国である (ちなみに韓国、中国がそれぞれ日本の10分の一、
 5分の一の経済)。
 この金額は日本経済が200兆円の銀行の不良債権を抱えていることに相当する。


       ☆

 日本の銀行のそれは当初、20兆とも30兆とも言われていて、日本中がその金額の大きさに驚いていたのだが、
 それが何時の間にか膨らみにふくらみ、最後に100兆〜130兆円という数字がでて大騒ぎしているのが現在の
 金融大不況である。

 ところが、タイではGDP比で日本のそれのほぼ2倍の規模で資金が焦げ付いていることになる。
 銀行への公的資金の投入が行われ、幾つかの銀行は消えうせ、また合併となどで多くの金融機関がすでにその
 名称を買えてしまい、一応解決のメドのついた日本と違って、タイではこれからが正念場である。
 
 今後、幾つも銀行が潰れていくことになるのかどうか。
 しかし、タイは国の経済規模が小さいだけに、日本などの先進諸国からのちょっとした援助が大きな役割を果たせ
 ることになる。これを上手く利用していけば、意外と早く問題は解決されるのかもしれない。 


       ☆

 確かに建設が途中で止まったビルが街のあちこちにあるが、つい十数年前までは高架の高速道路も、高層ビルも
 なかったところである。一度(経済)戦争に負けて無条件降伏したと思えば、心理的にもやり直しもしやすいだろう。

 初めて『バーツ経済圏』などという言葉を聞いたときには、バンコックにまだ何もなかった時代を見てきただけに信
 じられないような気がしたものである。たしかに一頃、ベトナム、ビルマ、カンボジア、ラオスなどではタイ資本が巾
 をきかせていた時期もあったのであるが。
 (15Dec99)




                

        
 左がワールドトレードセンター            高架鉄道  12月5日開通
         
奥が94階(?)のバイヨークスカイビル          左上方 『そごう』 のロゴが見える

      
           空港でバンコックの中央駅に向かうエアポートバスを探しに来たとき、名古屋から来たという
           若い男のふたりづれが椅子に座って別のルートをとるバスを待っていた。初めてのバンコック
           だとかで名古屋のエージェントを通じホテルの手配もしてきたと。
           写真にあるこの超高層ビルに入っているホテルに泊まるという。3泊分8000円を支払い、日本
           でクーポンを貰って来たといっていた。

           手元のガイドブックを見るとツインの部屋で2800バーツ(今のレートで約7560円)/泊 からと
           あるから3分の一の価格で売っているのである。
           一日2666円、ひとりあたりだと1333円/泊である。
           そう言えば、名古屋には激安のデイスカウントチケットを売るので有名な店があると聞いたこと
           がある。


               ☆

           このビルの建っているプラトウナーム市場の周辺は、けっこう大きなホテルが集まっていたりす
           る地域だが、本質的に下町で、ごちゃごちゃしたところに突然どか〜んと94階が聳えたってい
           るのである。日本だとこれだけのビルだと周囲にはかなり広い空間をとるのが普通であるが、
           ここではある側面では数メートル巾の道路を挟んですぐ隣りに三、四階のビルというか家が建ち
           並んでいる。
           通りから見上げると、どこまでも上に向かってビルの壁がのびている。
           いかにもバンコックらしいというか・・・。しかし、折れたりしたら目も当てられない。
           (15Dec99)