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最近読んだ本
『韓国と韓国人』 (隣人たちのほんとうの話) 小針進著 平凡社新書
著者はソウルの日本大使館での専門調査員を経て今は静岡県立大学で北東アジアの地域研究をしていると
いう。この大学は韓国・朝鮮研究もそうだが、異色な先生がかなりいるらしく最近ときどきその名を目にする。
きっと学長さんがおもしろいひとなのだろう。
何冊かこの人の本をよんでいたはずだが、手元にもなにかあるだろうと捜してみたら、「世紀末韓国を読み解く」
という本が見つかった。このひとは新聞や政府刊行物、年鑑などからのデータ-や資料を多く出してくれるので
それを見ているだけでもおもしろい。
韓国で大ベストセラーになった、元KBSの女性特派員だった田麗玉氏が書いた
『日本はない』(邦訳『悲しき日本
人』)という本がある。日本では誤まった知識から誤まった結論をだしていると全く評価されていないのだが、この
『韓国と韓国人』では日本の経済協力に関してのこんな下りがあった。
同書での「先進国の条件」という章の中に、「ある国が豊かになれば、その富の恵みが隣国にも及
んでしかるべきなのに、分配の法則を完全に無視する国が、果たして経済大国といえようか」という
部分がある。
また、この本の著者は94年上旬に発行された日本のある雑誌の中で、
「これだけの経済大国なのに、貧しい国に対して経済的貢献をしぶるというのは驚きです。日本
以外の国では、富める者が貧しい者を助けるというのは常識ですよ。『わたしが苦労して儲けた
金だから、使い方はわたし次第』なんていうのは、本当に日本しかない特殊な考え方なんです」
と発言している。
こうした意見を韓国のエリート記者が発言し、また韓国でこうした意見が受け入れられやすいのは、
戦後日本の対韓援助に関して韓国人が無知であることと無関係ではないだろう。
と書いて、在韓日本大使館の出している資料をベースにして著者が作成した対韓援助一覧表を挿入している。
そういえば、『竹島』の項で触れた宇恵一郎氏も、ソウルの地下鉄5号線が完成たときに韓国人の友人と見にいき、
その自動券売機や検札システムなどが日本式であることを確認した上で、同伴者にその線が日本の援助でできた
ことを知っているかと尋ねると、「今や韓国は対外援助国なんだよ」と相手にされなかったと書いている。

日本政府による主な有償・無償資金協力事業・技術協力事業cooperation
韓国人も日本人と比較してアジア諸国で受け入れられているとは決して言えないと、次ぎのような話も書かれている。
また、前掲の『日本はない』には、「わが国の国民がいかに優れていてステキな国民かもわかりま
した。二十一世紀は韓国の世紀になるという確信ももてました」とある。
韓国人がすばらしい国民であることは認めるが、「日本のように非人間的で、歴史的に不潔で、
道徳麻痺の国」という文脈の中で自国民を礼賛するのはいかがなものか。
たとえば、近隣諸国での日本人と韓国人の受けはどうかといえば、韓国人がよいとも限らないので
ある。読売新聞社と韓国日報社がアジア七ヶ国で行った共同世論調査によれば日本と韓国に対
して否定的な印象を持っている各国人の割合は、それぞれ次ぎのようになっている。
(『読売新聞』95年5月23日付)
| 対日本 | 対韓国 | |
| 中 国 人 | 37.8% | 31.1% |
| インドネシア人 | 13.9% | 33.3% |
| マレーシア人 | 2.9% | 33.3% |
| タ イ 人 | 21.6% | 61.2% |
| ベトナム人 | 1.1% | 41.3% |
なお、最後の表は当該本では文章表現。
また、ここに出てこない残りの2カ国というのは日韓両国なのだろうか。95年当時は互いに『反日・嫌韓』といわれ
ていたほど問題のあった時代で、じゃあ他のアジアの国での両国の評判はどんなものなのだろうかと、こんな調査
もおこなわれたのだろう。
江沢民時代にはいり、反米・反ソから反日へと方向転換して国内の引き締めをはじめた中国を除くと、どこの国で
も韓国人の方が評判が悪いという結果がでている。
『日本はない』の著者もそうだがひところよく
"日本は世界の嫌われ者" 的な発言が韓国人の口から語られていた。
彼らにとっては軽蔑している日本より自分たちの方が嫌われていると知って、ちょっとショッキングな結果だったかも
しれない。
(24Jan00)
参照: 「市民革命」といわれる韓国の落選運動 (同じ著者の記事)
