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      赤軍帰国 09juillet02
      


 北は結局よど号メンバーを日本に追い返すことに決定したようだ。このまま『テロ支援国家』として米国からレッ
テルを貼られている限り対米関係は進展しない。

南との経済格差は開くばかり。国内では人民が南の真実を知り始めている。日本との関係でも、拉致を認めるこ
とはできないが、『よど号』を戻すことなら可能。などなどの事情でこう言うことになったもよう。


 産経新聞 7月9日

よど号犯4人が帰国方針


帰国のための渡航申請書を手にする
「よど号事件」グループの(左から)若林盛亮、小西隆裕、赤木志郎、安部公博の4容疑者

=平壌市内(共同)

 北朝鮮在住のよど号事件グループの小西隆裕容疑者(57)らメンバー4人は9日、共同通信の取材に対し、逮捕覚悟で自主的に日本に帰国する方針を固めたことを明らかにした。4人は帰国のための渡航申請書に署名、代理人の山中幸男・救援連絡センター事務局長が預かり、平壌から同日、日本に持ち帰った。

 赤軍派学生ら9人が1970年3月に日本初のハイジャック事件を起こして北朝鮮に渡って以来、メンバーが帰国のための具体的な手続きに入ったのは初めて。事件は発生から32年余を経てようやく全面解決に向けて動き出した。

 しかしメンバーらは「拉致疑惑などで理不尽な対応が続くようであれば帰国はできない」とも述べており、実際の帰国時期は不透明で実現までには曲折がありそうだ。

 メンバーは「自主帰国」を決めた理由について「一連の拉致疑惑など、自分たちの存在が北朝鮮への『テロ国家攻撃』に利用されることを危ぐした」「北朝鮮の工作員だとの誤解を晴らしたい」などとしている。北朝鮮当局も、帰国の方針には理解を示しているという。

 またメンバーらは帰国実現に向けた協議の場を速やかに設けるよう日本政府に要請。日本で公判中のメンバーらが不当な扱いを受けているとして、対応を改めるよう求めている。

 帰国を決めた4人は小西容疑者のほか、赤木志郎容疑者(54)、若林盛亮容疑者(55)、安部(本名・魚本)公博容疑者(54)。当初の9人のメンバーのうち、これまでに故田宮高麿・元赤軍派幹部ら3人が死亡、田中義三被告=公判中=ら2人は既に日本にいる。

 メンバーらは85年に当時の中曽根康弘首相に手紙を出し、ハイジャックについて無罪を主張、これが認められることを前提に初めて帰国方針を明らかにしていた。現在は「事件の罪を償う覚悟はある」としている。(共同)

 ■よど号事件 1970年3月31日、赤軍派の9人が、羽田発福岡行き日航機「よど号」を乗っ取り、乗客乗員計129人を人質にして北朝鮮行きを要求した日本初のハイジャック事件。福岡空港で乗客23人を降ろし、北朝鮮の空港に偽装した韓国・金浦空港に着陸。気付いたメンバーは3日間、機内に立てこもった。故山村新治郎運輸政務次官が身代わりになり、機長ら3人以外は解放され、4月3日に平壌に到着。9人は国外移送目的略取容疑などで国際手配された。メンバーのうち、故田宮高麿幹部ら3人が死亡。2人が帰国して逮捕され、有罪判決を受けている。



 朝日新聞 7月10日

よど号メンバー4人が帰国方針 逮捕覚悟、申請書託す

 70年の日航機「よど号」ハイジャック事件で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に渡った元赤軍派メンバー4人が、帰国する方針を固めたことが分かった。4人が帰国すれば、警視庁は同事件の強盗傷害、国外移送略取などの容疑で逮捕する方針だが、4人は逮捕を覚悟のうえで自主的に帰国する考えという。国内初のハイジャック事件は32年ぶりに解決に向かう可能性が出てきた。

 帰国を表明したのは、小西隆裕(57)、赤木志郎(54)、若林盛亮(55)、安部公博(54)の各容疑者。帰国のための渡航申請書に署名、これを代理人の山中幸男・救援連絡センター事務局長が預かり、9日夜、日本に持ち帰った。

 メンバーは、英国留学中に行方不明となった有本恵子さんの拉致にかかわった疑いもあり、警視庁は一連の拉致事件についても調べる。

 メンバーは80年代以降、日本政府と無罪を合意したうえでの帰国を主張していた。しかし関係者によると、今回、4人はハイジャック事件での逮捕を覚悟して意思表示しているという。

 帰国の理由の一つとして、「有本さんの拉致事件で犯人扱いされており、明確に否定したいという気持ちが強い」としている。北朝鮮の非難に利用されている、とも憂慮しているという。帰国の意思は5月以降、よど号グループの中で話し合い、自分たちで決めたとみられる。

 米国が北朝鮮をテロ支援国家にしている理由の一つには、よど号グループの存在が挙げられている。メンバーの帰国の背景にテロ支援国家指定解除を目指す北朝鮮の意思がはたらいているのではないか、と警察当局はみている。

 ただ帰国の時期は未定で、手続きについても今後、支援者グループが外務省と協議しながら進めるため、なお曲折が予想されるという見方もある。

 よど号グループは平壌郊外に住んでいるとされている。グループの妻子では昨年、子供3人、妻1人の4人が帰国。小西容疑者の妻福井タカ子容疑者(56)とメンバーの子5人について、9月10日を目標に帰国の準備を進めている。

 よど号メンバーのうち、リーダーの田宮高麿幹部ら2人が死亡し、岡本武容疑者が未確認ながら死亡したとされる。最年少で当時16歳だったメンバーは88年に日本国内で逮捕され、懲役5年の判決を受けて出所。田中義三被告(53)は96年、偽米ドル札を所持していたとしてタイ当局に逮捕されたが無罪となった。00年に日本に身柄送還され、今年2月に懲役12年の判決を受けて控訴している。(01:41)


毎日新聞 

7月10日 12:49
よど号グループ:
帰国は「北朝鮮の意向が働いた」 官房長官


 福田康夫官房長官は10日午前の記者会見で、よど号事件グループのメンバー4人が帰国手続きに入ったことについて「何らかの北朝鮮の意向が働いたと考えるべきだと思う」と述べ、北朝鮮政府が関与しているとの見方を示した。

 メンバーが渡航申請書に署名したことに対しては「ハイジャックという重大な罪を犯していること、従来、北朝鮮側に身柄の引き渡しを請求してきた経緯にかんがみ、関係当局間で協議して具体的に対応する」と述べ、申請があれば帰国に必要な渡航書を発給することを示唆した。そのうえで「日本の領土に到着した場合には日本の法律に基づいて措置される」と述べ、帰国と同時に警視庁公安部が逮捕するとの見通しを示した。

[毎日新聞7月10日] ( 2002-07-10-12:47 )



毎日新聞
2002年07月10日


よど号:
「投降的帰国ありえない」 早期実現薄く 赤木容疑者

 日航機「よど号」を乗っ取り朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に渡った元赤軍派メンバーが、帰国のための具体的手続きに入ったことに関連し、メンバーの赤木志郎容疑者(54)は10日午前、毎日新聞との国際電話で、「全員帰国に向け、まず日本政府と協議を行いたいというのが真意で、投降的な帰国はありえない」と語った。日本政府は、メンバーらとの協議には応じない方針で、メンバーらの逮捕を前提とした早期帰国が実現する可能性は少なくなった。

 赤木容疑者は、帰国のための渡航申請書に署名した理由について「このまま共和国(北朝鮮)にいれば、共和国への反テロ戦争の口実や反共和国宣伝に、私たちが利用されてしまうから」と述べた。また、「(メンバーの1人で)田中義三被告への長期刑(1審で懲役12年、控訴中)の適用や、(メンバーの妻で公判中の)金子恵美子被告に対する長期拘置などが改められなければ、帰国はありえない」と語った。

 そのうえで、赤木容疑者は「日本政府がこれにどうこたえるかが問題だ」と話し、(支援者の山中幸男氏に託した帰国のために必要な)渡航申請書を直ちに外務省に提出する考えはないことを示した。

 また、メンバーらで作る「かりの会」は同日、代表の小西隆裕容疑者(57)の名前で「日本政府が勇断を持って私たちの全員帰国問題解決の協議の場を速やかに設けることを願う」などとする声明を発表した。

[毎日新聞7月10日] ( 2002-07-10-15:01 )


 

7月11日付・読売社説(1)


 [よど号犯帰国」「北朝鮮の邪魔者になったのか」

 一九七〇年三月、日航機「よど号」を乗っ取って北朝鮮に亡命したメンバー四人が帰国の意思を明らかにした。

 彼らは八〇年代半ばから、盛んに「帰国」を口にしてきた。今回は帰国に必要な渡航書の発給を外務省に申請する準備を始めるなど、一歩踏み出した形だ。

 だが、帰国後に待っている逮捕を「受け止める思いはある」としながらも、帰国に向けて、日本政府との事前協議を要求している。

 考え違いも甚だしい。国際手配されている海外逃亡中の犯罪容疑者であるという現実を理解していない。

 よど号犯はこれまでも、政府に無罪の合意を求めたり人道的見地からの帰国など、甘えとしか言いようのない主張を繰り返してきた。政府がこうした主張を無視してきたのは当然だ。法の裁きを受け刑に服する覚悟が帰国の前提であることは、言うまでもない。

 帰国理由についてメンバーは、自分たちが北朝鮮にいることで、北朝鮮がテロ支援国家だという国際世論がつくられ、攻撃材料にされているからだ、などと説明している。これは北朝鮮当局の意思そのもの、との見方が多い。

 よど号犯をかくまっているとして、米国は北朝鮮をテロ支援国家のリストに載せている。北朝鮮にとって、よど号犯の利用価値がなくなり、米朝関係や日朝関係を改善するうえでも、もはや邪魔者、との判断もあるのではないか。

 四人は刑法の国外移送目的略取(ハイジャックなど)、強盗致傷など多くの容疑に問われている。帰国後は、捜査当局は厳正に刑事手続きを進めなければならない。四人には国外逃亡中で時効が停止されており、立件に問題はない。

 拉致(らち)問題の解明も課題だ。英国留学中の有本恵子さんが八三年に拉致された事件では、四人のメンバーの一人、安部公博容疑者が関与した疑いが強い。警察庁が国際手配の準備を進めている。

 メンバーの元妻の証言によると、よど号犯の一人から、北朝鮮側の命令だとして「革命の中核となる日本人の発掘、獲得」を指示された、という。

 さらに、よど号犯には、北朝鮮の外交旅券で頻繁に出国するなど、別の秘密工作にかかわっていた疑いもある。

 ハイジャックから三十二年、九人のよど号犯のうち三人は死亡し、一人は公判中、一人は刑期を終えて出所した。

 残る四人のメンバーの帰国が実現したとしても、一方には拉致されたままの人たちがいる。あらゆる疑惑について、真相の徹底解明が不可欠だ。

(7月10日22:09)


産経新聞 7月11日

よど号犯 「年内帰国は困難」

代理人 外務省と協議意向

 日航機よど号ハイジャック犯のメンバー四人が帰国の意思を表明した問題で、代理人の山中幸男・救援連絡センター事務局長は十日、東京都内で記者会見し、帰国時期について「年内にたどりつけるとは思っていない」と述べ、早期帰国は困難との見方を示した。山中事務局長は「帰国手続きについて、外務省の責任ある立場の人が具体的に考えてほしい。時間がかかると思うが、実現に向け努力したい」と述べ、近く外務省と協議を始める意向を明らかにした。

 北朝鮮にいるよど号グループは、九月にも妻子六人が新たに帰国する見通し。当面は残る妻子の帰国を継続する方針で、メンバー四人の帰国は、実現しても最後になるとみられる。

 一方、メンバーは十日、リーダーの小西隆裕容疑者(五七)名で声明を発表。「日本人拉致容疑という攻撃がかけられ、私たちが北朝鮮のテロ工作員とされることによって、北朝鮮がテロ支援国家であるという世論がつくられ、敵対的感情があおられている」とし、「テロ国家攻撃」の回避と日朝間の緊張緩和のため帰国すると表明した。

 拉致疑惑については「身に覚えのないもので、背後に邪悪な政治的企図を感じる」「容疑を晴らすことは一刻の猶予もならない」などと改めて否定した。


産経 7月15日(月)

よど号犯「逮捕覚悟」戦術 拉致疑惑を逆手

対米関係改善北、“追放”の思惑も
「無罪主張」より「望郷の念」
関与否定、帰国の名目

 北朝鮮に渡った日航機よど号ハイジャック犯のメンバー四人が事件から三十二年ぶりに逮捕覚悟の帰国意思を表明した。「無罪帰国」という従来の主張を撤回した背景には、日本人拉致容疑関与の証言やメンバーの有罪判決などで追い詰められた四人が「拉致容疑への関与を否定するため」を大義名分に念願の帰国の道を探っているとの見方が強い。米朝関係の改善を狙う北朝鮮の思惑もちらつく中で、疑惑を逆手に取ったともいえる帰国戦術は実現するのか。

≪空虚な主張≫

 帰国を表明したのは、元共産主義者同盟・赤軍派の小西隆裕(五七)、若林盛亮(五五)、赤木志郎(五四)、安部公博(五四)の四容疑者。

 望郷の念が強いとされる小西容疑者らはこれまで、逮捕されることなく帰国する「無罪帰国」を主張してきた。逮捕覚悟の“有罪帰国”を表明したのは初めてだ。彼らを取り巻く情勢に、どんな変化があったのか。

 今年に入ってから、メンバーにとって二つの重要な出来事が起きた。ひとつは二月、田中義三被告(五三)が東京地裁で懲役十二年の判決(控訴中)を受けたことだ。

 これにより四人が帰国、逮捕された場合に受ける刑期の目安が示されると同時に、無罪帰国というスローガンが一段と空虚さを増した。

 彼らに残された帰国の道は事実上、自主的な有罪帰国しかない。しかし、名目なしに無罪帰国を撤回すれば、警察当局に投降することになり、メンツが立たない。

≪八尾証言≫

 閉塞(へいそく)状況が続くメンバーに三月、さらに重大事件が襲った。メンバーの元妻、八尾恵・元スナック店主(四六)による有本恵子さん拉致容疑の法廷証言だ。

 八尾元店主は、安部容疑者らの実名を挙げ、自身とメンバーが北朝鮮外交官と共謀し、有本さんを組織的に拉致したことを認めた。メンバーは「あり得ない」などと激しく反発、動揺した。

 警察当局は「八尾証言で追い込まれたメンバーは、これを逆手に取り、『拉致容疑を払拭(ふっしょく)するための自主的な帰国』という大義名分を考えたのでは」と指摘する。

 米国は北朝鮮に対するテロ支援国家の指定解除の条件として、メンバーの国外追放を挙げている。米中枢同時テロ以降、米国の圧力が強まる中、帰国表明は対米関係の改善を狙う北朝鮮の思惑も働いているようだ。

 「日本人拉致容疑という攻撃がかけられ、私たちが北朝鮮のテロ工作員とされることによって、敵対的感情があおられている」「(拉致)容疑を晴らすことは一刻の猶予もならない」

 メンバーが声明で示した帰国理由に、警察当局は憤りを隠さない。「拉致を否定したままの帰国は、有本さん事件を闇に消そうとするものだ。両親の気持ちを考えると許せない」

 警視庁公安部は有本さん拉致事件で、安部容疑者を結婚目的誘拐容疑で立件する方向で捜査を進めている。メンバーが帰国すれば、ハイジャック事件で逮捕するとともに、有本さんや他の日本人男性拉致疑惑も含めて厳しく追及する方針だ。

≪決着2年後?≫

 赤木容疑者は産経新聞の電話取材に対し、「拉致など到底できない。北朝鮮への訪問を希望する人を斡旋(あっせん)したことはあるが、その中に有本さんという人はいないし、北朝鮮で見たこともない」と関与を否定。容疑払拭のための帰国作戦との見方についても「それは一面的だ」と話した。

 塩見孝也・元赤軍派議長は「有本さん事件に関してということではないが、八尾証言の一部は事実だと思う。帰国には賛成だが、疑惑を否定するなら、拉致された日本人が北朝鮮にいないか調査し、証明してから帰国するのが筋だ」と話す。

 メンバーは帰国の条件として、自分たちの刑期にも影響する田中被告の減刑などを政府に求めるとみられる。

 ただ、協議の見通しは立っておらず、「決着には二−三年かかる」(支援者)。公安関係者の間では「帰国表明はパフォーマンス」との見方すらあり、帰国の実現性は不透明だ。

         ◇

 ≪よど号事件≫ 昭和45年3月31日、共産主義者同盟・赤軍派の9人が羽田発福岡行き日航機「よど号」を乗っ取り、乗客乗員計129人を人質にして北朝鮮行きを要求した日本初のハイジャック事件。福岡空港で乗客23人を降ろし、北朝鮮の空港に偽装した韓国・金浦空港に着陸。メンバーは3日間、機内に立てこもった。故山村新治郎運輸政務次官が身代わりになり、機長ら3人以外は解放され、4月3日に平壌に到着。メンバーは国外移送目的略取容疑などで国際手配された。事件を契機に同年6月、ハイジャック防止法が施行された。