| 世に心霊スポットと呼ばれる場所がある。それはホテルや病院の廃墟であったり、
山深い峠道であったり、また薄暗いトンネルであったりする。「深夜、独りで歩く女性を見た」「写真に奇妙な光が写りこんでいた」など、目撃者の証言も様々なら、ときに真偽不明の現象も取り沙汰される。さて、大阪にも有名な心霊スポットが存在する。
筆者は今回、特に有名な2ヶ所を選んで足を運んでみたのだが、そこで見たものは…。夏の企画をお届けする。
(文・写真/庄村有治) |
★大阪府能勢町の「しおき場」★
大阪の中心から北西に位置する能勢町。大阪市街と違い、ここは今も自然が手付かずのまま残っている閑静な土地だ。 能勢町は大阪の別荘地としてその名を馳せている。
さて、この能勢町で有名な心霊スポットといえば、「野間トンネル」と「しおき場」である。 国道477号と国道423号を結ぶ野間峠の途中にある恐怖スポットなのだが、ここで心霊体験をする人は昔から数多くいる。
地元のタクシー運転手に話を聞いた。
「夜遅く、あのトンネルを通るのはタクシー運転者なら誰でも嫌がります。昔、私の友人が深夜に能勢町で客を下ろし、野間トンネルを通って会社へ戻る途中、トンネルを出た直後、脇道で白い衣装を着て残バラ髪の女性を見たのですが、その後、原因不明の熱に冒されて一週間ほど仕事を休みました。夜、トンネルを走っていたらエンジンが止まったとか、あの付近でその手の話は数え切れませんよ」
地元の人もこう話す。
「トンネル付近で幽霊が出るというのは有名な話です。写真を撮ったら男の首が写っていた、という話も聞きました」 「昼間は国道と国道をつなぐ道ですから車列は絶えませんが、夜ともなれば街灯もなく真っ暗ですし、怖くて地元の人でもあまり利用しませんね」
このように「野間トンネル」を巡る恐怖体験は数多いのだが、実は心霊現象の発生源はトンネルのすぐ近くにある「しおき場」だといわれている。
この「しおき場」と呼ばれる場所は、野間トンネルを東から西へ越えて、約200メートル下った所にある。峠道の脇にあるので、この場所を知る人は少ない。ハイカーでもないと、うっかり見落としてしまうほどだ。
その「しおき場」を訪れてみる。
峠道の脇にトラックが5台は停車できるスペースがぽっかりと開いているのだが、周囲はうっそうと茂った木々に囲まれ昼間でも薄暗いためか、車で走っているとまず見落としてしまう。
そのスペースの中心付近には地元の郷土史研究家が打ち込んだという杭があり、そこに「史跡『しおき場』」と書かれている。その横には、近くの寺が供養のために建立したという供養塔と、コケに覆われた大きなナゾの石があるだけ。
言い伝えでは、かつてこの場所で罪人の処刑が行われたというが、「正確な事実は不明」(能勢役場)なままだ。
地元の歴史研究家が解説する
「能勢という土地の歴史は古く、すでに平安時代の終わりには存在していたようです。『しおき場』の近くにあるコケの生えた大きな石には平安時代の元号が記されていますから、その時代から『しおき場』があったのかもしれません。「ただ、当初は地元の荒くれ者を懲らしめるための場所だったようです。罪人を処刑する場所として制度化されたのは、たぶん江戸時代からでしょう。実際にあの場所で人が処刑されたのは、たぶん事実でしょうが」
余談だが、ある霊能力者がこの「しおき場」を訪れた際、突如青白い顔になり、 「あまりに危険なので遊び半分で来ないほうがいい」と語ったという。
また霊感の強い人は、ここを訪れると必ず気分が悪くなるともいわれている。筆者が撮った写真のうち、2枚が真っ黒に写っていた。原因は分からない。
確かにここは大阪でも有名な心霊スポットだが、肝試しなど遊びの気持ちで夜などには訪れないほうがよいのかもしれない。
★一庫ダム★
北東から見た一庫ダム。バス釣りのメッカでもある |
兵庫県川西市にある一庫ダム(ひとくら・だむ)。完成は昭和57年。高さ75m、堤の長さ285mの多目的ダムである。
周辺は県立猪名川渓谷自然公園にも指定されており、週末ともなればダム湖である知明湖のまわりには、ハイキングや釣りに訪れる人が後を絶たない。
また、ここは琵琶湖と並び大阪北部の貯水湖としても有名で、水不足の報道がなされるたびにダムの水位も取り沙汰される。
だが、一庫ダムが有名なのは、なにも風光明媚な場所だからというわけでもない。ここで心霊現象に遭遇する人は数多く、近畿の心霊スポットとしても呼び名は高い。
心霊現象が起きる場所は特に決まっていないが、ダム周辺の林道や国道にあるトンネルで恐怖体験をする人が多いようだ。ダム湖の周囲には京都府へ抜ける国道が走っているが、この国道には6つのトンネルがある。深夜このトンネルを走っていると、脇道で全身ずぶ濡れの女性を見かけることがあるというのだ。慌ててバックミラーを見ると、影も形もなく消えているという。また、国道から離れた林道を深夜歩いていると、鎧兜を着た武士の姿を見かけこ
とがあるという。
地元の人が言う。
「言い伝えによると、戦国時代、ここには一庫城という城があったが、近隣の領主が攻めてきて落城し、城に残っていた家来や女が近くの淵に入水したそうです。その淵もいまは知名湖の底に沈んでいるらしく、浮かばれない霊たちがダムの周囲を彷徨っている、といわれています」
「そのためか分かりませんが、この周辺の国道では交通事故が多く、死んだ人も少なくありません。またダムに身を投げるなど自殺者が多いのも事実で、その霊たちがこの一帯を彷徨っているのだとも言われています」
ダム近くで偶然見つけたナゾの鳥居 |
「ダム湖の東側にある保ノ谷トンネル近くに鳥居があります。周囲は草が覆い茂っていて近くに寄ることは難しいですが、昔、鳥居のある山を登っていくと神社があったそうです。その神社は滅んだ城主たちを慰めるために建てられたという噂ですが、いまは神社やご神体は別の場所に移されたという話です。しばしば霊たちが現れるのも、ご神体がないからなのでしょうか」
筆者が取材に訪れた当日、ダム近くの国道で大型トラックが大破する事故に遭遇した。これも霊の仕業なのか。
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