| 梅雨明けが待たれる今日この頃だが、今年の梅雨はしっかりした雨の日が多いように思うのは、私だけだろうか。 |
★ブルーな気分も一掃★
学童の指導員の経験は一年しかないが、振り返ってみて一番困るのが、この梅雨の季節だった様に思う。なんと言っても、遊びたい(しかも外で)盛りの小学生をたとえ数時間でも部屋の中で飽きさせずに遊ばせるのは、至難の業である。
今年は、それに増して、学童の児童数が五十人を超えていて、なおかつ部屋が四十人学級の空き教室を使っていて、人口密度が非常に高いので、もう、天気予報で「雨マーク」が出ている日の勤務は、出勤前から本当にブルーな気分になる。
しかし、子供達は一向にこちらのブルーな気分に構わず、遊びほうける。今の学童 に行ってつくづく「子供ってどこでも遊べるんだなあ」と思うのだ。
というのは、子供達はそんな狭い部屋を物ともせずに、宿題をする為に置いてある 机の下まで使って、ブロックでお城やら線路やら作って、自分たちの世界を広げていっているのだ。
★盛り上がるUNO★
部屋の一方でブロック遊びをしているかと思いきや、また別の片隅では何人かで集まってUNO(ウノ)というカードゲームをして盛り上がっている。
UNOは比較的新しいゲームなので、昨年度の学童で私は覚えたのだが、同じ数字や同じ色のカードを続けて出していって、持ち札が早くなくなった人が勝つというゲームである。最近はトランプの七並べや、ばばぬきよりも、UNOの方が、児童達は馴染みがあるように思う。
そんな今どきの子供達のいる学童にしては意外に珍しいと思ったのが、将棋をすることである。もちろん、「山くずし」など簡単なゲームは前の学童でもしていたが、今の学童では「本将棋」をする子が割合と多い。これがまた、結構強かったりする。
私も、一応ルールというか駒の動かし方が分かるので、雨の日にちょっと暇そうにしていた子とやっていたら、次の雨の日には私が将棋ができると思ったのか、他の子(二年生)が「先生将棋しよう」と勝負を挑んできた。
最初は、楽勝、楽勝…と思っていたのだが、その子の駒の動かし方がどこで覚えた のか、本格的に人差し指と中指に駒を挟んで動かすのである。
★「王手!」にピンチ★
「王手!」。これには、私も驚いて、思わず気を引き締めて盤面の駒を動かし続けたのだが、恥ずかしながら負けてしまった。
将棋と同じくらいに流行っているのが、オセロである。これもまた、子供っぽく目先の数だけにとらわれるオセロをするのかと思っていたら、「先生、角っこ取ったら強いねんで」と一人前のせりふを吐く。将棋に負けた悔しさから私はその子供にオセロ対決を挑んだら、何とか勝った。その勝負だけで、指導員の面目を保つことが出来たと思っているのは単純な私だけだろうか。
部屋の中だけでは飽きたらず、狭い教室からはみ出して、廊下でこまを回し始めたり、メンコをしたり、あげくの果てには卓球をし始める子供も出てくる。てんやわんやの大騒ぎである。
★ぬかるみの中で戯れ★
さて、梅雨の晴れ間は子供達にとっても、待ちに待った楽しい時間のようである。
雨の日のうっとうしさから解放されて、嬉々として子供達はいつも以上に元気に遊んでいる。
そして、雨上がりの運動場は、いつものようにボール遊びや、鬼ごっこをするだけの場所でなく、晴れの日以上の遊び場になるのである。
皆さんも子供時代に覚えがあるのではないだろうか。「泥遊び」の格好の舞台になるのである。
子供達は、靴・靴下を脱ぎ裸足になって、泥水やぬかるみの中で遊んでいる。
「遊ぶ」というよりも、「戯れている」と言ったほうが正しいかも知れない。
★ダム基地できたで!★
何とも言えない触感があるのだろう。恍惚の表情でぬかるみに手を入れて、「せんせい、ダム基地できたで」と報告に来る。
ダム基地というのは、ぬかるみの泥を少し盛り上げ、それで水たまりを堰止めるような単純なものだ。しかし、子供には、ダム基地という高低差の付いた所から泥水を校内の排水路に流すという単調なことが楽しいらしく、「先生、うまいこと水流れるからよう見ててや」と言いながら、雨上がりには必ずと言っていいほどダム基地が作
られる。
中には、ブランコに座りながら、至極当然のように(しかし、私には無理やりのようにしか見えないだが)足をぶらんぶらんとさせながら、無言で、しかし「してやったり」というような表情で、下に出来ている水たまりの中に足をはめて、靴だけでなく靴下までもグチョグチョにしている一年生もいる。
★手も足も洗ってよ!★
一・二年生のちっちゃい子ばかりではない。今の学童では三年生の男の子が率先してぬかるみの中に入って行っている。だから、泥まみれもたいがいではなく、「お願いやから、部屋に入るときは手も足も洗ってよ!石けんでやで!」と大声で叫んでいる私である。
そんな心配はお構いなしに、ぬかるみとは別のちょっと澄んだ水たまりでコチョコチョコッと泥を落としただけで、「手洗った」と平気で部屋の中に入ってくるずっこい子もいるので、油断できない。
もしかしたら、教室の内外を問わず、一年のうちで一番指導員と子供達との知恵くらべ、技くらべのいろんなバトルが繰り広げられるのは、今の梅雨時かもしれない。
さて、今年の梅雨時の対決はどちらが勝つのだろうか。梅雨明け宣言まで、まだ日がある。
(磯貝 圭子)