| お好み記者独り言64 「従軍」記者が伝えた「侵攻」 |
イラク開戦が近づいた3月7日、朝日新聞は1面に、ペルシャ湾に浮かぶ米空母キティホーク艦上からのリポートを掲載した。朝日の記者がキティホークに乗っているのか!と、その面を担当しながら驚いたが、同記事は、米国防総省が今回、前線の各部隊に同行する約500人の記者枠を認めたことを報じ、記者も「従軍記者として上艦した」と書いた▼「従軍記者」――大阪編集局では当初から、軍に従属して報道(虚偽報道も)するという悪いイメージが強いため、なるべく使わないようにしようと申し合わされていた。ただ、発信元の東京では、「従軍」という言葉をあえて使った方が、一定の制約の上での取材であることが読者に伝わるのでは、といった見方も有り、東西で多少の温度差があったのも確かだ▼「従軍取材」では、「指揮官の許可なく進行中の戦闘を報道できない」「空母機動部隊の正確な艦船数、将来の作戦、警備態勢の写真などは報道できない」とされたが、朝日は「前線で何が起こっているのかをより詳しく伝えるため、記者を派遣することにしました」と「おことわり」を入れた(いずれも3月7日1面)▼ちなみにNHKは「日本に軍隊がなく従軍記者という概念がないため、日本のメディアの記者に使うのは不適切」と「同行記者」「同行取材」を使用、共同通信は「旧軍のイメージが強く使いたくない」として「同
行記者」「○○にて」などとしていた▼もう一つ、メディアで表現が割れたのが米英軍がクウェートからイラクへ攻め入ったのは「侵攻」か「進攻」か、だった。読売、産経は「進攻」「進撃」「進入」などを使い、朝日、毎日は「侵攻」を用いた。共同は「『侵攻』か『進攻』かは、世論を二分している問題で、価値判断を伴う言葉を配信先に押しつけるのは不適切」と「進撃」と配信した▼産経新聞は「野心に基づいた侵略戦争ではない。『進攻』としたのは、そうした認識を明確にするため」と説明し、朝日は「主権国家に他国の軍隊が攻め入った。国連安保理の明確な武力行使容認決議もとっておらず、侵攻と言うべきだ」としている(以上、4月24日朝日「検証大統領の戦争 メディア」から)。(門) |