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お好み記者独り言 63
 被爆地向かぬ、この国の空疎

▼午前8時15分。この時間は大概寝ていることが多いが、8月6日、今年は運よくというべきか、仕事でデスクに着いていた。57回目の広島原爆記念日。平和記念式典で 秋葉市長は、米は「世界の運命を決定する権利を与えられている訳ではありません」、 日本政府の役割は「まず我が国を『他の全ての国と同じように』戦争のできる、『普 通の国』にしないことです」と宣言。その毅然とした物言いに、テレビで見ていても 身の引き締まる思いがした▼続いて、こども代表の小学6年生二人が、「広島の街の 命を消すことなく、灯し続けてくれたおじいさん、おばあさん。今度は私たちが平和 のリレーランナーとして、受け取った命のバトンをしっかり握りしめ、戦争や原爆の 恐ろしさと平和の尊さを語り継いでいきます」と、声を合わせてしっかりと誓った。 平和への純粋な思いが切々と伝わってきて、胸が熱くなった▼それに比べて、小泉首 相がたんたんと読み上げる「あいさつ」の無感動状態よ。「平和憲法を順守し、核兵 器を持たず、作らず、持ち込ませず、との非核三原則を堅持してきた。この立場は、 今後も変わることはない」と言ってはいても、である▼この日首相は、恒例の「被爆 者代表から要望を聞く会」には出席しなかった。式典に出席した歴代首相では初めて の欠席だ。去年も、厚生大臣としても何度も聞いた、というのが理由らしい。首相周 辺の一人は「もともと首相は形式的なことが嫌いだから」と漏らしたというが、それ で分かった! 式典のあいさつを聞いても形式的な空疎さしか残らなかった訳が▼午 前8時15分。久しぶりに寝床ではなく自らの意思で黙祷し、「広島号外」を作りなが ら、「こんな首相を頂いて、この国はどこを向いているのだろう」。そんなことを感 じた今年の8月6日だった。(門)




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