[ 目 次 ]      月刊・お好み書き 2002年9月号


新連載 放課後の先生(2)

夏休みの学童保育あれこれ


 これを書いている時は「夏休み」も残り一週間となっている。この夏休みの間の出来事を今回は書いてみようと思う。

 

☆十年ぶりに水着を新調☆

 まず学童保育の指導員になった時から「夏休みにはプールがあるよお」と私の周りの地域の学童保育に関係している人には言われていたのだが、私は「あっても大したことないやろ」と悠長に構えていた。しかし、夏休みまであと一月というところで、職場の先生から「夏休みはプールがあります」と断言され、しかも「みなさんにもプールに入って貰いますので」とのコメントが・・・。その時点で「え〜っ!」。この十年近く「プール」というものに入ってなかった私の驚き。みなさんには感じて貰えるだろうか。しかし、驚いてばかりはいられない。まずは「水着の調達」をしなくてはいけない。この十年近くで私の体も流行もずいぶん変化しているので、以前持っていた水着ではダメだろうと思ったので、早速買いに行くことにした。家族には「たかだか学童のプールに入るのにわざわざ買わなくても・・・」といわれたのだが、やはり約十年前の水着では格好が悪いような気がして結局購入した。

 

☆体育の様なプールの時間☆

 さて、先生としての初めてのプール。私のイメージとしては「水浴びチャプチャプ」という感じだと思っていたのだが、これまた考え違いであった。
 まず、きちんとラジオ体操の準備運動から始まって、「最初はプールサイドを持ってのバタ足。そして、プール幅を使ってのバタ足。最後に二十五メートル使っての練習」を途中何回か休憩タイムを取りながらこなしていく。まるで体育の授業の様で最初は驚いた。しかし、子供達は水に入れるのが嬉しいらしく、どの子も楽しそうな顔をしている。私は小学生の頃、プールが嫌いだったので、何だかみんなが楽しそうな顔をしているのがちょっと不思議だった。
 三学年にまたがって泳ぐのでその学年によって、泳げる距離も全然違う。一年生の中にはまだ顔をつけて泳ぐことも出来ない子がいるし、三年生の中にはきれいなクロールで二十五メートル泳ぐ子もいる。スイミングに行っている子も多いので、総じて、みんなうまく泳げていると思う。だから、楽しそうな表情がでてくるのだろうな・・とプール落ちこぼれの私は思った。
 プールの最後は「自由時間」なのだが、これまたみんな目を輝かして泳ぐ。この時間まで来ると私も童心に返って、児童と水をかけあったり、児童に「股くぐり」をやらせたり、とはしゃいでしまってあっという間に二時間のプール時間は終わった。

 

☆昼寝をしてもいいの!☆

 夏休み特有のもう一つの出来事は「昼寝」である。 
 このことも夏休みの行事予定表を貰った時に書いてあったのを見て、驚いた。驚きのあまり、指導員や先輩の先生に「えっ!本当に寝るんですか?」と質問をしてしまった。「はい。児童は寝ますが、先生方も寝て下さって構いませんよ」との言葉も聞き、実際どうなる事やら「楽しみ半分、また不安が半分」と夏休みが始まるのが楽しみだった。

 

☆ゴザとタオルで雑魚寝☆

 夏休み初日、午後一時。いよいよ、昼寝タイムの始まりである。
 まず、床の部分に「ゴザ」を敷く。そこにバスタオルを持った児童がタオルを掛けたり敷いたりしながら、文字通りの雑魚寝をする。そして、昼寝タイムは指導員の先生の「本の読み聞かせ」から始まる。一日に本(絵本でない本)を一冊、その中の二話程度を先生が読んでいるのを寝ながら、児童が聞く。結構集中して聞いている様で、面白い場面などでは笑い声も起こる。三十分ほどで「読み聞かせ」が終わり、これから本当のお昼寝タイムが始まる。
 学童に来ている子は、保育園に通ってた子がほとんどで、お昼寝もみんな手慣れた様子で自分の寝床をてきぱきと決めていく。だから、「昼寝タイム」に入っても、大体の子はゴロゴロしながらでも十分くらいですやすや寝る。
 しかし、中には「僕は昼寝は嫌いや」と豪語する子もいる。そんな子は、隣の子にちょっかいを出したり話しかけたりするので、私たちがその間に寝ころんで話を止めさせたりする。
 この昼寝のことで、この紙面を借りて、懺悔しておきたいことがある。
 というのも、実は夏休みが始まった頃のことなのだが、昼寝をしていて、いつまでも寝なくてゴソゴソしている子の横でその子を寝かしつけようとしていた。その子は、寝ているのが余程嫌だったと見えて、何度かトイレに立った。

 

☆不覚にも寝てしまった☆

 昼寝の後に他の先生とその子の話をしている時に「トイレに立った回数」がどうも、私の勘定と先生方の言うのとが、合わない。「ん?」。そう、私は不覚にも、隣にいた子がトイレに立ったのさえ気づかないほど一瞬「真剣に」寝てしまっていたのだ。今では目はつぶって横にはなるが、「寝る」ことはない。あの日のあの一瞬だけである。 
 先生方、お許しを!

 

☆指をしゃぶりながら☆

 昼寝の仕方を見ても、寝方もみんな色々である。いつもはしっこで寝る子。おしゃぶりをしながら寝る一年生。体を横に向けくの字になって寝る子。中にはいびきまではいかないが、寝息が、しーんとした部屋の中に響いている子もいる。 
 プールのあった日の昼寝は、みんな午前中のプールでエネルギーを使っているので寝付きも早い。それと、今年から私の勤務する保育室にクーラーがついたので、寝やすくなったらしく、先生方も「みんなよく寝るようになりました」とおっしゃっている。
 もうすぐ、そんなこんなで驚きの連続だった夏休みも終わるが、何だか学生時代とはひと味もふた味も違った楽しい夏休みの一月半だったと思う。(磯貝圭子)



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