| フォーカス廃刊を考える 本紙編集長 庄村有治 |
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すでにご存じの通り、写真週刊誌「フォーカス」が先月いっぱいをもって事実上の廃刊となりました。 最盛期には発行部数も200万部に達するなど、写真誌ジャーナリズムの黄金期を築いた同誌ですが、ここ最近は実売部数も10万部台(公称は40万部)に落ち込み、発行元の新潮社も、毎号積み重なる赤字には相当頭を悩ませていたようです。 テレビやインターネットに代表される「超速報性の時代」に、発売が1週間サイクルの週刊誌など、時代にマッチしない―。フォーカス衰退の原因のひとつに、このような指摘をよく耳にします。さらに、これまで週刊誌の部数を支えてきたヘアヌード人気にも陰りが見え、過激な写真や行き過ぎた取材に批判が集まったことも、同誌が凋落した原因といえるでしょう。 事実、フォーカスに限らず、ここ最近は各週刊誌とも軒並み部数を落としており、週刊誌が「冬の時代」に突入していることは間違いありません。 しかし、週刊誌に本来求められるものは速報性やヘアヌードなどではなく、新聞やテレビが決して伝えない、ウラの情報にあります。 前者のメディアは既に「記者クラブ」という情報統制機関に組み込まれており、政府や官僚、大企業といった情報を流す側にしてみれば、新聞・テレビなどは記者クラブを通じて簡単にコントロールできる存在でしかありません。クラブに所属する大多数の記者たちは、記者クラブから垂れ流される官製情報をありがたがって受け取っているのが現状なのです。
逆に週刊誌が書く「ウラの情報」とは、政府・官僚といった権力側がもっとも嫌う情報であり、国民にとっては有益な情報であることが多いのです。 故・田中角栄元首相の金権スキャンダルを暴いたのは、新聞やテレビではなく、雑誌「文藝春秋」による立花隆氏のレポートでした。森内閣時代の中川官房長官が、自分の愛人に向けられた覚醒剤疑惑の捜査情報を彼女に漏らし、それをフォーカスがすっぱ抜いたことで、中川官房長官は更迭されました。同じくフォーカスは、埼玉県桶川の女子大生ストーカー殺人事件で、警察よりも早く犯人を特定し、なおかつ、女子大生がストーカー被害を警察に訴え続けてきたにもかかわらず、当の警察は一向に腰を上げないばかりか、自らの怠慢を隠蔽するため、逆に女子大生の素行に問題があるかのような情報を記者クラブにリークしてきたことも誌面で明らかにしています。 中川官房長官のクビが飛んだ一件で慌てた政府は「個人情報保護法案」という法律を作り上げました。「個人の情報を守る」といった美名に隠されたこの法律の真の狙いは、週刊誌やフリージャーナリストを圧殺することにあります。新聞・テレビといったメディアを記者クラブ制度で統制下に置いた政府は、これまでコントロールの効かなかった週刊誌やフリージャーナリストを潰すために、先進国では例のない、まるで戦前の独裁主義国家のような法律を、小泉人気の影に隠れて通過させようと画策しているようです。 フォーカスが廃刊になって本当に喜んでいるのは、スキャンダル芸能人でなく、この国の権力者でしょう。 |