クラヴィコードのバックガイドについて
クラヴィコードの鍵盤は雑音が少なく、且つ環境の変化にも安定した動きが求められます。歴史的に作られたクラヴィコードの多くはいわゆるラック/タング方式といって鍵盤のバックエンドに木、骨、金属などの薄い板を縦に挟み、この板がヒッチピンレイルの下にあるディアパッソンレイルに切られた溝の中をスライドするものです。この方式はタングがラックの溝に擦れ合う摩擦音を許容できる雑音レベル以下にするのに苦労します。
雑音の面からはC. G. Hubertのサイレントアクションが優れていますが、柔らかい革で覆われた相隣れる2本のキーレバーの間に打ったピンでガイドする方式で、湿度変化によるキーレバーの幅の変化を直接受けるという不利点があります。
左のガイドは雑音と環境変化の面から考案したものです。 ピンと接触するのはキーレバーの上下に貼り付けられた革で、金属のピンと木は直接接触していません。 また、湿度変化によるキーレバーの幅の変化が直接革のスリット幅に影響しないようになっています。高音部でキーレバーの幅が充分取れないところは上下に貼り付ける革をキーレバーの幅から少しオーバーハングさせて、両側をピンで支えます。しかし、もともと幅が小さいので湿度変化による幅の変化も許容できる範囲です。
キャンプ用のコンロに治具をのせてベントサイドの先端を固定して反対側をベルトで締めてカーブの曲率を調節する。広い範囲を曲げる場合はベントサイド部材を治具の上で少しずつ左に移動させて固定し、何回かこの操作を繰り返す。同じ力で曲げても木は不均一で異方性なので冷却した後に捩れていることがある。この時左右別々にベルトを調節する事で捩れを修正する。工業用ヒートガンを使って部分的に加熱してねじれを修正する事も有効である場合がある。長時間加熱しすぎると板が焦げるので板の温度管理が重要。
写真はダブルベントサイドのテイルを曲げているところ。
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巻線について
クラヴィコードの低音は豊かな倍音を求めて減衰の少ない巻線を用います。一般的に強い張力で弦を張りたい場合、弦長を長くするか太い弦を張るか、または比重の大きい弦材料を使います。真鍮のほうが鉄より密度が高いので同じ音程を得るためにはより強い張力で張る必要があります。真鍮より更に密度の高い材料を使えばより高い張力で弦を張ることができますが、実用的には真鍮か類似の銅合金以外には見当たりません。太すぎる弦は倍音の豊かな音が出ません。そこで、巻線が使われます。巻線は芯線の外側に他の線材を巻き付けて実効的に重たい材料を使ったと等価な効果を得る事ができます。
弦の張力は音程(周波数)、弦長、それと単位長さあたりの弦の重さから計算します。単位長さあたりの重さは弦の直径と材料の体積密度から計算します。巻線の場合は実効的な体積密度を計算しておき、あたかもこの実効体積密度の材料でできた巻線のない芯線のみの弦を使うと考えると計算が便利です。 実効的な体積密度の計算方法はこちらを参照してください。

動力はハンドドリルを用いている。手前のレバーがモーターのスイッチ。ギヤーボックスは左右にあり6角棒で連結されている。

6角棒で連結された左側のギヤーボックスも右側同様に作業台にクランプで固定される。左側のギヤーボックスは弦の長さによって必要なところに固定される。芯線を張った後にギヤーボックスを左に引っ張って芯線に張力を与えた状態でクランプで作業台に固定する。
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磁石を用いた厚み測定
磁石を使って計ったと言うことは時々言及されていても詳しくどうやってということはなかなか知られていないのでは?と考えて、下の原理図を書いてみました。ダイヤルゲージほどの精度は期待できませんが、数回計って平均することにより実用になる精度を得ることができます。
図は、原理的な説明にとどめました。左の状態から右の図のように青い部分を引き上げていくと何処かで響板の上の磁石が響板を離れて、ストッパーに当たります。この時赤い部分に書かれた目盛りを読み取って響板の厚みを読み取ると言うものです。ヴァイオリンの場合下の円筒形磁石をf字孔から入れます。
目盛りの付いている後方のケースを引き上げるとそれに固定されているコイルバネが引き伸ばされ、被測定物の上部磁石に上向きの引っ張り力が働く。被測定物の下の磁石と引き合う力よりバネの力が勝ったところで上部の磁石が板から離れる。その時の目盛りを読んで板厚を測る。
弦張力は以下の式で求めることができます。
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ここで:
T: 張力
L: 発音部の長さ
d: 弦の直径
f: 周波数
r: 弦材料の体積密度
引っ張り力に対する巻き線の見かけの体積密度は次の式で計算します。:
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ここで:
ra: 引っ張り力に対する見かけの体積密度
rc: コア材の体積密度
rw: 巻き線材の体積密度
dc: コア材の直径
dw: 巻き線の直径
N: 単位長さあたりの巻き数
以下のボタンで、ここで紹介しているそれぞれの楽器の弦張力を計算したチャートをご覧いただけます。
German Harpsichord 8feet German Harpsichord 4 feet
Italian Harpsichord
Italian Virginal
French Harpsichord 8 feet
Flemish Harpsichord 8feet Flemish Harpsichord 4 feet
Flemish Virginal
Square Piano
Fretted Clavichord Unfretted Clavichord
Geigenwerk Geigenwerk2 Streichklavier