共有弦クラヴィコード   

音域: GG-d'''

サイズ:1268mmW x375mmD x 85mmH

参考資料:

Ute Singer による図面、1976年版

モデル: Johann Jacob Donat, 1700
オリジナルはCからc'''の音域であるが、この楽器はGGからd'''と音域を拡張している。GGはCの左にキーを追加したが、AA/HHはそれぞれC#/Ebの鍵盤を分割して奥に配置している。ブリッジの高音側の先端はスパインぎりぎりまで伸びていて、ライナーと上下から響板を挟むように接着されている。これは、高音がケース全体に響くようなこのモデル特有の音色に貢献していると考えられる。




音域: C-f'''

サイズ:1295mmW x 365mmD x 116mmH

参考資料:

Richard N. Loucks による図面、1981年版

モデル: Christian Gottlob Hubert, 1784

C.G.Hubertが1784年に製作したクラヴィコードは現在4台存在している(K.Vermeiji)。モデルとした楽器は現在エディンバラにある。同年に製作された他の3台もすべて共有弦タイプであるが、音域がC - g'''である。他の同タイプのクラヴィコードでしばしば見られる底板上の補強棒はない。



専有弦クラヴィコード   

音域: FF-f'''

サイズ:1355mmW x 479mmD x 145mmH
参考資料:
Thomas F.H. Mace, 1978. Nuremberg: Germanisches Nationalmuseum. No. MIR 1061による図面


モデル: , Johann Heinrich Silbermann 1775



鍵盤タッチについて:
クラヴィコードにおいてはタンジェントが打弦した後、弦をしっかりとタンジェントで押さえ込むことが要求される。音が出た後、指が鍵盤をさらに下向きに押し込む弾力は他の鍵盤楽器には無い感覚で、これが打弦速度と相まってクラヴィコードならではの表現力の源であると言って良いだろう。

シャープキーにおいてはバランスピンとキーフロントとの距離がナチュラルキーのそれより短いので、より力の要るテコとして作用する。例えば、同じ弦張力で同じ打弦点であればナチュラルキーよりシャープキーの方が弦を押さえ込む指にはより強い力を要求される。

共有弦クラヴィコードの場合例えば、cとc#が一組の弦を共有しているような場合、c#の打弦点がより弦の中央に近くなり、タンジェントから見た弦を押さえ込む力はcよりも小さくなる。これがc#のキーレバーのテコの硬さと組み合わされて結果としてc鍵盤における弦を押さえ込むのに要求される力とうまくバランスすることがある。bとhまたはe♭とeで共有するような場合は反対に作用することになり、b (e♭) の硬さと、h (e) の柔らかさがより強調される。

専有弦クラヴィコードの利点の一つにこの鍵盤タッチを独立にそろえることができることを考えて、弦の太さを選んだ。タッチは弦張力、打弦点、キーレバーのテコの3つの要素で決まる。打弦点とキーレバーはオリジナルの設計を尊重し、信頼できるオリジナルの楽器のデータの無い弦の太さを調整してできるだけ均一な鍵盤タッチを実現してみた。当初は弦張力が滑らかに変化するように弦の太さや巻線の仕様を決めたが、中低音部と高音部の鍵盤の硬さの差異が目立ったので鍵盤を押し込む力を一定にすべく弦の太さを選びなおした。結果的に中低音の弦張力は当初の7Kgから9Kg程度に増加させた。また、高音部1オクターブにおいてはシャープキーに割り当てられた弦をナチュラルキーの弦より一段階細いものを用いることでタッチをバランスさせた。



音域: FF-g'''

サイズ:1540mmW x 480mmD x 135mmH
参考資料:
John Koster による図面

モデル: , Johann Christoph Georg Schiedmayer 1796