
本HPの予想において、一番的中率の高い条件は、芝の中距離であった。そのため、ここでは、各場9R〜12Rの芝の中長距離レース(1800m以上)を対象とした。この対象については、人によって予想スタンスが異なるため、自分の予想スタイルにあわせて変える必要があろう。なお本章では、的中率は20〜25%程度を見込んでいる。4〜5レースに1回的中するくらいであれば、負けたとしてもそれほど大きなダメージにはならないであろう。
例として、予想をして選んだ5点の買い目のオッズが、それぞれ4.0,10.0,20.0,50.0,150.0であったとき、実際に的中したときに、どれだけの回収率が見込めるだろうか? もし均等買いをしていれば、150倍が的中したときにはもともとの資金の30倍が配当となるが、もし4倍が的中したのであれば、もともとの資金の8割しか配当がつかないことになる。これがいわゆる「獲りガミ」である。一般的に、150倍の的中の可能性よりは、4倍の的中の可能性の方が高い。そのため、この買い方は(配当によるが)基本的には損をする買い方である。
上述の例において、どの目が的中しても均等に儲けが出るように、資金配分を行うことを考える。この例であれば、資金配分の割合は次のようになる。
1/4 : 1/10 : 1/20 : 1/50 : 1/150 = 37.5 : 15 : 7.5 : 3 : 1
つまり、150倍の目を100円購入するのと、4倍の目を3800円購入する(正確には3750円だが、馬券は100円単位でのみ発売なので)のが、ほぼ同じ価値になることがわかる。このとき、どの目が当たった場合もほぼ15,000円になるので、儲けは次のようになる。
\15,000-(\3,800+\1,500+\800+\300+\100) = \15,000-\6,500 = \8,500
これはすなわち、2.3倍の馬券を6,500円分購入したのとほぼ等価になる。
この2.3倍が、今回の買い目の「期待値」となる。長いスパンで見たときには、この期待値に集約するはずであるが、一方で、「150倍の馬券を当てているのに、結局2.3倍と変わらないのか」という、ある種の理不尽さも現れる。
ここで、「本命馬券」と「押さえ馬券」の考え方を導入する。つまり、買い目に優先順位をつけることを考える。ここでは、資金を10,000円とし、本命馬券と押さえ馬券を考慮したときに、どのように配当が変わるかを検討する。
<ケース1>
本命馬券・・・4.0,10.0 押さえ馬券・・・20.0,50.0,150.0
本命と押さえを考慮する場合、馬券の資金配分は、押さえ馬券から考える。
押さえ馬券の配分は以下の通り。
20.0・・・ 500円 50.0・・・ 200円 150.0・・・ 100円
そして、残りの9,200円を本命馬券の2本に振り分ける。
4.0・・・6,500円
10.0・・・2,700円
この場合、押さえが当たれば原点返しで、本命が当たれば26,000〜27,000円が払い戻しになる。つまり、期待値が2.3倍から約2.6倍に上がった、と考えられる。
<ケース2>
本命馬券・・・20.0,50.0,150.0 押さえ馬券・・・4.0,10.0
まず押さえから。
4.0・・・2,500円 10.0・・・1,000円
そして、残りの6,500円を本命馬券の3本に振り分ける。
20.0・・・4,200円 50.0・・・1,700円 150.0・・・ 600円
この場合、押さえが当たれば原点返しで、本命が当たれば84,000〜90,000円が払い戻しになる。つまり、期待値が2.3倍から約8.5倍に上がった、と考えられる。
本命馬券と押さえ馬券の選別は、予想精度に関わるものである。しかしここでは、ケース2のように「オッズの低いものを押さえに回す」ことを優先とする。特にこの方法では、目的とする配当に対して投入資金が少なくてすむ利点がある。逆に言えば、ケース1の場合には、投入資金を少なくするためには、本命だけで勝負する、という方法もある。
上述を踏まえた上で、以下のルールに従い、馬券を購入することを考える。
1.9R以降の芝の中距離レースを勝負レースとする。
2.1レースの購入最小投資金額は1500円とする。
3.[買い方1]オッズによってどの目が的中してもほぼ同額が返ってくるようにする。
[買い方2]本命と押さえを設定して、金額を配分する。
4.レースが外れた場合、次の投資金額は、
次に買う予定のレースの期待オッズによって決まる。
(1)期待回収率でそれまでに投じた負け分が補える場合
→投資金額は1500円のまま
(2)期待回収率でそれまでに投じた負け分が補えない場合
→投資金額を+1500円する。これでも負け分が補えない場合、
そのレースはケン。
5.レースが当たった場合、次の投資金額は1500円に戻る。
ここでは、実際に1開催(実際には7・8日目をケンしたため、6日間)の実践の様子を掲載する。
−−−買い方1−−−
7/19 新潟10R 期待値5.09 1500円→外れ(損失1500円) 7/19 小倉11R 期待値4.08 1500円→2本的中12540円ゲット! 7/19 函館12R 期待値2.35 1500円→外れ(損失1500円) 7/20 新潟09R 期待値12.8 1500円→外れ(損失3000円) 7/20 函館12R 期待値5.09 1500円→外れ(損失4500円) 7/20 小倉12R 期待値3.06 3000円→的中8320円ゲット! 7/27 函館09R 期待値2.78 1500円→外れ(損失1500円) 7/27 函館11R 期待値6.72 2000円→外れ(損失3500円) 7/27 小倉12R 期待値9.57 1500円→外れ(損失5000円) 8/ 2 函館12R 期待値2.63 3000円→2本的中17080円ゲット! 8/ 2 小倉12R 期待値6.72 1500円→外れ(損失1500円) 8/ 3 函館10R 期待値5.85 1500円→外れ(損失3000円) 8/ 3 新潟10R 期待値4.55 1500円→外れ(損失4500円) 8/ 3 小倉10R 期待値5.30 1500円→外れ(損失6000円) [投資]24,500円 [払戻]37,940円 [収支]13,440円 [回収率]155%
−−−買い方2−−−
7/19 新潟10R 期待値5.09 1500円→外れ(損失1500円) 7/19 小倉11R 期待値7.76 1500円→2本的中13490円ゲット! 7/19 函館12R 期待値3.10 1500円→外れ(損失1500円) 7/20 新潟09R 期待値12.8 1500円→外れ(損失3000円) 7/20 函館12R 期待値5.09 1500円→外れ(損失4500円) 7/20 小倉12R 期待値6.01 1500円→押さえ1560円ゲット! 7/27 函館09R 期待値5.19 1500円→外れ(損失6000円) 7/27 函館11R 期待値6.72 2000円→外れ(損失8000円) 7/27 小倉12R 期待値9.57 1500円→外れ(損失9500円) 8/ 2 函館12R 期待値5.50 3000円→2本的中19020円ゲット! 8/ 2 小倉12R 期待値6.72 1500円→外れ(損失1500円) 8/ 3 函館10R 期待値5.85 1500円→外れ(損失3000円) 8/ 3 新潟10R 期待値4.55 1500円→外れ(損失4500円) 8/ 3 小倉10R 期待値5.30 1500円→外れ(損失6000円) [投資]23,000円 [払戻]34,070円 [収支]11,070円 [回収率]148%
これらを見ると、回収率の点で、買い方1の方が良いように見える。そこで、的中したそれぞれのレースについて、検証を行う。
[7/19 小倉12R 九州スポーツ杯]
◎05サンライズシャーク--S追64.6H軸候補□□□□□□□□□□ ○02ロードグランディス--S差63.0H軸候補□□□□□□□□□ ▲03サクラセンチュリー--S差53.7H押さえ□□□□ △07エミネントシチー --S先50.6H □□ ×01トーヨーシーザー --S先47.5H 08テイエムトキメキ ---差42.8H 06チェリーツートップ--S先39.7H 04タイチルドレン ---差38.2H 買い目 買い方1 買い方2 枠連2-5 7.5 800 200 的中 3複2-3-5 10.9 600 1100 的中 3複2-5-7 50.3 100 200 的中 12,540 13,490
エミネントシチー・トーヨーシーザー・チェリーツートップあたりがスローでの先行馬だが、差し脚比べになると、サンライズシャークやロードグランディスに分がある。頭数も少ないのでほぼ1点で決まると考えてよいが、小回りの小倉ではもしかしたら差して届かないというケースも。上位2頭が3着までに来ないとは考えづらいので、この2頭を軸にした3連複も併せて買い目に。
このように枠連(馬連)と3連複が同時に的中した場合には、買い方2の方が儲けが出やすいことがわかる。特に、3連複もどちらかといえば本命サイドの決着が見込める場合には、このように組み合わせて馬券を購入し、配当の低いものを押さえにすると、枠連のみ、または3連複のみを買う場合に比べ、配当の合計が良くなる場合がある。
[7/19 小倉12R 九州スポーツ杯]
◎04ツルマルヨカニセ -MS先74.9S頭鉄板□□□□□□□□□□□□□□□ ○09アサカユウキ HMS先59.5S走破可□□□□□□□ ▲01ジャパンパラダイス--S先59.0S走破可□□□□□□□ △16アドマイヤジハードH-S逃57.4S押さえ□□□□□□★ ×06トリプレックス -M-先56.6S押さえ□□□□□ 11モンスターラリー --S先52.7S押さえ□□□ 10プラントヒロム -MS先51.8S □□□ 02ビッグデジタル -M-差49.5S □ 05バンプレストスワン-M-差46.8S 07マルイチフライト H--先45.7S 14バイオレットスズカ-MS差44.8S 12タガノオービット --S先43.7S 13ダブリンフォレスト---差43.6S 15マルノウエスタン H-S先42.8S 03エイシンランタナ --S差36.1S 08クレヴァネスバイオ---差35.2S 買い目 買い方1 買い方2 馬連4-9 14.7 700 600 馬連1-4 84.6 100 100 馬連4-16 18.3 600 500 馬連4-6 5.2 1600 300 的中 的中 8,320 1,560
ツルマルヨカニセがダントツの1番人気。ただし2着が多い馬なので、馬単の頭にはしづらい。3連複の目もあるが、相手が7頭では買い目が多すぎる。ここは馬連で。ヒモのうち、トリプレックスとモンスターラリーの間で少し差がありそうなので、ヒモはアサカユウキ・ジャパンパラダイス・アドマイヤジハード・トリプレックスの4頭。
この場合、買い方1では期待値が3.06となり、1,500円の投資ではそれまでの負債分(4,500円)を回収できない。そのため投資額を上げ、3,000円とした。買い方2の場合、押さえの馬券以外で的中すれば負債分が回収できるため、1,500円のままとした。結果として、押さえにした4-6が着てしまい、買い方2ではそれまでの負債分を清算できず、次のレース以降に負債が持ち越しということになる。しかし、翻って予想を見ると、2着に入ったトリプレックスは、他のヒモ馬に比べて評価を低く見積もっている。つまり、「この馬は押さえないわけにはいかないが、他の馬の方が強いかも」という評価をしているため、「トリプレックスが来てしまったらごめんなさい。このレースだけを見たら、損はしていない」と割り切るのが良いと考える。特に、他の馬が来たときには、投資額が半分で、ほぼ同等の配当を手にすることができる。この確率の方が高いと踏めば、買い方2のように、一見、損しているような買い方も、決して否定はできない。
[8/2 函館12R かもめ島特別]
◎01ヘヴンリーロマンスHMS先66.6H軸候補□□□□□□□□□□□ ○08ヤマニンスフィアーH-S差66.3H軸候補□□□□□□□□□□□ ▲06スターリーヘヴン HMS先57.7H走破可□□□□□□ △05トーセンビュー -M-先57.3H押さえ□□□□□□ ×09マイダイナマイト -M-差50.7H □□ 10スカイクレイバー H--先49.9H □ 04セイランクイーン --S差46.7H 11ミエノサンデー -M-先44.3H 07オースミバーディー---先41.9H 03ユウキャラット -M-先40.9H 12ヤマニンロージー -M-差40.8H 02レガシーウィンド H--先36.9H 買い目 買い方1 買い方2 馬連1-8 6.6 1000 500 的中 3複1-6-8 19.0 400 900 3複1-5-8 15.2 600 1000 3複1-8-9 10.9 800 300 3複1-8-10 52.4 200 300 的中 的中 17,080 19,020
ヘヴンリーロマンスとヤマニンスフィアーが抜けている。この2頭で間違いないと思うが、2頭とも勝ちきれない馬のイメージが強い。特にヤマニンスフィアーは+22キロの出走。差し馬であることを考えても、届かず3着のイメージも拭い切れない。2頭を3連複の軸にして流すのもあり。
これは結果オーライではあるが、稍重の馬場だったため、1000m通過が62.9秒という超スローペース。これなら差し脚があり、パワフルなヤマニンが勝てるパターンだった。また、このレースは、実は買い方1の場合、期待値の問題からルール上はケンしなくてはいけないレースだった。すなわち、買い方2の方が参加レースを多くできる利点がある。ただし、参加レースが増えることで投資額も増えるため、ある程度の的中精度がない場合には、トータルで見て損をする可能性もあることに注意されたい。
以上を踏まえて、今後検証してゆく買い方を、以下のように定める。
1.9R以降の芝の中距離レースを勝負レースとする。
2.1レースの購入最小投資金額は1500円とする。
3.買い方1の期待値と買い方2の期待値を調べる。
(1)買い方1の期待値で元が取れる場合
買い方1で配分する。
(2)買い方1の期待値で元が取れない場合
(2−1)買い方2の期待値で元が取れる場合。
・押さえが的中した場合、それまでの損失はそのまま。
(2−2)買い方2の期待値で元が取れない場合。
(2−2−1)買い方1の期待値で投資金額を+1500円して元が取れる場合。
・買い方1で投資金額を+1500円する。
(2−2−2)買い方1の期待値で投資金額を+1500円して元が取れない場合。
(2−2−2−1)買い方2の期待値で投資金額を+1500円して元が取れる場合。
・買い方2で投資金額を+1500円する。
(2−2−2−2)買い方1の期待値で投資金額を+1500円して元が取れない場合。
・そのレースはケン。
4.レースが外れた場合、次の投資金額は、次に買う予定のレースの期待値によって、3のルーチンをたどって決まる。
5.レースが当たった場合、次の最初の投資金額は1500円に戻る。
今後はこの買い方で検証を行い、更なる理論構築を行ってゆく。