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ウィークエンド首都圏「町と味のストーリー」
2000.11.25
沼津とぬまづ丼(静岡県)
◆口に広がる海の香り 酒も進む特産づくし
沼津といえば、沼津港から揚がる新鮮なカツオ、生シラス、それに干物−。季節ごとに旬のものが手に入り、素材のままで十分おいしいためか、「郷土料理」と言えるものはほとんどなかった。その沼津で地元の素材を使った「ぬまづ丼」が生まれたのは今年夏。
沼津青年会議所が中心になって7月、沼津をイメージした“丼”を募集する「ぬまづ丼コンテスト」が開かれた。地元食材を使うことなどが条件でプロ、アマ合わせて47作品が寄せられた。最優秀賞に輝いたのは特産のアジの干物などを素材にした沼津市の主婦、鈴木博子さん(53)の「うみゃあじ丼」。これが“公認”の「ぬまづ丼」になった。
この「ぬまづ丼」を食べられる店が現在、市内に2軒ある。値段はいずれも880円だ。
そのうちの1軒が沼津港魚市場の一角にある、さかなや千本一(0559・52・0025)。アジの干物を焼いてほぐして、味付けごはんの上にのせ、その上に駿河湾でしかとれないサクラエビのかき揚げ。さらに静岡名産の粉茶がまぶしてある。まさに“沼津ならでは”の一品だ。
その横にはカツオをふんだんに使ったダシ汁がついて、最後はこのダシ汁をかけてお茶漬けのようにして食べる。
店長の原田武虎さん(38)によると「トロトロ食べるとふやけてしまうので、ダシ汁を入れたらガーッとかきこんで食べるのがコツ。それも漁師町の沼津らしさ」だという。
この店では、沼津の風景を多くの歌に詠み、この地で永眠した歌人・若山牧水にちなんだ地酒「牧水」(720ミリリットル・2480円)も味わえる。さらっとした飲み口で女性にも人気。
“沼津っ子”の公務員、望月雪乃さん(25)は「ご飯を一口食べただけで、口の中にフワーッと海が広がっていく感じ。牧水の愛した沼津の自然が、目に浮かぶようです」と上機嫌。「牧水」を注ぐ手もついつい速くなる。
ちなみに千本一では、もう1種類違う“ぬまづ丼”も食べられる。実家が干物屋という近藤克彦料理長(32)が応募して次点になった「ぬまづあじ丼」だ。アジの干物の炊き込みご飯にかま揚げのシラスをまぶし、アジのタタキを盛る。こちらも値段は880円。
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「ぬまづ丼」を食べられるもう1軒は、JR沼津駅南口で「『ぬまづ丼』あります!」とポスターでPRしている沼津軒(0559・63・5227)。作り方はほぼ同じだが、こちらは、味付けしていないご飯を使い、ダシ汁には吸い物に使うすまし汁を使っているので、千本一よりも、さっぱりとした仕上がりになっている。
山本力章料理長(52)は「うちの店では一番人気の商品。あっさりしているので、比較的年配の方に好まれている。沼津に来たら一度は食べてみてほしい」と新たな郷土料理に自信を見せている。(清家愛)
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《メモ》沼津駅へは、東京駅からJR東海道新幹線(こだま)で約1時間、三島駅下車。そこから東海道線に乗り換えて約5分(1駅)。「沼津軒」は南口駅前。営業時間は午前11時−午後8時30分。定休日なし。「さかなや千本一」は、沼津駅から伊豆箱根バス沼津港行きで約10分、終点下車。営業時間は午前11時30分−午後2時30分、午後5時−同9時30分。土・日曜、祝日の昼は午後3時まで、夜は午後4時から。定休日は火曜日。
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