「ミルフォードトラック写真館」−ニュージーランドの野鳥

マッキノン峠でトランパーを待ち受ける「いたずらオウム」のケア(ミヤマオウム)
 ミルフォード・トラックには、頻繁に目にするニュージーランド・ロビン、トムティットから、絶滅が危惧されるブラウン・キーウィまで30種以上の野鳥がいると言われています。
 ここではミルフォード・トラックのガイドブック「WALKING THE MILFORD TRACK」(Rosalind Harker氏著:1999年)の中の「トラック上で見ることのできる鳥」に記載された31種のうち24種を紹介します。
 なお、画像はすべて私が撮影したものですので、撮影できなかった稀少種2種につきましては文章で紹介しています。

           <名称> 左上:ニュージーランドでの名前       右上:学名(ラテン語) 
                
左下:ニュージーランドでの名前の読み  右下:標準和名
New Zealand Robin : Petroica australis
ニュージーランド・ロビン : ニュージーランドコマヒタキ

 ミルフォード・トラックの森林帯のトラック上でよく見かける灰色の鳥。人間を恐れず、手の届く範囲まで寄ってくる。人がたくさんいる場所に現れ、地面をピョンピョンと跳ねていることが多い。
 ニュージーランド固有種。全長は18センチ。(スズメより大きい)


Tomtit : Petroica macrocephala
トムティット : ニュージーランドヒタキ

 ミルフォード・トラックの森林帯の樹上でよく見かける。オスは頭部から背と翼にかけて黒く、胸と腹にかけて白い。繁殖期には胸が黄や橙色になる。メスは全身薄茶色。
 ニュージーランド固有種。全長は13センチ。(スズメより小さい)
Fantail : Rhipidura fuliginosa
ファンテール : ハイイロオウギビタキ

 ミルフォード・トラックの森林帯の樹上でよく見かける。全長の半分にもあたる尻尾を、扇のように振りながら飛ぶのでこの名がついた。
 全長は16センチ。ただし8センチは尻尾。(スズメより小さい)

Rifleman : Acanthisitta chloris
ライフルマン : ミドリイワサザイ

 ミルフォード・トラックの森林帯の樹上でよく見かける小さな鳥。オスは明るい黄緑色、メスは茶色の縞模様。キツツキのように木の幹を登りながら餌をとり、飛ぶと「ピピピピ・・・・・」と連続して鳴く。
 ニュージーランド固有種。全長は8センチ。(スズメより小さい)
Weka : Gallirallus australis
ウェカ (ウエカ) : ニュージーランドクイナ

 ポンポローナからクィンティンにかけてよく見かける茶色のクイナ。羽根が退化して飛ぶことができない。ミルフォード・トラックに生息するウェカはウェスタン・ウェカと呼ばれる亜種で、北島に生息するウェカより濃い茶色をしている。
 ニュージーランド固有種。全長は53センチ。(ハシボソガラスより大きい)
Kea : Nestor notabilis
ケア (キーア) : ミヤマオウム

 ニュージーランド南島の亜高山帯にだけ住む大型のオウム。人の目を盗んで近寄り、人間の持ち物を持ち去ったり、壊したりする「いたずらオウム」。近くに現れたときは要注意。
 ニュージーランド固有種。全長は46センチ。(ハシボソガラスより小さい)
Bellbird : Anthornis melanura
ベルバード : ニュージーランドミツスイ

 ハニーイーターズ (Honeyeaters) と呼ばれるミツスイの1種。ミルフォード・トラックの森林帯で美しい鳴き声を発している。全身オリーブグリーンに魚のような尻尾は遠くからも目立つ。
 全長は20センチ。(ムクドリよりすこし小さい)
Tui : Prosthemadera novaeseelandiae
トゥイ : エリマキミツスイ

 ミルフォード・トラックの森林帯で見かける黒い鳥。この鳥もミツスイの1種である。首に蝶ネクタイのような白い羽根がついているのが特徴。
 全長は30センチ。(ムクドリより大きい)


Yellow-crowned Parakeet : Cyanoramphus auriceps
イエロー・クラウンド・パラキート : キガシラアオハシインコ

 ミルフォード・トラックの森林帯で見かける。全身が黄緑色で頭の一部が黄色いインコ。
 全長は25センチ。(ムクドリより大きい)

Brown Creeper : Mohoua novaeseelandiae
ブラウン・クリーパー : ニュージーランドムシクイ

 ミルフォード・トラックの森林帯でたまに見かける。ニュージーランドの南島に住むモフアムシクイの一種。木々の中を敏捷に動き回る。
 全長は13センチ。(スズメより小さい)

Silvereye : Zosterops lateralis
シルバーアイ : ハイムネメジロ

 ミルフォード・トラックのタソック帯でよく見かける。日本のメジロに似ているが、首から背にかけて灰色の帯がある。
 全長は12センチ。(スズメより小さい)

Chaffinch : Fringilla coelebs
チャフィンチ : ズアオアトリ

 ミルフォード・トラックの森林帯でたまに見かける。ニュージーランドの都市部の公園や庭園に多く生息している。
 全長は15センチ。(スズメより少し大きい)

Redpoll : Carduelis flammea
レッドポル : ベニヒワ

 ミルフォード・トラックのタソック帯で見かける。ニュージーランドの都市部の公園や庭園に多く生息している。
 全長は12センチ。(スズメより小さい)


New Zealand Pigeon : Hemiphaga novaeseelandiae
ニュージーランド・ピジョン(ケレル) : ニュージーランドバト

 ニュージーランドの森に住む大型のハト。グレーから緑へと変化する光沢の羽根がとても美しい。
 全長は51センチ。(ハシボソガラスぐらい)

Paradise Shelduck : Tadorna variegata
パラダイス・シェルダック : クロアカツクシガモ

 クリントン川やアーサー川の流れの緩やかな淵や、ミンタロ湖など湖に生息している。メスの白い頭はよく目立つ。
 全長は63センチ。(マガモより少し大きい)

New Zealand Scaup : Aythya novaeseelandiae
ニュージーランド・スコープ : ニュージーランドスズガモ

 テ・アナウ湖やグレイドハウス近くのクリントン川、ミンタロ湖など水深が深い場所に生息している。全身濃い茶色に黄色い目が特徴。
 全長は40センチ。(マガモより小さい)

Grey Duck : Anas superciliosa
グレー・ダック : マミジロカルガモ

 クリントン川やアーサー川の流れの緩やかな淵や、ミンタロ湖など湖に生息している。
 全長は55センチ。(マガモぐらい)

New Zealand Pipit : Anthus novaeseelandiae
ニュージーランド・ピピット : オーストラリアマミジロタヒバリ

 海岸線から森林帯、亜高山帯まで広く分布。ミルフォード・トラックではマッキノン峠周辺で見かける。
 全長は19センチ。(スズメより大きい)


Morepork : Ninox novaeseelandiae
モアポーク : ニュージーランドアオバズク

 ニュージーランドの森林帯に生息するフクロウ。日没後、「モア、ポーク」と鳴くところからこの名となった。
 全長は29センチ。(アオバズクぐらい)

Black Shag (Great Cormorant) : Phalacrocorax carbo
ブラック・シャグ : カワウ

 ニュージーランドの湖、河川敷、海岸でごく普通に見ることのできるウの1種。全長は88センチでニュージーランドに生息するウの中では最も大きい。

Fiordland Crested Penguin : Eudyptes pachyrhynchus
フィヨルドランド・クレステッド・ペンギン : フィヨルドランドペンギン

 フィヨルドランドの森に住むペンギン。以前はサンドフライ・ポイント周辺にも生息していたらしいが、現在は春季にミルフォードサウンドで稀に見る程度。全長は60センチ。別名、キマユペンギン。

■ ミルフォードトラックに生息する稀少種

・ ブラウン・キーウィ : Brown Kiwi
 ニュージーランドに住む3種のキーウィのうちの1種。ポンポローナからダンプリンにかけて少数が生息しており、夜間には鳴き声を聞くこともあるという。全長40センチ。
 写真等、詳しくはDOCのホームページで。

・ イエロー・ヘッド (モフア) : Yellowhead (Mohua)
 絶滅の危機に瀕しているモフアムシクイの1種。全身が黄色の、ウグイスのような鳥。目撃談が多いが、ほとんどが酷似しているグリーンフィンチやイエローハンマーとの誤認と言われている。全長15センチ。
 写真等、詳しくはDOCのホームページで。

 
Blue Duck : Hymenolaimus malacorhynchos
ブルー・ダック : アオヤマガモ

 ニュージーランドの渓流に住む青色のカモ。ミルフォード・トラック周辺にも少数が生息しているが、トラック上からはほとんど目にすることがないと言われている。DOCではブルー・ダックの保護活動を続けている。詳しくはDOCのホームページで。

■ ミルフォードトラックにかつて生息していた種


・ ピオピオ : Piopio : ニュージーランドツグミ : Turnagra capensis

 1860年代まではニュージーランド全土で普通に見られたツグミの1種。1880年代より急激に数を減らし、1963年にフィヨルドランドで目撃されたのを最後に絶滅。ミルフォードサウンドの別名であるピオピオタヒ (Piopiotahi ) はこの鳥の鳴き声が由来。

・ カカポ : Kakapo : フクロウオウム : Strigops habroptilus

 タカヘ (Takahe) とならび、ニュージーランドの自然保護の代名詞のような鳥。全長63センチ、成鳥では2キロを越える重さにもなる飛ぶことのできない大型のオウム。現在の生息数はわずかに60羽程度、絶滅危惧種の中でももっとも危ない種 (Critically Endangered) とされ、現在は厳重な保護下にある。
 ミルフォードトラック開拓初期にはたくさんのカカポがトラック上に生息していたらしく、クリントン川の2つの支流が合流する部分はいまでもカカポ・ポイント (Kakapo Point) と呼ばれている。またミルフォードトラックの開拓者とともに写っている写真も多数残っている。カカポの写真等、詳しくはDOCのホームページで。

・ サドルバック : Saddleback : セアカホオダレムクドリ : Philesturnus carunculatus

 ワトルバード(Wattlebirds)と呼ばれる、頬に肉垂れのある鳥の1種。茶色い鞍(Saddle)を背中(Back)に乗せたような姿から名づけられた。
 ミルフォードトラックにかつて生息していたサウスアイランド・サドルバックは現在スチュワート島やフィヨルドランドのブレークシー島(Breaksea Island)などに約650羽が生息するのみ。
(写真はノースアイランド・サドルバック)