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−研修会・シンポジウムの報告−

第19回地質汚染調査浄化技術研修会の報告

2008年11月22日〜11月24日

主にVOCに関わる地質汚染の調査・浄化に関する研修会を11月22〜24日に千葉県市原市で開催しました。
調査浄化技術に関する室内講義、旭硝子千葉工場地質汚染浄化サイトの見学、市原市妙香修復サイトにおける地下空気汚染濃度測定実習、地下水位測定・採水実習、室内でのコア観察記載実習などの高密度な研修がおこなわれました。今回の参加者は23名でした。
参加者から次のような感想文をいただいています。3日間の研修期間が非常に短く感じられる程の充実した内容でありました。本研修会に参加されていた方々は、調査、分析、浄化等それぞれの分野に於ける専門家の方々が多かった様に思われます。この為、専門家であるからこそ、他の分野を実際に体験する機会はあまり無いものと思われ、本研修会は、他の分野が実習によって経験出来る大変貴重な研修会であると、参加されていた皆さんが思われた事と思います。文章から知識を得るのと、実際に体験するのとでは、理解する早さも度合いも大きく違うものと思われます。また、今回参加された方の中に「単元調査を、知っているのと知らないのでは大きく違う。」と仰っていた方がいらっしゃいました。私もまさにその通りだと思います(抜粋)。(兜y永調査事務所、中嶋信昭氏)
無事に研修会を終了することができ、講師の方々や関係者の皆様に感謝申し上げます。

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VOCs研修会水位測定写真 VOCs研修会コア記載写真
地下水位測定実習 ボーリングコア記載実習

第16回地質汚染調査浄化シンポジウムの報告

2008年12月15日

「大阪の地盤沈下と地質汚染」−地下水揚水禁止−の歴史と地質汚染のかかわり


 坂本竜馬の誕生日で命日の11月15日に標記のシンポジウムが大阪で開催された。
 「地下水は私水か公水か」(熊井久雄氏)では、これまで経験された私水vs公水の裁判事例や、熊本市の地下水を造り、 みんなで使う仕組みや大阪府温泉審議会の公水的な指導状況が紹介された。「大阪平野の地質・地下水環境」(三田村宗樹氏) では、3次元地質構造モデルと深井戸データベース、温泉用深井戸のデータからみた帯水層の特徴を解説され、 帯水層特性に応じた地下水盆管理を提案された。「地下水資源を考えた浄化対策」(上砂正一氏)では、 地下水汚染浄化プラントにおける地下水揚水の行政指導の矛盾について問題提起された。 「地下水利用と関東堆積盆の環境管理」(古野邦雄氏)では、関東堆積盆における地盤沈下観測の自治体間の協力体制と 課題について紹介された。「地盤沈下・地質汚染の3都物語‐大阪・東京・名古屋‐」(楡井久氏)では、大都市圏では 、地下水資源を否定したことによって、地盤沈下は沈静化したが、地下水位上昇による新たな問題や地下水汚染が進行している。 今後は、地下水および地質環境を資源として評価し、ベーズン管理(集水域管理)を行うことが重要と提案された。 総合討論「温故知新:地下水盆管理の環境管理に学ぼう」地質汚染と地盤沈下から水の都を守るために-地下水資源は、 市民みんなのもの-(コーディネータ:笠原 茂氏)では、パネラーとフロアーが一体となった活発な議論が展開された。
 関西では、大阪府、京都府、滋賀県の3知事が琵琶湖・淀川流域管理の地方分権を表明し、話題となっている。 琵琶湖・淀川流域管理は、まさに楡井理事長が主張する地下水流動を含むベーズン管理でもある。今回のシンポを踏まえた、 次回のシンポジウム「関西での地下水資源のSustainability と土対法の功罪」への展開が楽しみである。

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討論写真
総合討論風景

ジオ・スクーリングネットに参加

 ジオ・スクーリングネット(土質・地質技術者の生涯教育ネット)に本法人として参加することにし、9月1日から運用を開始しました。これは、技術士の継続教育を 目的として始まったものですが、各学協会の認定する資格の継続教育にも利用されるようになっています。本法人の地質汚染診断士についても、これを利用することを 検討しています。
 イブニングセミナー、地質汚染調査浄化シンポジウム、技術研修会をネットで案内することにしています。このネット(http://www.geo-schooling.jp)に登録して、ネット上で参加申し込みをし行事 に参加すると自動登録でCPD単位が付与されます。なお、参加証明が必要な場合は、従来どおり個別に対応いたします。

関東ベースン実習センター完成

 2007年度末に本法人の「関東ベースン実習センター」(香取市本矢作)が完成しました。薄板軽量型鋼造り1階建て(建坪92.74m2)です。これまで春におこなってきた 「残土石処分地・廃棄物最終処分場に係わる地質汚染調査浄化の技術研修会」の実習会場である残土埋立地を楡井理事長が買い取り、その一部を本法人で借地して建設 したものです。東関東自動車道大栄インターから車で5分程度と交通の便は比較的良好です。
 次に報告する第8回残土石処分地・廃棄物最終処分場に係わる地質汚染調査浄化の技術研修会が初めてのおひろめです。今後、会員・一般に貸し出すことも考えていま すが、現在、当NPOとしては多角的な利用方法を検討中です。

実習センター写真
実習センター全景

第8回残土石処分地・廃棄物最終処分場に関わる地質汚染調査浄化技術の研修会の報告

2008年4月26日〜29日

 4月26日(土)から29日(火)の連休前半に表記技術研修会を茨城県潮来市・千葉県香取市で開催いたしました。24名が参加されました。
 初日は潮来ホテルで地質汚染学の基礎などの講義を行いました。2日目は、上記の関東ベースン実習センターで汚染機構解明・モニタリングなどの講義と、水位測定、 水準測量、簡易ボーリング、露頭観察などの実習を行いました。3日目は、同じく実習センターで現場簡易分析などの講義と、蛍光X線分析装置の実演を行いました。 最終日は、茨城大学広域水圏環境科学教育研究センターでボーリングコア観察記載の実習を行いました。
 無事に研修会を終了することができ、講師の方々や関係者の皆様に御礼申し上げます。次に参加者の感想文を示します。
 今回迄の研修会では、土壌汚染対策法施行規則の試料採取等の準規とNPO法人日本地質汚染審査機構が提唱している準規との違いを学習することにより、土壌汚染対策法施行後 5年が経過した現在における問題点、すなわち本法律に基づく土壌汚染対策施行規則の粗放な定めによって汚染が拡大、現在も進行しつつある実態について、学ぶことが出来ま した。日本の「美しい国土」を目指したはずが、皮肉にも取り返しのつかない現実に、やるせない思いが去来し「またしても責任は誰に」という感であります。しかし、自然 を尊重し、現在および将来にわたって人々の安全と健康に対する責任を最優先、地球の環境保全に貢献する理念が、このNPOに健在している事に勇気づけられました。国は、 真に国民の立場にたった施策を発信して欲しいと願うばかりです(江川承和氏)。

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残土石研修会野外実習写真 残土石研修会集合写真
水準測量実習 全受講者の記念撮影

第13回地質汚染調査浄化シンポジウムの報告

2007年12月22日

 12月22日(土)10:00−16:30に江東区亀戸文化センターにおいて、第13回地質汚染調査浄化シンポジウム「土壌汚染対策法施行5年目の課題−土壌汚染を含む地質汚染調査・浄化対策に科学をいかに貢献させたか」を開催しました。参加者36名でした。開催趣旨説明(楡井理事長)では、4回シリーズの第2回目として開催したこと、この法律によって発生した汚染事故・瑕疵責任の対策法の必要性が言われました。
「土壌とは何か?」(高嶋 洋:野田市役所)では、地表から1m程度の厚さで形成される土壌の成因・構成について概要が説明された。ドイツの対策法では、土壌の機能の保全が目的とされているが、土対法では土壌の定義もなく、科学的な視点が欠如していることが指摘された。
「調査・浄化工事を原因とする汚染の拡大について」(山本義男:明治コンサルタント梶jでは、地下空気調査・ボーリング調査・試掘調査時の汚染拡大の要因について説明があった。浄化では、現位置処理において画一的な調査で汚染機構を解明しないまま対策をして汚染を拡大させることが、土対法の大問題であることが指摘された。掘削除去では、搬出土砂の不適正処理の問題があげられた。
「指定基準の問題点」(武島俊達:潟Aステック)では、公定法分析の試料採取・運搬・前処理の問題点について指摘があった。実用上、現場分析が重要であることが強調された。バックグラウンドの問題についても指摘があった。
「地質汚染の拡散問題と残土条例」(笠原 豊:千葉県環境研究センター)では、残土利用については法律がないため千葉県条例・市町村条例で補足していることが説明された。残土埋立地についてはモニタリングをすることの重要性が指摘された。
「土壌汚染この5年間の経緯とその科学性について」(畑 明郎:大阪市立大学)では、大阪USJ(住友金属跡地)、OAP(三菱マテリアル跡地)、豊洲(東京ガス跡地)について事例紹介がされた。土対法の対象となる調査が極端に少なく、対象を拡大する法改正が必要と主張した。
「千葉県での地質汚染に係わる科学的技術指導の貢献」(楠田 隆:千葉県環境研究センター)では、指導要綱に基づいて、県・市町村・コンサルタントの調査チームを作って調査に当たり、単元調査法による汚染機構解明から浄化を行っていることが紹介された。
 総合討論では、土対法にはリスク予防の観点がないこと、対象が届け出物質のみであるので、せめて調査を行う必要があるとの意見があった。しかし、無単元調査法で汚染を拡大する危険性が高いため、対象の拡大には反対する意見がだされた。今後、2回のシンポジウムを重ねて、土対法に対する提言をまとめていく予定である(文中敬称略)。

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討論写真
総合討論風景

第12回地質汚染調査浄化シンポジウムの報告

2007年9月29日

 9月29日(土)10:00−16:00に江東区亀戸文化センターにおいて、第12回地質汚染調査浄化シンポジウム「土壌汚染対策法施行5年目の課題−土壌汚染対策法は目的を達成できたのか?またできるのか?」を開催しました。参加者30名でした。開催趣旨説明(楡井理事長)では、この法律の特殊性にふれ、効果の事後監査の必要性が言われた。
 「土壌汚染対策法とは?法の目的とは?」(上砂正一)では、法律制定の経緯、法の概要と目的の解説がされた。土対法が土壌(地層を構成する物質)のみが汚染された場合を対象としているのに、第四条では地下水汚染を調査の契機にしている矛盾が指摘された。また、自主調査に法を適用すべきでないことが強調された。
 「法改正のトレンドと指定基準の問題点」(高嶋 洋)では、法の対象を拡大して行政関与を増大させる方向で改正されるであろうという見通しが説明された。直接摂取リスクのある土壌と地下水を分離して、土対法は土壌のみとし、地下水は別の法律で公水として総合的に管理することが提案された。
 「土壌汚染対策法の欠陥−大規模地質汚染発生現場からの教訓−」(澁谷英世)では、旭硝子千葉工場で発生したVOC地質汚染のボーリング調査の際に、土対法の無単元調査法によって地下100mまでVOCを落としてしまった事例が紹介された。
 「土壌汚染対策法−自然由来の重金属等を含む掘削ずりの取扱い−」(品川俊介)では、トンネル掘削・法面掘削などの発生土の所為の問題が紹介された。本来、掘削に伴う環境汚染対策は土対法の対象ではないが、環境部局との協議で土対法に準拠した対応が求められる。しかし、公定法試験は、岩石の不均質性を考慮した試験方法になっておらず、現場で出来る簡易な分析法が必要であると述べられた。「建設工事における自然由来の重金属対応マニュアル(暫定版)」(土木研究所他)の内容についても紹介があった。
 「土壌汚染対策法対策法の必要性」(楡井 久)では、土対法の問題点をあげ、それにより深層化・広域化した地質汚染の対策のために、土対法調査・浄化の事後監査解説書の必要性を述べ、そのたたき台が示された。
 現行法が実質的に拡大適用されている現実の中で、どのようにすべきかは各講演者によって意見が異なる。今回のシンポジウムは、土対法をめぐる4回シリーズのシンポジウムの初回として企画されたもので、今後、シンポジウムを重ねて議論を深める中で、一つの方向性が見えてくるものと期待する(文中敬称略)。

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講演写真
講演風景
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