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nork.1@nifty.com
(1999年1月)
(1999/01/31)
Quarteto Em Cy:Antologia Do Samba Cancao
CD/Bomba Records/BOM516
今週はボサノヴァにスポットを当ててみます。少し古いディスクです。
ブラジルの女性ボーカルグループ、クアルテート・エン・シーです。名前の通り、四人グループです。メンバーは何度か入れ替えがありましたが、女性四人というスタンスは、結成時50年代後半から今まで変わっていません。このディスクは、約20年前の二枚のレコードを一枚のCDに収めたものです。ブラジルのサンバカンソン、ポピュラーバラード曲を集めたディスクでもあります。
全20曲の収録です。名曲ばかりです。一つを選ぶことなどできません。じっくり、全曲通して聴くべきでしょう。
このグループのボーカルは、まさに最上の技術を駆使していながら、まさにそれが自然に溶け合っているかのような印象を与えます。またこのグループのボーカルは、一般に知られているボサノヴァにありがちな幼い声を前面に押し出したものでなく、理知的でありながらも母性本能が強い、大人の女性を感じさせてくれます。抑えたバックミュージックにそれが重ねられたときの効果は、非常にすばらしいものです。まさに「美しい」の一言に尽きます。心のせわしくない時に聴きたい作品です。いらいらしているときでも、これを聴くといらいらも忘れてしまいそうですが。
(1999/01/24)
神機世界エヴォリューション
Game(Dreamcast)/Sega:Esp:Sting/T-38701M
ゲームです。ロールプレイングです。
1月21日に発売されました。開発のスティングという会社は、セガサターンで「バロック」というゲームを発売した会社です。「バロック」は、世界の歪みを癒すために、神経塔というオカルト的な場所に入っていく、というエログロものの3Dロールプレイングでした。テーマがテーマなので、一般的に注目はされませんでしたが、セガサターンの中で最良のゲームのうちの一つである、と私は信じております。
さて、ストーリーですが、冒険者の少年が、神秘的な少女を連れ、遺跡の中を探検する、という内容です。王道路線です。ストーリーと画面とをぱっと見ると、「サザンアイズ」というマンガ、「ぽっぷるメイル」というゲーム、「グランディア」というゲーム、その他もろもろ、を彷彿とさせます。ここは、賛否両論があるでしょうが、私はこれがいいと思っています。
肝心のダンジョンは、オートメイキング、つまりプレイするごとに違うダンジョンが作られるシステムです。このシステムは、先に述べた「バロック」の思想を受け継いでいます。緊張感のある探検が楽しめるでしょう。
キャラクターの操作は、デジタル十字キーより、本体付属のアナログキーで操作して欲しいです。とても気持ちよく動いてくれ、止まってくれます。ポリゴンロールプレイングにありがちな、勝手な視点切り替えによる操作の混乱もありません。一日一ダンジョン、程度の気持ちで、気楽にプレイして欲しいゲームです。
(1999/01/17)
Shakira:Donde Estan Los Ladrones?
CD/Epic Records/ESCA 7401
今週の紹介はラテンミュージックです。コロンビアの女性アーティスト、シャキーラです。
このディスクは98年12月に発売されました。今回のディスクはセカンドアルバムです。ファーストアルバム、またそれに含まれるシングルが以前話題になり、チャートにもランクインしたので、覚えている方も多いでしょう。
ピンク、赤系の色がベースとなっているジャケットです。乱れた髪と、汚れた手で、見る人をひきつけます。日本盤は、全13曲です。その内にボーナストラックが2トラックあります。
ラテンとロックを足して二で割ったようなサウンドです。ラテンの割合が多いかもしれません。それに、エキゾチックな印象を受ける、スペイン語のボーカルが重ねられています。
1曲目の導入部分を聴き、ギャグだと感じるような方にはおすすめできませんが、そこに情熱を感じることができる方にはおすすめできます。導入部分のテンションが最後のトラックまで続くので、何となく体が温まる感じを受けるでしょう。この寒い時期にはタイムリーなディスクです。
くどいようですが、ちょっと聴く人を選ぶディスクですので、まず試聴されることをおすすめします。1曲目の前半部分を聴いて、好きだと感じた方は、全曲とも気に入るはずです。買って損をすることはまずありません。「熱い」ディスクですので、夏が恋しい方にもおすすめです。
(1999/01/10)
Kaana:そっと目を閉じて
CD/Lounge Records/LRSD-0002
先週に引き続き、日本のディスクです。R&Bとでもいえばいいでしょうか。しかし何かちょっと違う、という印象を与えるディスクです。
このディスクは98年末に発売されたものです。ミニアルバムともシングルともとれるディスクです。ジャケットの写真は、化粧品のコマーシャルみたいな感じで、おしゃれにまとまっています。ディスクに付いてくるオビも変わったデザインです。ディスク本体もシルバーを基調にデザインされており、かっこいいです。いわゆる、「ジャケ買い」の人も結構いるかもしれません。
全5曲ですが、1曲目はイントロ、4曲目は2曲目のリミックス、5曲目は2曲目のインストなので、実質的には2曲収録です。
2曲目の「そっと目を閉じて」は、ちょっと聴いた感じでは普通のブラックなのですが、曲に重なるエキゾチック風なボーカルが、奇妙な心地良さを与えます。バックのラップもいい感じで重ねられています。3曲目は「KaanaのFunky Heart Break」。曲名からも推察できますが、ファンキーです。ボーカルも2曲目の印象とは違って聞こえます。
この二曲を同時に歌うことができるこのアーティストは、驚くべき存在であると思います。ここまでのボーカリストは、そう多くはいないでしょう。さらに成長して、早くアルバムを出して欲しいです。値段もまあまあ安いですし、気軽に買って聴いてみて欲しいディスクです。
(1999/01/03)
Chie Ayado:For All We Know
CD/Ewe Records/EWCD0005
本年最初の紹介ディスクは、日本人のジャズアーティスト、綾戸智絵です。本当は、このディスクを前回紹介する予定だったのですが、まあいいでしょう。
このディスクはファーストアルバムです。このディスクは98年の春と夏の境目くらいにリリースされました。現在はセカンドアルバムもリリースされています。セカンドアルバムは98年11月にリリースされています。ただ、以前に自主製作で「Only You」というディスクも製作していたようです。
全15曲です。まず、5曲目を聴き、次に14曲目を聴いて下さい。5曲目は本人がピアノを弾きながら唄っています。14曲目はアルバムタイトル曲です。ですが、是非買って、家でじっくり全曲を通して聴いて欲しいです。大人の方には、バーボンでも飲みながら聴いて欲しいです。レコーディングのライブ感がひしひしと伝わってき、気持ちいいです。
陳腐な台詞ですが、ジャズを基調とした奔放な唄い方が、日本人離れしています。またその声から、綾戸智絵自身の、毎回のパフォーマンスを全力でやりぬく意思、叫びを感じることができます。歌詞から受けるショックと、歌声から受けるショック、バックの演奏から受けるショックとが混ざり合い、胸をグッと締めつける力を感じ取ることができるでしょう。
また、歌詞カードの綾戸智絵本人による曲解説もいい味を出しています。解説と歌とのギャップが軽い快感を引き起こすはずです。是非読んで欲しいです。いや、日本人も捨てたものじゃないですね。このような新鮮な驚きは久しぶりです。