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過去の最新刊紹介

ホーホケキョとなりの山田くん

4700円+税:スタジオジブリ:DVD

 昨年公開のいしいひさいち原作映画のDVDをようやく紹介。

 本作は、いしいひさいちの、朝日新聞で好評連載中の「ののちゃん」、その前作の「となりのやまだ君」を原作として、スタジオジブリが映画化した作品です。
 ビデオ版とDVD版が発売されたわけですが、ビデオ版は2000年一杯の期間限定生産となっています。コストのかからないDVDを中心にするということでしょう。
 DVDだけの映像特典として、予告編9編、絵コンテ静止画、原作静止画が収められているのは当たり前で、字幕も日本語、英語、フランス語が収録されている凝りようです。日本語、英語はともかく、なぜフランス語なのかは全く分かりませんが、ネタにはなっています。
 一番の見所は、初回限定封入小冊子「ホーホケキョとなりのののちゃん」20ページ。いしいひさいちの書き下ろしももちろん入っています。内容も紹介したいのですが、買ってからのお楽しみ。
 作品そのものについては、1年前にここのホームページの掲示板などで語り尽くされているので、ここでは語らないこととしましょう。

 買いますか?

 

大問題2000

640円+税:東京創元社発行:文庫サイズソフトカバー

 東京創元社からも新刊ラッシュです。

 いしいひさいちの社会問題シリーズの定番は「いしいひさいちの問題外論」から「大問題」に変わりましたが、その新刊が発売されました。
 今回は1999年の社会問題を掲載してあります。今は亡き小渕元首相、東京都知事、不適切行為大統領、スキャンダラスオリンピック、その他諸々。
 連載作品で局地的に物議を醸し、それ単体での発売も予定されていたが、某社長の秘書から抗議に遭い不可能となった、あの問題作「それ行け!ワンマンマン!」が特集でなんと46ページも掲載されています。抗議に遭おうが何であろうが、いしい先生にはがんばっていただこうではありませんか。

 ナベツネ最高。

 

女には向かない職業2 なんとかなるわよ

600円+税:東京創元社発行:新書サイズソフトカバー

 いしいファンの多くが好きなキャラのトップ近くに入れる、人気キャラクター「藤原瞳」が主役の本が発売です。

 今回の「女には向かない職業」は、藤原瞳の年代別、高校時代、新任教員時代、第3小学校教員時代、作家転向後の4つに分かれています。題して、「17の瞳」「でもしかの瞳」「27の瞳」「34の瞳」。年齢が変わっても、職業が変わっても、とんでもない性格や行動は変わったところはないです。
 今回初出場になる藤原瞳の父ですが、これまたとんでもない山師(鉱山技師)。母もいつもの通りとんでもなく、藤原センセのとんでもなさは両親が引き金になったことがよく分かる本です。

 藤原センセ主役でみんな大満足。

 

ののちゃん 9巻

429円+税:双葉社発行:新書サイズソフトカバー

 双葉社に引き継がれたいしいひさいちのドル箱「ののちゃん」、ようやくリリースかと思いきや、8巻9巻同時発売です。

 表紙は枕を抱いたののちゃん。
 裏表紙は地底人、テディベア、ピエロのぬいぐるみ3体のカット。地底人のUFOキャッチャー用人形なんて、販促品でどこか作ってくれないかな。
 傑作の所は、藤原センセのお見合いビデオと、山田家のハイキングかな。お見合いビデオで「ビールなんて水みたいなもんよー」と曰うセンセ。何だかんだ言って親子でつながっているたかしさんとのぼるくん。ほっとしたカットでした。

 ファンなら絶対買わねばならぬ。

ののちゃん 8巻

429円+税:双葉社発行:新書サイズソフトカバー

 双葉社に引き継がれたいしいひさいちのドル箱「ののちゃん」、ようやくリリースかと思いきや、8巻9巻同時発売です。

 まず表紙のののちゃんは、運動会の玉入れの玉を、14個同時に投げています。豪快な性格が表れていてなかなかおもしろいカットです。
 次に裏表紙。本が重ねてありますが、題名がなかなか凝っています。「あつかまし村の子供たち」「不敵な3人組」「大食い青虫くん」。あつかまし村の子供たちというのは明らかにののちゃん以下の藤原センセの教え子たちに決まっています。不敵な3人組というのはどちらを指しているのか。久保くん鈴木くんキクチくんでは無いような気がします。あの3人は不敵では無いような気がします。ののちゃんみみちゃんななちゃんの3人組ではないかと思います。
 一番笑えるネタはなんでしょうか。藤原センセの冬休みのバイトでしょうか。アマリアやイサベラと何の仕事をしていたのでしょう?

 ファンなら絶対買わねばならぬ。

 

ドーナツブックス 35巻

429円+税:双葉社発行:新書サイズソフトカバー

 双葉社のいしいひさいち選集、ドーナツブックスが、34巻35巻と同時発売です。

 双葉社のいしいひさいち作品のごった煮であるドーナツブックスシリーズの最新刊が2冊同時発売されました。なんと33巻から2年半ぶり。
 収録作品は、大野中幹事長、亀井政調会長らと、さんざんこき下ろされている森ヨシロー首相の政治シリーズ、おなじみの野球シリーズ、忍者シリーズ、社会問題シリーズといったところです。
 最後にはノンキャリシリーズも収録してあります。おなじみの三宅さんも相変わらず「地球が滅亡してもわたしたちは生き残るのよ」(p136)と胸張って生きています。

 2冊とも必ず買うこと。それに「ののちゃん」2冊も。

 

ドーナツブックス 34巻

429円+税:双葉社発行:新書サイズソフトカバー

 双葉社のいしいひさいち選集、ドーナツブックスが、34巻35巻と同時発売です。

 双葉社のいしいひさいち作品のごった煮であるドーナツブックスシリーズの最新刊が2冊同時発売されました。なんと33巻から2年半ぶり。
 表紙からして、最近のいしいひさいち人気キャラ上位3人に入るであろうナベツネ社長ではありませんか(ちなみに、あとの2人は藤原センセとののちゃんだと思うのですが)。34巻はじめの作品からワンマンぶりを遺憾なく発揮してくれる社長。ワンマンなキャラクターが実在の社会からほとんどいなくなってしまった昨今、最後の砦である読売新聞社社長のパロディキャラには大いにがんばっていただきたい。
 もう一つのシリーズ、共産党政権の2大ボス、金正日と江沢民のパロディもあります。こうしてみると、この巻全て、独裁者だらけだな。

 待たせた分、さらにおもしろい作りです。

 

地底人の逆襲

550円+税:双葉社発行:文庫サイズソフトカバー

 知る人ぞ知る、地底人です。双葉文庫としてよみがえりました。

 双葉文庫でのいしいひさいち作品5冊目となる今作も、前回までのノンキャリウーマンシリーズ、B型平次と同じく、再録本です。今回の作品は、今までの双葉文庫の中ではもっとも古い作品であるので、絵に違和感を感じる方もいるかもしれません。前回の地底人の本の発売は、なんと13年前です。
 しかしネタの珍妙さにはちっとも変わりはありません。いしいファンの中で語り継がれている、最低人もちゃんと収録されています。
 地底人シリーズ、さがし屋ケンちゃん、SF THE CREAM SHOWが収録されております。今読み直しても全てが傑作であります。たとえば、さがし屋ケンちゃんは、全て始まりは同じなのですが、オチが全て異なる18ものネタが収録されています。よくここまで創作ができるなと感心します。

 さて、双葉文庫6冊目はあるのでしょうか。

 

バイトくんブックス 7巻 ばかな男

550円+税:チャンネルゼロ発行:新書サイズソフトカバー

 いしいひさいちのライフワークである、バイトくんシリーズの最新刊の発売です。

 今回のネタは、かなり他のシリーズの単行本からの再録がありますが、昔からのファンにとっては、心のよりどころとなるシリーズのはずです。
 訳の分からない授業、東南アジアなどへの貧乏旅、何もしないけど何をしてもいいサークルであるギリシア問題研究会、賞味期限などお構いなしの哀しい食生活などと、今の学生とはちょっと違うかもしれないが、やっていることは基本的には同じですね。
 また、就職問題やオウムなど、時事ネタが所々にありますが、根底に流れているのは哀しくも貧乏で自由な学生生活であることは全く変わりはないので、安心して読むことができます。

 本シリーズ久々の発売に、昔からのファンにとっては喜びでしょう。

ののちゃん 7巻

520円+税:チャンネルゼロ発行:新書サイズソフトカバー

 おなじみチャンネルゼロからの新刊、ののちゃんの7冊目です。

 今回のネタには、のぼるくんが平田さんちのお姉さんをストーカーするのに、後ろからつけずに前からつけるという、くのいちばりのテクニック(出典忘れた)を見せてくれたり、町会長の顔はナベツネそっくりとか、いろんなネタが満載です。
 表紙は、地底人の傘をさし、「アイスは1コだけやで」という、まつ子さんが書いたと思われるメモを持って買い物に行くところです。裏表紙のポテチ、棒つきアメ、チョコボールは、そのときの戦利品でしょうか。
 最終ページは、ののちゃんの担任、藤原センセの通知表です。やっぱり藤原センセは生徒と同レベルの精神回路なのかもしれませんね。

 まあ、いつも買っている人はもちろん買うでしょう。

いしいひさいちの問題外論 17巻

570円+税:チャンネルゼロ発行:新書サイズソフトカバー

 さて、待ちに待った問題外論ですが、今回でシリーズ終了となってしまいます。90年代の終了とともに、ということのようです。

 今回も社会性の強い作品のオンパレードとなっています。表紙は頭にミサイルが刺さったミロシェビッチ大統領です。
 増ページとなっており、いつもより16個ほど作品が多いです。しかもいつもより政治、国際ネタが多いです。さらには「近くて遠山の金さん」という、金正日ネタが特集となっています。
 自自公連立、経済問題、都知事選、エリツィン、クリントン、コソボと、やっぱりネタには事欠かない様子。

 私はこの「問題外論」シリーズからいしい先生のファンになったので、終了というのは特に残念に思っています。次は2000年代から、新シリーズの発売を心から期待します。

ののちゃんBOOK 1 なんとかなるよね

952円+税:チャンネルゼロ発行:A5変型サイズソフトカバー

 本作は、本流の「ののちゃん」シリーズとは趣を変えて出版されたシリーズ(1と付いているから多分シリーズなのでしょう)です。

 本を開いてみると、右側に鈴木春生の詩がついており、左側にはいしいひさいちの1コママンガが大きく載っている構成となっています。最近流行の癒し系の本のモチーフなのでしょう。帯には「山田くんとののちゃんは兄妹です。」と大きく書かれています。明らかに映画を意識したコピーです。
 さて、目に付いたことは、ののちゃんがポチを飼って欲しいと泣いて頼んだことになっているところ(「となりのやまだ君」ではのぼるくんが頼んだことになっている)や、のぼるくんが持っている地底人の貯金箱と、ののちゃんが持っている最低人の貯金箱などに惹かれました。

 薄いのに、ちょっと高いですね。まあ、印税も一人分ではありませんからね。

大問題’99

640円+税:東京創元社発行:文庫サイズソフトカバー

 いしいひさいちによる一年の総決算、大問題シリーズの最新刊です。

 4ヶ月近くも発売が遅れ、ようやく発売された今作ですが、大蔵省、クリントンの不適切な関係、貸し渋りと、サッカーに、カレー。去年はそんな年でしたねえ。相も変わらず、書きたい放題に社会問題を切って捨ててくれています。ネタは従来通り、「問題外論」からの再録です。ただ、峯正澄のコラムもシニカルでいいです。
 表紙はピザ総理小渕と、林真須美容疑者でございます。まあ、確かに不本意ながら、去年の二流マスコミ界はこの二人の独壇場であったようですね。にわか保険評論家や、にわか薬物評論家が、町にあふれていたような気がします。まあ、よくあることです。

 シニカルに社会を見るための必需品。

ののちゃん 6巻

520円+税:チャンネルゼロ発行:新書サイズソフトカバー

 おなじみチャンネルゼロからの新刊、ののちゃんです。

 映画公開も近い現在、今出さねばいつ出すというタイミングで発売されました。
 今回のネタには、ののちゃんが地底人の絵日記(感想文?)を書いていたり、地底人の毛布を使っていたり、地底人の歯ブラシセットが表紙見開きと裏表紙に書かれていたりします。
 また、最終ページには、おばあさん10面相があります。ミーハーなのか変人なのか分からない、しげさんの一部分を見ることができます。友人が亡くなったときより、ののちゃんに草モチを食べられたときの方が悲しそうです。

 映画に向けての前哨戦。全ての「山田くん」「ののちゃん」単行本を復習しましょう。

新ノンキャリウーマン ちょっとのんびり、三宅さん

476円+税:双葉社発行:文庫サイズソフトカバー

 双葉文庫のノンキャリシリーズの3冊目です。

 今作は、以前出版されていたA5版ノンキャリの再編集ではなく、ドーナツブックス26巻から33巻までに収録されていたOLものを収録しています。
 今回は、三宅さんのお茶パターンが影を潜め、パソコンネタが増えております。パソコンができないとちょっとは困るかも知れませんけど、現在はちょっと踊らされ過ぎですよね。このページを見ている人は、当然パソコンはさわれるでしょうが。
 本作品は、昨今のパソコンブームの状況を嗤っております。さすがいしいひさいち。

 双葉社のいしい作品文庫化は、平次1冊とノンキャリ3冊で終わりなのでしょうか?

ノンキャリウーマン2 とてもちゃっかり、三宅さん

476円+税:双葉社発行:文庫サイズソフトカバー

 双葉文庫のノンキャリシリーズの2冊目です。

 今作は、以前出版されたA5版ノンキャリの再編集となっております。その中でも、三宅さんネタのみ収録し、国土観光シリーズはカットされております。私は明らかにセゾンのパロディである国土シリーズは好きだったので、少し残念です。
 コメの部分自由化とか、雲仙普賢岳噴火とか、湾岸戦争など、時事ネタがちょっとあったりします。結構昔の話ですね。なつかしい。

 よく考えてみると、A5版より文庫版の方が高いのです。どういうことでしょうか。

となりの山田くん 全集1

743円+税:徳間書店発行:A5サイズソフトカバー

 7月に公開される、ジブリ制作の映画版「となりの山田くん」。それに向けての全集化のうちの1冊です。発行が徳間書店という、いしい作品には珍しいものです。でもジブリといえば、徳間ですからね。しかし、いしい作品とジブリという組み合わせが奇異なものと思えるのは、私だけではないはずです。

 分量が半端ではありません。352ページという、いしい作品の単行本では異例なものです。全集3冊で、朝日新聞で連載されていたもの全てが収録されています。この単行本では、91年10月10日から93年7月31日までの掲載分が収録されています。その数640。
 おまけとして、「となりのキクチくん」「となりの山田くんのとなり近所」がついています。となりのキクチくんの分量は、19個です。キクチくん一家も、いしいファンにはおなじみの人たちで構成されています。個人的には、次女の「かん子」ちゃんがお気に入りです。
 「となりの山田くんのとなり近所」は、山田くんちの周辺の地図です。キクチ食堂や広岡医院、第三小学校や第三中学校などおなじみの地名が目白押しで、山田くんファンにはたまらないものです。

 いしい作品としては値段は少し高いですが、それに見合った分量で楽しませてくれます。

 

となりの山田くん 全集2

743円+税:徳間書店発行:A5サイズソフトカバー

 これの分量も、全集1と同じです。全集2は、93年8月から95年5月までの、朝日新聞連載からの収録です。収録数647。たくさんありすぎて困ります。ちょっと読み出すと止まりません。で、いつの間にか時間が経ってしまいます。

 今回のおまけは「ゲームセット」「となりの山田課長」です。「ゲームセット」は、弱小野球部に所属しているのぼるくんとその仲間たちを描いた作品です。「となりの山田課長」は、ノンキャリウーマンと山田くんとの交差線上の作品と考えてください。
 今回も「となりの山田くんのとなり近所」がついています。

 1巻買ったら2巻目も買い、2巻買ったら3巻も買いです。

 

となりの山田くん 全集3

743円+税:徳間書店発行:A5サイズソフトカバー

 全集最終刊である3巻目は、95年6月から97年3月までの、朝日新聞連載からの収録です。そういえば、97年4月から、タイトルが「ののちゃん」に変わったのでしたね。収録数648。

 今回のおまけは、「ののちゃんのポチ日記」です。絵日記形式で、コマ割りマンガではありません。これはこれで、非常におもしろく、ポチの犬らしいのか犬らしくないのかよく分からない生活態度が笑いを誘います。
 今回にも「となりの山田くんのとなり近所」がついています。この地図を見てから作品を読み直すのも良いでしょう。そして、読みふけり、時間が過ぎていきます。

 ちゃんと3冊買いましょうね。

 

ノンキャリウーマン1 いつもうっかり、三宅さん

476円+税:双葉社発行:文庫サイズソフトカバー

 現在双葉社は、「となりの山田くん」の映画化を見込んで、いしい作品の文庫化シリーズを目論んでいます。

 その双葉文庫としての1冊、ノンキャリウーマンです。三宅さんを主人公として、数々のOLたちが活躍します。パターンとしては、三宅さんがお茶をこぼすものが多いのですが、何があろうとめげない三宅さんの姿を見ていると、いしい作品の原点を見たような気がします。
 表紙のカバーが丸く切り取られていて、その下に三宅さんがお茶をこぼしている様が見えます。カバーをはずすと全ての絵が見えるようになっています。

 双葉社の「ノンキャリウーマン」の単行本を再編集したものです。その単行本を持っている方は買わなくても良いかも知れません。

 

B型平次捕物帖

476円+税:双葉社発行:文庫サイズソフトカバー

 「となりの山田くん」の映画化に向けて、双葉社の過去の作品の文庫化が進んでいます。その中の1冊が、この「B型平次捕物帖」です。

 この作品は、ハチが平次に「てーへんだ」と叫ぶところから、平次の妻おしずが「おまえさん!」と言い、火打ち石を打つところまでのくだりをパロディとしているパターンが、大半を占めるシリーズです。
 表紙のカバーが丸く切り取られていて、その丸の中に平次の顔が見えます。カバーをはずすと、おしずが平次とハチの人形を操っている様子が見えます。作品中の人物関係も、これに似たようなものかも知れません。

 双葉社の新書版「B型平次捕物帖」を持っている方は、それの再収録がほとんどの単行本ですので、買わなくても良い品かも知れません。ただ、新書版から、未収録作品が加えられています。それが見たい方は、買いましょう。

ほんの一冊

952円+税:朝日新聞社発行:B6サイズハードカバー

 ミステリ愛好家でもあるいしいひさいちの新刊は、書評マンガです。ミステリのみなら他の単行本にもありましたが、いしい先生初の分野の単行本です。まずオビから笑わせてくれます。

 前半は、ファンにはおなじみの、問題が多い3人の小説家、藤原先生、広岡先生、タブチ先生が繰り広げる珍舞台、「私には向かない職業」です。
 後半は、この単行本のキモの、書評マンガ「ほんの一冊」です。ミステリのみではなく、ほとんど全ジャンルにわたった選択です。55作品が選ばれています。書評マンガのみならず、文字での書評もあるので、ギャグを解しないまじめな人も少しはついていける内容でしょう。ただ、書評もお固いものでなく、読みやすいものなので、やっぱり気楽に読んで欲しいです。
 最後の「あとがき座談会」では、いしいひさいち自身が司会となり、「私には向かない職業」で登場した藤原、広岡、タブチ先生を座談会に登場させています。しかも、著者略歴にまで登場しています。本好きにはおなじみの手法で読者を楽しませてくれます。

 いしい作品としては値段は少し高いですが、装丁もいいですから、買っちゃいましょう

いしいひさいちの問題外論 16巻

520円+税:チャンネルゼロ発行:新書サイズソフトカバー

 表紙は、ビル・クリントンを蹴っ飛ばしているわれらが剛腕政治家(?)ヒラリー・クリントンです。裏表紙では、小渕、小沢、宮沢、中曽根、竹下、菅センセ方が麻雀をしており、それらに林真須美容疑者がカレーを配っております。

 まず開いてびっくり。のっけから、和歌山カレー事件でした。23ページも費やしております。
 政治コーナーは、小渕掃除大臣(誤植にあらず)大活躍。作品中では野中官房長官に、オブチならぬ、オブジェとまで言われていました。小沢自由党党首は、意外と出番がありません。
 国際コーナーは、北朝鮮と、クリントン不倫疑惑に尽きると言った感じでしょうか。やっぱりクリントンは「ルインスキーさんとは、ステキ、いや、不適切な関係があった」「ほんとうだよヒラリー、女はもうモニカちゃんでコリゴリなんだ」などと、スカートチェイサーぶりを如何無く発揮しています。
 経済コーナー。宮沢蔵相が主役です。「シロウトの方はおもしろいことをおっしゃる」などと、事あるごとにいやみを言っています。
 スポーツコーナーは、いろいろな話題が材料になっていますが、やはり一番目立つのが、阪神野村監督です。例の如く、ぶつぶつぼやいています。

 いしいひさいちの定番単行本です。買って損は無いでしょう。

ののちゃん 5巻

520円+税:チャンネルゼロ発行:新書サイズ

 ますます元気なののちゃん。朝日新聞連載の本作も、今回で、実質11冊目です(となりのやまだ君6冊+ののちゃん5冊)。今回の表紙も当然ののちゃんです。ただ、裏表紙が地底人のプリントの食器です。私も一セット欲しい。

 今回も、平和で健全な庶民ぶりを見せつけてくれるやまだ一家。5巻では、夏休みをはさんだ時期に連載されていた分が収録されているので、学校ネタより、家族ネタの方が目立ちます。

 99年夏の「ホーホケキョとなりの山田くん」映画公開に向けて、いしいひさいちファンが増えてくれると、一ファンである私も非常に嬉しいです。

大問題’97

640円+税:東京創元社発行:文庫サイズ

 表紙は菅直人と横山弁護士。村山首相が退陣し、橋本内閣が誕生した96年のいしい作品を再編集、峯正澄のコラムを加えた文庫です。この本で、95年から98年の大問題シリーズが出揃ったことになります(’95、’98、’96、’97の順に配本された)。そういえば、このころから、菅直人が注目され始めたんだ、と感慨にふけってしまいます。それまでは江田五月とのケンカしか目立つところが無かったのに。鳩山兄弟が動き出し、民主党への動きが始まったし、オウム事件が下火になったのもこの年。横山弁護士や安部英といった、ある意味共通する人たち(深くは書かない)が追いかけられたのもこの頃ですね。

 ヒラリーとビルの夫婦漫才、エリツィンの相変わらずの泥酔ぶり、中曽根の相変わらずの生臭さが個人的に好み。過去に「問題外論」で何度も読んだネタだが、やはり面白いです。