基礎数学

物理に必要な最低限度の数学を確認していきます。
高校2年生の基礎解析から3年の微分積分学レベルが使えると便利です。
ちょっとおさらいしましょう。

    ax=pであるとき、これをx=で表すと、
    x=
    となる。 これから、次式が求まる。


    ここで、上記式にはあえて、正数条件などを付さない。 Σの意味を漠然とでも覚えておられる人は多いであろう。 その和を計算する記号である。 表現の制約上、k=1から順にk=nまで(勿論kは離散的に整数のみ)の和を、

    S=Σ[k=1,n]k と表すことにする。 この和は、

    S=(1/2)n(n+1)

    になる。 つまり、1から100までの和であれば、S100=(1/2)・100・101=5050 となる。
    なぜ、この式で表されるかは、直感的には次のように考えられる。

    S=1 + 2 + ・・・ + n

    一方で、逆から表記すれば、

    S=n + (n-1) + ・・・ + 1

    である。 これをそれぞれ足せば、

      S =   1   +   2   + ・・・ +   n
    +)S =   n   + (n-1) + ・・・ +   1
    --------------------------------
     2S = (n+1) + (n+1) + ・・・ + (n+1)
        = (n+1)×n
      S = (1/2)n(n+1)

    では、この方法だと二次式の和 Σ[k=1,n]k2 に応用できないので、もう一度上記の計算を思考し直す。 念のため確認しておくが、二次式の各展開式は

    (a±b)2=a2±b2
    (a+b)(a-b)=a2-b2

    である。

    Ik=(k+1)2-K2 とする。 展開すると(見方によっては、逆だが)、 Ik=(k2+2k+1) - k2=2k+1 である。 これについて、 T=Σ[k=1,n]Ikとすると、

    T =  (n+1)2 -   n2   =   2n   + 1
        +  n2   - (n-1)2 = 2(n-1) + 1
        ・
        ・
        ・
        +  22   -   12   =   2・1  + 1

    であるから、T=で表される左辺側は、第二項の引き算が、その下の第一項の足し算と打ち消し合い、結局、

    T=(n+1)2-12=2Σ[k=1,n]k+n
    [k=1,n]k=n(n+1)
     Σ[k=1,n]k=(1/2)n(n+1)

    次に三次式の展開式 (a+b)3=a3+3a2b+3ab2+b3 を利用して、

    Uk=(k+1)3-k3=3k2+3k+1

    とおいて、Uの和を計算すると、

    (k+1)3-13=3Σ[k=1,n]k2+3Σ[k=1,n]k+n

    で、Σ[k=1,n]kは、既に求めたものを代入して整理すると、

    Σ[k=1,n]k2=(1/6)n(n+1)(2n+1)

    となる。 xn をxで微分すると n・xn-1 になることを覚えているだろうか? でも、これが何故こうなるか証明できる人は少ないかもしれない。 では、これを確認する。

    yn(x)=xn とする。

    (T)n=1とする。微分の定義より、
    y1'
    ={y(x+△x)-y(x)}/△x
    (!)△x→0(以下、特に誤解無ければ略す)
    ={(x+△x)-x}/△x
    =△x/△x
    =1
    =1・x1-1
    よってn=1の場合、成立。

    (U)n=kのとき、成立すると仮定する。
    つまり、
    yk'
    ={(x+△x)k-xk}/△x
    =k・xk-1
    が成立するということである。
    ここで、
    yk+1
    =xn+1
    =x・xn
    なので、
    yk+1'
    ={(x+△x)・(x+△x)k-x・xk}/△x
    ={x・(x+△x)k+△x(x+△x)k-x・xk}/△x
    =[x・{(x+△x)k-xk}+△x(x+△x)k]/△x
    =x・{(x+△x)k-xk}/△x+(x+△x)k
    =x・yk'+xk
    =x・{k・xk-1}+xk
    (!)上記仮定より
    =k・xk+xk
    =(k+1)xk

    (T)、(U)より数学的帰納法によって、nが自然数の範囲で成立する。 自然対数eは、よく見かける数である。 eはπと同じくらい物理数学には欠かせない数である。 余談ではあるが、e=-1で、両者は密接な関係にあり、その展開式も類似する。 ここで、iは虚数で、i2=-1である。 本筋に話を戻す。
    f(x)=exとして、
     f'(x)
    = {(ax+△x-ax)/△x}
    (!)a>0
    =ax{(ax-1)/Δx}
    ここで、右図を見てみる。 f(x)は、aの値にかかわらず、(0,1)を通過する。
    aによって、変わるのはその接線の傾きである。 f'(x)はf(x)の導関数と考えれば、この値が収束するのは明らかであろう。 ここで、f'(x)=1となるようなとき、
    a=e
    とする。 したがって、
    {(e△x-1)/△x}=1
    と表される。 また、  f'(x) =e()x
    =()ax
    であり、特にa=eであれば、f'(x)=exである。