2000-12-09
アンヌレンは、一般的に環の大きさを n として、[n]annulene [n]アンヌレンという。この名称はCASでは使わないが、 IUPAC では1993年以降使うことになった。
※annulene は「化合物名字訳規準」によれば「アンヌレン」となり、「文部省学術用語集増訂2版」にもこの形で収録されている。しかし「アヌレン」と呼ばれることも多い。
七員環またはそれより大きいmancudeの単環式炭化水素[一般式 CnHn(n が偶数のとき)または CnHn+1(n が奇数のとき)]は、[n]annulene [n]アンヌレンと命名することができる。ここで、n (ただしn > 7) は環員数を表す。n が奇数のときは指示水素を要する。
※奇数員環のアンヌレンでは、指示水素の位置番号を最小にするため、飽和原子が1位になる。シクロポリエンとして命名したときとは番号付けが異なる。
CAS やIUPAC 1979では、縮合環系における単環式炭化水素の基礎成分は cyclooctene シクロオクテンなどの cycloalkene名であり、これではシクロモノオレフィンとの区別が付かない問題がある。
IUPAC 1993ではその代わりに、[n]annulene [n]アンヌレンの名称を用いることにした。
※IUPAC 1979(規則A-23.5)では、mancudeでない不飽和炭化水素を成分とする縮合を表すことができた。これによると 1,2-Benzocyclooctene は、シクロモノオレフィンとしてのシクロオクテンにベンゼン環が縮合した化合物、すなわち 5,6,7,8,9,10-Hexahydrobenzo[8]annulene を意味した。しかし1998年の縮合環の命名についての勧告で、この用法は廃止された。
この場合、必要なら n < 6 でもよい(n = 6 は従来通り benzene である)。
ただし、縮合および架橋の接頭辞として [n]annuleno- [n]アンヌレノを用いない。縮合接頭辞としては従来通りの cycloalka- シクロアルカを、架橋接頭辞としては epicycloalka- エピシクロアルカ(CASでは endo-cycloalka- endo-シクロアルカ)を使う 。
※CASでは五員環以上の環が2個以上なければ縮合命名法は用いない。二重結合の複合位置番号は、リンク先を参照せよ。
※CASでは、endo-cycloalka の末尾の a は母音の前で脱落する。日本語では a を補って字訳する。IUPAC縮合命名法 1998では母音脱落は行わない。