自分の土地に家が建たない!?
Question
家がボロになってきました。妻に毎日文句を言われます。
子どもも3人目ができたことだし、そろそろ、新築を考えてます。
ところで、私の家の土地は昔からものなのですけど、まわりは全部他人の土地。
道路に出るには、家の前の佐藤さんの土地を通ります。
通路は狭くて、佐藤さんの家と隣の家の間、幅1メートルくらいのところを通るんです。
工事は大変だと思いますけど、ぜひ立派な家に建て替えたいんです。
Answer
気の毒ですが、家は建たないかも知れません。
このように、公道に面してない土地を囲繞地とか袋地といいます。
建築基準法には、家を新築するためには、敷地が
「幅2メートル以上、公道に面していないといけない」と定められています(43条)。
したがって、袋地に家を新築するためには、
まわりの土地の所有者から土地を買い取ったり、
買い取らなくてもお金を払って借りるなりして、自分が公道まで通行できる通路を、
幅2メートル以上、確保しなくてはならない。
こんな規制をしている理由は、
2メートルないと火事のとき消防車が入れんぢゃないか!
ということらしい。
しかし、2メートルありゃ入るのかね?
それに、ホース引っぱっていけば事足りるんとちゃうんかい?
え? どうなんだ! 責任者出てこい!
現実に、そう思った人は多い(はずだ)。
事例のように、現実に建物なんかがあって、通路が2メートルない場合は切実。
そこで、登場するのが、民法の囲繞地通行権(210条)。
袋地の所有者は、周囲の土地を通行できる
(ただし、特殊な例外を除いて代償金を払う)という規定。
そこで、奥の土地に住んでいる人たちは思うわけだ。
「建築基準法は、2メートル通路を確保しろと言っている。じゃないと家が建たない。
囲繞地通行権は、幅2メートル分認められるべきだ。そうだそうだ!」
事例で言えば、佐藤さんに対して家を取り壊して、2メートル分通行させろと言ってゆくわけ。
しかし現実は厳しい。
佐藤さんにしてみても、いきなり家を壊せと言われるのは困る。
今現実に2メートル分の通路があるのに、
佐藤さんが新たに家を建てて通行を妨害しようとした場合、
2メートル幅で開けといてね、おねがい、という訴えを認めた例はある。
が、いまの通路が幅1メートルくらいなのに、建物を壊すなりして
新たに2メートル確保しろというのは認められてない。
結局、事例では家は建てられない。
裁判例には、
「囲繞地通行権は、あくまで人が通行する権利であって、
家を建てる権利ではないからしかたがない。
袋地に家を建てられないことになっても、それは国の防火対策とか、
そういう公共の福祉の観点からしてやむを得ない制約なの!」と断言したものまである。
そこで、こういう奥まった土地に住んでいる場合、新築はしない。
改築をするのだ。
改築。
土台が残っていれば改築だと、聞いたことがあるが・・・・。
それにしても、新築と改築、どう分けるのだろう?