生命保険金の受取人は「別れた妻」?
Question
父が亡くなりました。私たちは、2人の息子です。
生命保険をかけていたため、保険金が5000万円ほど出ることになりましたが、
その受取人が父の別れた妻、つまり私たちの母になったままでした。
でも、母の甲野花子は別に男を作ったあげく駆け落ちして、3年前に父とは離婚しています。
もう「妻」ではないのだから、息子である私たちが保険金を受け取れるのではないですか?
Answer
受取人はあくまでお母さんです。
保険金は、息子さんのものにはなりません。
お母さんはすでにお父さんと離婚しているから、相続人ではありません。
法定相続人は、あくまで2人の息子、ということになります。
したがって、保険金の受取人の指定がないとか、単に「相続人」と指定されている場合には、
息子さんが保険金の受取人となります。
しかし、受取人の指定がある場合にはそうはいかないのです。
この保険は、おそらく、お父さんとお母さんがまだうまくいっていたときにかけられたものでしょう。
受取人欄には「甲野花子」と記載されている。
そうすると、保険約款上、保険会社としては甲野花子さんに払うより仕方がないのです。
受取人を「妻 甲野花子」としてある場合もありますが、これでも同様です。
ちょっと疑問がありますね。
「妻 甲野花子」とあれば、「甲野花子」はもう「妻」ではないのだから、
受取人じゃないのではないか?
そうすると、その指定は無効で、指定がないことになるから、
保険金は相続人のものじゃないか?
やっぱり同じようなことを考えた人はいて、最高裁まで争った例があるのですよ。
最高裁は、
「受取人の指定は『甲野花子』に力点があり、『妻』という部分に力点があるわけではない!」
したがって、妻でなくなっても甲野花子が受取人だ、としたのです。
分かれようと駆け落ちしようと、
離婚した際に受取人を変更しておかなかったお父さんを恨むより仕方ありません。
ちなみに、保険金はあくまで保険料を支払ったことによって得られるものなので、
相続財産ではありません。
しかし、死亡保険金の場合は、相続財産に準じて相続税がかかることになっています。
なにか、思い切り矛盾のような気がするのは私だけでしょうか?
誰が受け取ろうと、最後に笑うのは国、ということになっているのですね。