名前を変えたい!
Question
自分の名前が嫌でたまりません。
まったく、親を恨んでいます。ちくしょーめ。
姓名判断で観てもらったら、やっぱり悪い名前だって。
名前のうち1文字を変えると運気が上昇すると言われたんですけど、
私の名前、変えることができますか?
Answer
改名は法的に可能ですが、姓名判断が理由では困難です。
なにぶん自分ではまったく関与できないままにつけられてしまうのが名前。
「悪魔」ちゃん騒動なんてのもありました。
案外いい名前じゃないかなんて無責任に思いましたが。
僕も中学生くらいまで自分の名前(もちろん本名)が好きじゃなかった。
いまは、気に入っています。
ところで、改名ですが、一定の場合にはできる。
しかし、名前が変わるということは、
その人をめぐる従来の法的関係に混乱を来す可能性があります。
それに自由自在に改名できるとなれば、今日まではヒロシ、明日は拓哉、来週は秀明とか、
そういうムチャクチャなことになってしまう。そこで改名ができる場合は限られています。
類型化されている「改名を認める事由」を挙げると、次のとおり。
<珍奇・難読>
「ヲシメ」「ま○子」とか小学生の「田中角栄」くんの改名が認められています。
<近所に同姓同名者がいて不便>
野口英世はこうして「清作」から改名したわけです。
近所の「野口」家に男の子が産まれたので、「清作」がいい名前だからつけろと口説いた。
野口は、当時すでに秀才の呼び声高かったから、その家でも従ってしまった。
でもって、野口は改名を申し立てたわけ。
・・・・どこが「いい名前」なんだ?
<異性と紛らわしい>
男性で「〜美」などは認められた例もあります。
性転換したからというのはどうでしょうか?
性転換したから戸籍の性別を訂正しろという訴えでは、
「性別は性染色体によって決まる」とはねつけた裁判例がたしかありましたが(定かでない)。
無粋な裁判所。
<外国人と紛らわしい>
「ジェームス」とかそういうのですね。
苗字のほうで、いわゆる一字姓、「金」とか「宗」「劉」などについて変更を認めた例がありますが、
一字姓なんていくらでもあり、当否は議論の余地があります。
そもそもいまの時代、「外国人と紛らわしい」なんて改姓名の理由になるのかしら?
鎖国でもしてるならともかく。
<神官・僧侶になった、やめた、営業上の襲名など>
あんまり関係なさそうです。
<通称として永年使用した>
芸能人の芸名のように限られた場面で使っているのではダメ。
生活のあらゆる局面で、成人なら5〜7年使い続けることが条件とされているようです。
(卒業証書、社員証、郵便物などで証明する例が多い)。
よって、姓名判断は理由になりません。まず、絶対に認めてもらえません。
問題は、姓名判断を理由に通称を使いはじめ、10年経った、などという場合です。
この場合は「永年使ったのだから動機がどうでもいいではないか」という裁判例と、
「たとえ何十年使おうと姓名判断という言葉がでてきたらそれだけでダメ!」という裁判例があり、
判断が統一されていません。
通称として使ってきた期間や定着の度合いによっては認められる場合もあるとは言えます。
なお、姓(苗字)の変更は名よりももっと難しいです。
極端な珍奇・難読、きわめて長期間の通称使用のほか、
離婚に伴い、姓を元に戻すか否かの届出に失敗した場合などに
若干の認められた例がある程度です。
名の変更、姓の変更とも、申立は家庭裁判所にします。
甲類審判事件といい、手数料は600円。
家庭裁判所に定型の書式があり、
電話案内による自動ファクスサービスで入手することもできます。
東京家庭裁判所電話案内 03(3503)4355
そういえば、以前法廷を傍聴したコロンビア人の被告人は、
コロンビアでは15歳以上になると、一生に1回限り、
自由に名前を変えてよい制度があると言っていました。
真偽のほどは定かではないですが、もし本当ならいい制度ですな。