| 弁護士とは何者か? 弁護士・司法試験・司法修習について |
みなさんの弁護士に対する疑問、質問にお答えするコーナーです。
みなさまからのご質問を大募集しています。
お名前(ハンドルネーム可)、ご質問を記入の上、メールでどうぞ。
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弁護士はどんな仕事をしている?
弁護士になるには?
弁護士バッジのデザイン?
弁護士を頼みたい!(依頼のしかた 民事事件編)
ある日突然逮捕された。弁護士を呼びたい! (依頼のしかた 刑事事件編)
弁護士を頼みたいけどお金がない! (法律扶助制度について)
依頼者にとって「よい弁護士」とは? (よい弁護士の見分け方)
若い弁護士と年輩の弁護士、男性弁護士と女性弁護士、どちらがよい?
弁護士にとっての「よい依頼者」「困った依頼者」
弁護士は「飛び込み」の依頼者を受け入れないか?
どうして凶悪な罪を犯した人を弁護するの?
弁護士に専門分野・得意不得意はありますか?
国選弁護のいろいろ(報酬の額、被告人との関係・・・・)
司法試験ってどんな試験?
司法修習ではどんなことをするの?
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弁護士法1条は、
「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」
とうたっています。
およそすべての仕事は、まず、このためにあると言えるでしょう。
<まずは事件関係です>
弁護士の仕事として真っ先に思いつくのは法廷活動ですね。
民事事件では当事者の代理人として、刑事事件では弁護人として、
それぞれ依頼者の正当な利益を主張します。
法廷活動の前提としては、依頼者と打ち合わせたり、被告人と接見したり。
事件によっては現場を見たり、証人の方にお話を伺ったり、証拠集めをしたり。
法廷活動以外でも、訴訟にまではならない民事調停(借地借家の争いなど)、
家事調停(離婚・遺産分割など)の代理、倒産の処理、相手方との交渉、
刑事事件では逮捕されてから起訴されるまでの間の被疑者の弁護
(接見や警察官・検察官との面会)などの事件に関係した活動をしています。
<仕事は事件だけではありません>
事件があってから依頼を受けてする活動のほかに、
契約書の作成や法律相談をはじめとするアドバイスも、弁護士の業務のひとつです。
法律相談は、事務所や弁護士会で有料で行うほか、
市役所や各種団体がおこなう無料相談もありますね。
明確な「法的紛争」ではないが、
こんなことは法律上問題になるのかといったようなご相談ももちろんできます。
<公的な活動もしています>
ここまでは、弁護士が個別的に事件を処理したり、アドバイスしたりする業務でした。
このほかに弁護士は広く社会に対して活動をしています。
日弁連や各弁護士会では、
さまざまな委員会を設けて法律問題の調査・研究、立法に対する提言をしたり、
法的サービスの拡充に向けた検討、人権侵犯事件への警告・勧告なども行います。
みなさまに利用していただくサービスとして、
紛争処理のためのの仲裁センター、各種の相談窓口も設けています。
個人として、民事・家事の調停委員、労働委員会などの公的機関の委員、
市民オンブズマン・市民団体の活動、講演・執筆活動などをされている先生もたくさんいます。
弁護士の魅力のひとつは、このような職域の広さにあると言ってよいでしょう。
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弁護士になるには、原則として、司法試験に合格したあと、
司法研修所で1年6か月の司法修習を終えなくてはなりません。
司法修習を終えると弁護士登録して、まず、数年間、どこかの事務所に勤務した後、
事務所のパートナー(経営者)になる道を選ぶか、
独立して自分の事務所を経営するのが一般的なコースになります。
もちろん、はじめから独立することも可能ですし、
途中から、裁判官・検察官・学者をはじめ、ほかの仕事に転じる人もいます。
例外的に、最高裁判所裁判官の経験者や、
一定期間法律学の大学教授、助教授の地位にあった人にも資格が与えられます。
なお、最高裁判所の裁判官は、司法試験に合格していなくてもなれます。
実際に外交官、行政官、学者などが任用されています。
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弁護士バッジは、ひまわりの花弁の中心に天秤が配されたデザイン。
行政官庁や会社のバッジに較べると、かなり大ぶりになってます。
ひまわりは、太陽に向かって咲く花として、自由と正義を象徴しています。
天秤は、正義の女神テーミスが持っているもの。公正と平等の象徴です。
正義の女神は、目隠しをして、右手に剣、左手に天秤を持っているのが一般的です。
目隠しをしているのは、当事者の姿、つまり社会的な地位や身分に関係なく
言い分を聞いて正しい判定をするという意味があるようです。
ただ、事実をしっかりと見据えるという意味か、目隠しをしない女神像も多く、
日本の最高裁判所の女神も目隠しはしていません。
バッジは純金製も注文できますが、純銀の台に金メッキのものが一般的。
登録して1か月弱で手元に届きます。
メッキが剥げていぶし銀になったら一人前ということで、
新人弁護士はバッジをこすったり、小銭入れに入れたりという涙ぐましい努力もします。
ちなみに、裁判官のバッジは「正しいものを照らし出す」といわれる
「やた鏡」の中央に「裁」の字を配したデザイン。
もっとも、黒い法服のイメージのほうが強いですね。
検察官のバッジは中心に旭日、周囲に菊の花弁と葉を配し、別名を「秋霜烈日」。
刑罰に対する峻厳な姿勢をあらわすとされています。
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<相談からはじめてみましょう>
いちばん直接的な方法は、友人・知人などに弁護士を紹介してもらうこと。
意外に弁護士を知っている人がいるものです(僕も弁護士の友達はけっこういますから)。
もうひとつは、弁護士会を通して相談・紹介を受ける方法です。
各地の弁護士会では、弁護士会館で有料の法律相談をおこなっており、
相談を受けた弁護士に事件を依頼することができますし、弁護士の紹介もおこなっています。
各地の弁護士会にお問い合わせください。
このサイトのリンク集「日本弁護士連合会」から各弁護士会のページへリンクできます。
医療過誤など特殊な事件は、お問い合わせの際、その旨をお伝えいただけるとよいでしょう。
また、弁護士が広告をして、いわゆる「一見」の依頼者も受け入れている場合がありますので、
まずはお気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか?
<問い合わせてもいいけど、費用が心配>
法律相談の費用は、主な弁護士会のものでは離婚、相続が1時間1万円、
それ以外は30分5000円などとなっています。
事件を依頼した場合は、主として、着手金・報酬が必要になります。
着手金は、事件の成功不成功にかかわらず、依頼した時点で必要。
成功報酬は、事件終了後に成功の程度に応じて金額が決まります。
民事事件では、弁護士費用の額は、事件で請求する経済的利益の額で決まるのが原則です。
たとえば、500万円の貸金の返還を訴訟で請求する場合、着手金は5%の25万円、
全面勝訴した場合の成功報酬は、10%の50万円というのが基準になっています
(依頼者の資力の程度や事件の難易によって増減があります)。
そのほか、弁護士が遠方に出張する場合など、
日当や交通費などの実費が必要になることもあります。
また、弁護士に支払う費用のほか、裁判所の手続きでは、
手数料(印紙代)、予納金、鑑定をおこなう事件では鑑定費用などを裁判所に納めます。
→弁護士費用について詳しくはこちらをごらんください。
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ある日突然逮捕された。弁護士を呼びたい!
でも、知っている弁護士がいない。どうしましょう?
<当番弁護士と捜査弁護>
身柄を拘束されると、警察官、検察官の取調べを受けたり、
勾留質問といって裁判所に連れて行かれたりします。
警察官、検察官、裁判官の誰にでもいいですから、
「当番弁護士を呼びたい」と申し出ましょう。
その日、当番として待機している弁護士が24時間以内に接見にうかがいます。
1回目の接見は無料です。
当番弁護士として接見に来た弁護士に、そのまま弁護を依頼することができますが、
起訴前は国選弁護制度(下記)がないので、費用は自己負担となります。
弁護士は、接見をしたり、起訴猶予(不起訴)を得るための活動をします。
ただし、資力がない場合は上記の「法律扶助制度」を利用できる場合がありますので、
接見に来た弁護士に相談してみましょう。
刑事事件の弁護士費用は、一般的な争いのない事件では、
着手金、成功報酬とも30万円から50万円が基準です。
<起訴後は国選弁護人がつけられます>
残念ながら裁判所に起訴され、裁判にかけられる場合、
頼みたい弁護士がいれば自分の費用で依頼することもできますし、
そうでなければ裁判所に国選弁護人の選任を請求できます。
起訴状と一緒に裁判所から送られてくる用紙の
「国選弁護人を頼みたい」という欄に○をつけるだけで、
裁判所によって国選弁護人が選任されます。
なお、一定の軽微な犯罪以外の事件は、弁護人がないと裁判をすることができないので、
そのような事件では、請求がなくても裁判所が職権で弁護人を付することになります。
起訴前に法律扶助制度を使って弁護人を依頼していた場合、
事実上、起訴前の弁護人を起訴後も国選弁護人として選任する扱いがされています。
なお、国選弁護人の費用は国が負担する場合が多いのですが、
有罪判決を受けた場合は、被告人が負担(国に返還)するのが原則であり
(国は「選任」してくれるにすぎない)、
現実に、資力がある被告人は負担を命じられる場合があります。
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「裁判を受ける権利」(憲法32条)をはじめとして、
国民には法的サービスを受ける権利があります。
弁護士を依頼したいが、お金がない場合には、各地の法律扶助協会に問い合わせてみましょう。
無料法律相談や訴訟費用の立て替えをおこなっています
(利用するためには、収入が一定以下であるなどの条件があります)。
法律扶助協会は一般に弁護士会館内にあります。
法律相談だけであれば、各地の役所などがおこなう無料法律相談も利用できます。
ただし、この場合は担当の弁護士に事件を依頼することはできないのが一般的です。
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■依頼者にとって「よい弁護士」とは? (よい弁護士の見分け方)
この点については「相性」が大きく影響することを強調しておかなくてはなりません。
ある弁護士が、Aさんにとってはとてもいい先生だけれど、
Bさんにはとても耐えられない、ということもあります。
弁護士から見ても、正直なところ、相性の悪い依頼者はいて、
辞任や解任という事態になることもあります。
したがって、自分にとって相性が合う、
馬が合うと思える弁護士がいちばんいい弁護士だということになります。それを前提に、
一般的に「よい弁護士」あるいは「相性の合う弁護士」を選ぶための条件を話してみましょう。
<事務所の雰囲気がよいこと>
弁護士の事務所、応接室(会議室)に入ったときの雰囲気はどうでしょうか?
出迎えてくれた事務員さん、あるいは弁護士本人の第一印象はどうだったでしょうか?
調度品が立派かどうかとか、
事務員さんが美人かどうかということはこの際問題ではありません。
弁護士、事務員のような人間については
「人当たりの良さ」「第一印象の良さ」「礼儀正しさ」の問題です。
弁護士は接客業とはいえ、デパートや商店のような完全な「客商売」とも違う面があります。
「営業スマイル」ではない、本当の意味での人当たりの良さがあるかは重要なポイントです。
また、事務所の中が薄暗い雰囲気だったり、雑然としているのは考え物です。
特に整理整頓がなっていない事務所は要注意と思ってください。
弁護士は、依頼者からお金や、重要な書類をお預かりして仕事を進めてゆきます。
整理整頓すらきちんとできない弁護士に大切な財産や仕事を任せられるでしょうか?
もし可能であれば、応接室だけでなく、弁護士の執務スペース、机を覗いてみましょう。
机の上がきちんと整理されているようなら、第一歩として合格と言えるでしょう。
<何でも気楽に話せる先生でしょうか>
その日限りの法律相談でもそうですが、
事件を依頼するとなればなおのこと、
弁護士とは数ヶ月、数年のつきあいとなります。
何度も打ち合わせ(刑事事件であれば拘置所等での面会も)を重ね、
事件を進めてゆくわけです。
だから、弁護士は椅子にふんぞり返っている「先生」であってはいけません。
「聞かれたことにだけ答えなさい」と頭から決めてかかったり、
言いたいことも言えない雰囲気ではダメなのです。
依頼者は法律の専門家ではありませんから、
そうそう整理して重要なことだけ話ができるわけではありません。
どんなことでも気楽に話せる相手であることはよい弁護士の第二の条件です。
何気ない会話の中から、重要な事実が飛び出てくることもままあるものです。
(ただし、あまりに関係ない話や、
弁護士が「そこは関係がない」といっている話を延々繰り返すのは逆効果です)
<お金の話はきちんとしてくれましたか?>
民事事件でも刑事事件(私選の場合)でも、
最初の打ち合わせでは着手金など弁護士費用の話がでます。
裁判でも交渉でも、弁護士の報酬のほか、実費、裁判所に納める費用や切手代など、
さまざまな費用がかかります。
あなたが依頼しようとしている弁護士は、費用の説明をきちんとしてくれたでしょうか。
何も言わずに、ただ「100万円振り込んでください。」というようでは、
依頼者としては不安になってしまいますね。
各弁護士会には、報酬の基準というものがあります。
このHPで紹介している弁護士費用の概要も、その基準に則ったものです。
弁護士会の基準のコピーなどを示して、報酬や費用についてきちんと説明してくれる先生は、
概ね、誠実な方と考えてよいでしょう。
逆に、あまりにお金の話にこだわる、細かすぎる弁護士も問題があるものです。
わかりやすく、明朗かつ簡潔に説明をしてくれる先生がベストと言えます。
<忙しすぎる先生・ヒマすぎる先生でないこと>
これが「相性」に次いで重要なポイントと言えるかもしれません。
あまりに忙しすぎ、いつ電話をしてもいない、ゆっくり話も聞いてくれないというようでは、
果たして事件をきちんと処理してくれているのか不安ですね。
逆に、暇を持て余している弁護士というのも、
はやらないだけの理由があると考えたほうがよいでしょう。
<事件について報告をしてくれるか?>
最後に、事件が開始した後のポイントは、
節目節目での報告をきちんとしてくれる先生かということです。
訴訟事件であれば、期日ごとに進行状況について報告をしてくれているでしょうか。
郵便やファクスなどの書面で報告をしてくれる先生ならベストです。
電話をかけてきてくれる、というのでも一応合格点と言えるでしょう。
依頼を受けたら受けっぱなし、
こちらから問い合わせない限り連絡をしてこない、という先生は問題があります。
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よく質問を受けるところです。
たしかに、依頼する側としてはあまり若すぎたり、
性別が違ったりするのは不安材料かもしれません。
しかし、この点についてはまずほとんど問題となることはないことを、
まず強調しておきたいと思います。
<若手弁護士か年輩の弁護士か?>
「若手弁護士・年輩の弁護士」という場合には、まず2つの意味があります。
まず、そもそもの年齢が若いか年輩か、ということ。
もうひとつは、弁護士として何年の経験があるか、ということです。
この2つは概ね一致するものですが、30代前半でもすでに10年のキャリアをもつ場合もあるし、
40歳、50歳でも弁護士としての経験は数年
(そもそもなったばかりとか、裁判官、検察官、学者から転身した)
という場合もありますから、一概にどうこう言うことはできません。
僕が1975年生まれの若い弁護士だったから言うのかもしれませんが、
担当弁護士が若手だからといってそんなに不安になることはありません。
弁護士は、司法試験に合格した後、
2年(現在は1年6か月)の司法修習で実務の勉強を積んできていますから、
世の一般的な事件についての知識や処理能力に欠けるということは基本的にあり得ません。
ただ、若手を選ぶか年輩の弁護士を選ぶかは、
依頼者の年齢と事件の内容で決まる部分があります。
依頼者が若い場合は、若い弁護士のほうが話しやすいでしょうし、その逆のことも言えるでしょう。
感情的にこじれた事件や、親族間の紛争などは、
人生経験のある年輩の弁護士のほうが向いているかもしれません。
刑事事件や少年事件、民事事件でも関係者が多数で、聞き取りに時間のかかる事件などは、
時間的に余裕があり、パワーもある若手弁護士に向いている事件と言えます。
<男性弁護士か女性弁護士か?>
とくに女性の依頼者は、女性弁護士への依頼を希望される場合があるようです。
しかし、男性だから女性の気持ちが分からないということはないし、
女性弁護士が男性に劣るということも絶対にありません。
どちらに依頼してもまず問題はない、とお答えできます。
ただし、前述したように相性の問題がありますから、
依頼者ご本人が男性、女性どちらかの弁護士を望むというのであれば、
希望どおりにするのがベストな選択でしょう。
また、女性弁護士の中にはドメスティックバイオレンス、セクハラなど、
女性特有の問題を得意として取り組まれている方もいますから、
事件の得意不得意との関係で、
ある特定の女性弁護士に依頼することが適当な事件もあるかもしれません。
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弁護士の側から見た「困った依頼者」についてお話ししましょう。
こういった事態が続くと信頼関係が損なわれ、
解任や辞任という事態に至ることもあります。
「困った依頼者」にあたらない限り、
弁護士にとってはおおむね「よい依頼者」だと考えていただいてかまいません。
<事件について正確に伝えてくれない方>
ウソをついたり、不利なことを隠したりするのは論外です。
相手方から突然に指摘されてあわてることになったら目も当てられません。
意識的にウソをつかなくても、依頼者のほうで
「これは関係ないだろう」と思って話さない、ということもあります。
しかし、その中に重要なことがあるかもしれませんから、
小さなことでも、もらさず聞かせていただきたいものです。
これは書類についても同様です。
打ち合わせのときは、関係のありそうな書類はすべて持参してください。
原本のあるものは、原本をお願いいたします。
弁護士からいちいち「こういう書類はないのですか?」と
聞いて持ってきていただくのは骨の折れるものです。
<妥協をしない方(感情的になる方)・無関心・無責任すぎる方>
感情的にこじれた事件でよくあることですが、「絶対に和解はできない」とか、
「とにかくこの点だけは書面に書いてほしい」と譲らない方がいます。
しかし、弁護士が譲歩を勧めたり、書面に書くことを選んだりするのは、
法的・客観的に見て、依頼者にとってのベストな解決に向けた努力をしているからです。
そういうときに、感情的な理由だけで我を通そうとされると、弁護士としては参ってしまいます。
執拗に面会を求めたり、頻繁に電話をかけたりして同じ話を繰り返すのも困ります。
最悪のケースでは「私は辞任しますから、
あとはご自分でなさってください」となってしまいかねません。
逆に、弁護士に任せたら任せきり、
打ち合わせをしたくても連絡が取れない、というのも困ります。
少なくとも、弁護士から求められた必要な打ち合わせには、
是非ともおいでいただくようにお願いいたします。
弁護士と約束したこと(書類を送る、調査をするなど)を放棄されてしまうのも
事件を進める上で大変な障害となります。
<必要な費用が出ない方・お金についていい加減な方>
お約束した着手金をいつまでたってもいただけないというのもちょっと困ってしまいます。
弁護士もそれぞれに生活設計がありますから、
適正な報酬は適正な時期にいただきたいものなのです。
もうひとつ、裁判所などに納める費用に難癖をつけて出し惜しみされる方がいます。
しかし、裁判所での費用は「追納」といって後から増額を命じられたりすることもあり、
事件の最初の段階でどんなに説明を尽くしても、
後日改めて増額をお願いする事態が生じてくることがあるのです。
弁護士としても、どうしても必要な費用としてやむなくご請求申し上げているものですから、
ぜひともご協力をお願いしたいものです。
なお、どういった費用で、どこに支払うものかについて、
納得できるまで説明を求めることはいっこうに問題がありません。
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従来、弁護士は「飛び込み」「一見」(いちげん)の依頼者を受け入れないとされてきました。
「しかるべき紹介者がいないお客は困る」と、高級料亭のようなことを言ってきたわけです。
もっとも私は高級料亭に行ったことがないので詳しくは分かりませんが(笑)。
しかし、近年では「タウンページ」に広告を掲載している事務所も数多くあります。
弁護士広告が解禁(2000年10月〜)された後は、
大きく広告をしている事務所もありますし、
インターネットで広報をしている事務所も増えてきました。そういった事務所は、
紹介者がないという理由だけで依頼を断ることはないと考えてよいでしょう。
ただ、弁護士にとって、飛び込みの依頼者が不安であることは否定できません。
受任して問題のない事件なのか、どんな内容の事件なのか、
報酬はきちんともらえるのか・・・・と不安材料が多すぎるわけです。
したがって、広告を見て突然に事務所を訪問したりするのは避けたほうが賢明です。
そもそも弁護士が不在かもしれませんし、いても面会はしてもらえないでしょう。
そこで、まず電話(HPを掲載している事務所であればメール、フォームなど)で
簡潔に自分の住所氏名や連絡先、事件の概要を伝えた上で、
第1回相談日時のアポイントメントを取るようにしてください。
そういうかたちならば、「飛び込み」でも受任を検討する、という事務所は多くあります。
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オウム真理教の一連の事件や、凶悪な少年事件など、
なぜ弁護士が付くのか、弁護の必要があるのかと話題になりましたね。
なぜ、罪を犯した人を弁護するのでしょうか。
<本当にその人は犯罪者でしょうか?>
まず、起訴はされているけれども、本当はその人は無実ということもあります。
過去には死刑の判決を受けた方が無罪だったと判明した事例が4件もありますし、
松本サリン事件のような例もあります。
こういう場合に弁護士が必要なことに、あまり異論はないと思います。
<隠れた事実に光を当てる>
では、実際にその人が罪を犯していたらどうでしょう。
凶悪な犯罪というのは、どこから出てきたイメージでしょうか?
新聞、テレビ、雑誌、ふつうは、そういったメディアを通じた印象です。
報道されていることが事件のすべてはありません。
様々な要因、無数の事実が積み重なって犯罪は起こります。
その事実の中には、被疑者・被告人に有利なものが必ずあります。
「罪を犯したのだから、有利なことなど主張してやる必要はない」というのは、
現行刑訴法、ひいては憲法の理念に反します。
僕の司法研修所時代の刑事弁護教官は、
弁護士は隠れた事実に光を当てるのだとおっしゃっていました。
報道や検察官の主張の背後にある事実も法廷に反映して、
その上で裁判官の公正な判断を求めてゆくのが、刑事訴訟のあり方です。
<有罪か無罪か? >
弁護士は、無罪の主張をすることがあります。
でも、本当にその人が無罪か、わからないこともありますね。
もし、有罪の人が無罪になったら、というのはもっともな疑問です。
弁護士は「もし、この人が無罪だったら」と考えています。
「社会の秩序を維持するためには、1000に1つくらい、無実の人を罰しても仕方がない。」
罪を犯した者に、弁護を受ける権利などない。
ほんとうにそうでしょうか。
だれでも、「自分が被害者になったら」というイマジネーションは持っています。
明日、自分や家族が犯罪を犯すかもとか、
無実なのに逮捕されるかもしれないとは考えません。
自分が仮に罪を犯したら、一切弁解しないでどんな重い罰でも受け入れるというのは、
どんな犯罪の被害者になったとしても犯人を許すというのと同じくらい現実味がない。
刑事被告人として起訴される多数は、昨日まで普通に暮らしていた人たちです。
やはり、無実の者をたとえひとりでも罰してはいけないし、
誰にも弁護される権利はあると思うのです。
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「先生の専門は何ですか」という質問を受けることがよくありました。
多くの弁護士にとって、これは困ってしまう質問です。
医師であれば、循環器科・消化器科・整形外科・精神科などなど、
相当に細かな専門領域がありますが、
弁護士は数が少ないこともあって、まだそこまで至っていないのが現状です。
普通に町で事務所を構えている弁護士のほとんどが、
民事、刑事、家事、商事と広い分野の事件を取り扱っています。
しかし、事件の得意不得意となると、これは如実にあります。
質問するとしたら、「先生の得意な分野は何ですか」
「多く扱っている事件は何ですか」という訊き方がよいでしょう。
僕の得意分野は刑事事件や少年事件、子どもの権利に関する事件でした。
また、友人に歯科医師資格を持つ弁護士がおり、
彼は医療過誤事件を得意分野としていますし、
同じく友人で不動産鑑定士の資格を持つ弁護士は、
やはり不動産関連事件が得意です。
その他にも、家事事件、交通事故、知的財産権、税務関係、企業法務などなど、
多くの弁護士がそれぞれに得意分野を持っています。
逆に、特許や医療過誤、行政事件、税務関係などは
その分野に特化した知識が必要とされるため、
通常の弁護士では不得意としている人も少なくありません。
そういう場合でも、一般に弁護士は広い人脈、交友関係を持っていますから、
まず身近な弁護士に相談してみれば、
その分野を得意とする弁護士を紹介してもらえる場合が多いでしょう。
また、企業法務や外国との交渉事件を専門に扱う「渉外弁護士」や、
刑事事件だけを専門とする弁護士も存在していますが、
全体から見ればごくごく少数にとどまっています。
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国選弁護人の報酬は、開廷数(その事件で何回法廷が開かれるか)や、
特別難しい案件かなどの要素によって違ってきますので、一概には言えません。
ここでは、もっとも一般的な事件、すなわち、
1〜2回で結審し、判決となる事件(事実を認めている事件)についてお話ししましょう。
ズバリ、地方裁判所の場合は8万円程度、簡易裁判所で6万円程度です。
地方裁判所の事件でも、簡易裁判所の事件でも必要な活動はほとんど変わりません。
なぜ地裁、簡裁の違いだけで報酬が変わるのか? と
弁護士の疑問の的になっているところです。
いずれにしても、ボランティア的な要素は否定できませんが、
当然になすべき公的活動の一部として、
多くの弁護士が積極的に国選事件に取り組んでいます。
ちなみに、高等裁判所やその支部の所在地、具体的には
札幌、仙台、秋田、東京、名古屋、金沢、大阪、
広島、岡山、高松、福岡、宮崎、那覇の弁護士会では
控訴審の国選弁護事件があり、この報酬は9万円程度。
地方裁判所より若干よいのですが、
なぜかしりごみする弁護士が多いのが控訴審事件です。
刑事控訴審はあっけなく、
手続になれないと「怖い・・・・」という先入観があるからでしょうが、
慣れてしまうと控訴審独特のおもしろさもあります。
一審の記録を子細に検討して書面を作成する時間はなかなか充実したひとときです。
僕も国選、私選併せて数件の控訴審を担当しました。
さらに、東京の弁護士会のみにあるのが、
最高裁判所、つまり上告審の国選弁護事件。
さすがに最高裁だけあって、報酬も10万円の大台です!
しかし、上告審では、記録は最高裁判所に来ますが、
被告人は東京に身柄を移されて来ません。
たとえば、福岡高等裁判所で二審をやった被告人は、そのまま福岡にいるのです(!)。
やむなく、手紙でやりとりをして上告趣意書を作成することになります。
最高裁判所の担当官と交渉すれば、1回限り、接見のための旅費が出ることもあり、
相当数の弁護士が時間とお金をやりくりして
東京から大阪や福岡、札幌へと接見に行ってすらいます。
閑話休題。
民事事件や私選の刑事事件は、依頼者と弁護士の信頼関係が基本になります。
でも、国選弁護は弁護士も被告人も、全然知らない間柄。
拘置所や警察署の接見室ではじめて「ご対面」となるわけです。
信頼関係ができるのだろうか、と疑問に思われる方もあるかもしれません。
私自身は、この点で困ったことはないし、
問題が起こった例もそうは聞いたことがありません。
やはり、被告人にとっては唯一の弁護人、ともかくも信頼関係ができてきます。
逆に、被告人、弁護人のどちらかに問題がある場合、
仮に私選でも信頼関係を保つことは難しいでしょう。
そういう場合でも国選弁護人は裁判所から選任されるものですから、
勝手に辞任したり、被告人が解任することはできません。
ただ、あまりに問題があるような場合には、
やむなく裁判所が国選弁護人を解任することもあり、
現実に、過去には、被告人が私選弁護人の解任を繰り返したあげく、
裁判所が職権で付した国選弁護人も解任のやむなきに至った、という例もあるようです。
そう言う場合は、弁護士会刑事弁護委員会の幹部など、
刑事弁護のベテランが国選弁護人となり、
被告人との信頼関係を地道に樹立してゆくことになることが多いようです。
一言で国選弁護といっても、いろいろなドラマがあるものです。
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司法試験は、裁判官・検察官・弁護士になるための第1関門です。
受験資格に制限はありません。
年齢、学歴、国籍を問わず誰でも受験できます。
ただし、大学のいわゆる教養課程を修了していない場合、
一次試験という教養科目の試験に合格する必要があります。
(一次試験は1回合格すればその資格が終生有効です)
一般に司法試験と言われるのは、法律に関する二次試験です。
二次試験は3段階に別れていて、5月に5択マークシートの択一試験(憲法、民法、刑法)、
7月に択一合格者が受験する論文試験(憲法、民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法)、
10月に論文合格者が受験する口述試験(商法以外の論文試験科目)がおこなわれます。
択一試験に合格しても、論文試験に失敗すると翌年は択一からです。
口述試験に限り、失敗しても翌年だけは択一、論文が免除されます。
最終合格率は例年2%〜3%です。
以前は「現代の科挙」などと言われ、苦節10年というイメージのあった試験ですが、
現在はさまざまな教材や受験指導予備校も出現し、
若年の合格者も多く出るようになりました。
一部では、予備校の教材に頼ることで、柔軟性がなく、
画一的な合格者が増えたと言われますが、個人的には(当事者としては)、
大学の講義を聴いたからといって思考の柔軟性が身に付くとも思えず、
一方、予備校でも相当に質の高い講義を提供する例もあるように思います。
柔軟な思考方法や人間としての豊かさと、
司法試験を「試験」と割り切って乗り切ることは、十分両立するのではないでしょうか。
要は、学生時代、受験時代にいかに司法試験の勉強以外の経験をしてきたかです。
なお、論文試験については、受験回数3回以内の受験生を優遇する制度がおこなわれていて、
不平等な制度として批判も多いところです。
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司法試験に合格してもすぐに裁判官・検察官・弁護士になれるわけではありません。
将来の志望のいかんにかかわらず、司法研修所で1年6か月の司法修習をします。
将来法廷で相まみえる三者は、同じ屋根の下で研修をした仲間ということです。
この期間は「司法修習生」。公務員に準じる身分として、国庫から給与を受けます。
僕の52期(1998年4月〜2000年3月)までは2年間でしたが、短縮されました。
修習生バッジは筆記体の「J」(ジュリストのJ)をかたどってます(上の写真)。
実際の大きさは、藍色の部分のてっぺんから白色の部分の一番下までが約2センチくらい。
自由、平等、博愛というわけではないらしく、
藍色が裁判官、赤色が検察官、白色が弁護士をあらわします。
身分証明書もありますが、最近はカード式になっている大学の学生証と違って、
ラミネート加工もないペラペラの紙切れで、これを人に見せて本物と信じてもらえるか
不安になってしまうほどでした。
司法修習は、以前NHKの朝の連続ドラマ「ひまわり」にもなりました。
修習は大きく3つに分かれています。
<前期修習(4月〜6月)>
埼玉の和光にある司法研修所で、実務の基本について講義を受けたり、
実際の事件を基に作られた記録を見て、各種の書類を書いたりします(「起案」といいます)。
僕たちのときは、旅行やソフトボール大会、文化祭のようなものもありました。
<実務修習(7月〜翌年6月)>
全国50カ所(県庁所在地と函館、旭川、釧路)にばらまかれます。
3か月おきに、弁護士事務所、検察庁、裁判所民事部、裁判所刑事部をまわります
(数週間、家庭裁判所の修習もあります)。
研修所に入る前に主としてこの修習地を決めるための面接があり、
しばらくして決定の通知が送られてきます。なかなか、悲喜こもごもです。
裁判所では、法廷を傍聴して判決を書くのが中心です。
もちろん、最終的には裁判官が添削し、裁判官の名前で判決します。
民事事件では法壇(裁判官の座る一段高い席)に同席したりすることもできます。
うまくすると、法廷の隅っこでテレビのニュースに「出演」したりもできます。
検察庁は、被疑者の取調べと起訴状、調書の作成が中心。
以前は、この取調べ修習に法的根拠がないとして拒否した修習生もいましたが、
最近はあまりききません。
やってみるとムチャクチャ大変です。取調べ。
その他、司法解剖の見学などがあります。僕はクジに外れて行けませんでしたが・・・・。
少人数の修習地(主に地方)では、司法解剖も「もれなく」行けるそうですが、
過去に修習生が卒倒したなどの例があり、「拒否権」は与えられているようです。
弁護士事務所は弁護士ひとりに修習生ひとり。
それだけに指導の内容もさまざまです。
当事者との打ち合わせ、各種書類の作成、法律相談の立ち会い、
警察署・拘置所での接見などなど。夜の街にくり出そう!ということも。
<後期修習・修了試験(7月〜9月)>
さいごは、ふたたび和光の研修所に戻って講義と起案です。
そして、筆記6日間、口述2日間という恐怖の修了試験
(司法試験が1回目であるのに対比して「二回試験」と呼びならわされてます)があり、
めでたく修了となるわけです。
後期修習のころには、裁判官、検察官、弁護士、学者、
法律家はやめたなど、各自進路を決めてゆきます。
地方に修習に行く場合、和光→修習地→和光と引っ越しをするので、けっこう大変な生活です。
(和光にいるときは、併設された寮に入ることができます)