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「合奏のマニュアル」

音楽合奏指導法のページ
(吹奏楽指導者等への)

このページは音楽合奏の指導の仕方について載せています。

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目次

一般的な質問(Q&A+H)

 

指導法

環境作り

@環境設定 A組織作り B計画

C日常の習慣 Dその他

 

<演奏の指導>

「初心者に対して」

@楽器の決定 A最初の手ほどき 

B合奏 C音楽の基礎知識の習得

 

「経験者に対して」

@楽器の奏法 A練習法

B合奏法 C音楽の知識の習得

 

<合奏の指導>

@楽譜と編成の問題 Aテンポ、リズム

Bメロディーとハーモニー C音程、チューニング

D音楽の表現 E基礎合奏練習法

 

<音楽の解釈>

 

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目次

 

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音楽の演奏で大切な事

1.お互いを気遣い合いながら助け合う心

2.ひたすら良い音楽を求める向上心

3.積極的な毅然とした態度

阪神野村監督のスローガン
TOP
T(Total) O(Object lesson) P(Process)

は、音楽でも大切な事


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指導法


<環境作り>

@環境設定
(
練習場所楽器譜面台楽譜予算

 

 練習場所:

 第一に、音を出す為に周辺との協調が大切。
 騒音の中では演奏できないし、自分たちの音が周囲に迷惑になっては思いきって練習が出来ない。

 第二に、部屋の音響の問題。
 残響と反響があるが、平行な壁や窓ガラスなどが前後や左右にあれば反響となり、とても不快な音響域が出来てしまう。対策としては、片側の面に本棚や物を置く様にする。
 頭の高さまでで十分で、それより上は、むしろ残響と成り良い音空間を作る。  

 第三に、聴覚の視覚優位*の問題。
 以外に気が付かないのが、演奏者の視覚に外の景色等の注意をそらせる物がある場 合が多い。当然集中力を無くしてしまい、音はなおさら聴こえなくなる。
 指導者の位置で判断しない。

*聴覚の視覚優位: 聴覚において視覚の刺激が同時に有った時、視覚の刺激が優先されると言う、心理学上の問題。
 音楽に於いて無視できない大切な要素。指揮者の動作が演奏者に影響を与える事の出来るのはその為。
 逆に視覚の刺激が強ければ、奏者も聴衆もそちらに気を取られてしまい、音楽に注目してもらえない。

 

 楽器:

 楽器の購入は、それぞれの事情に沿って行わざるを得ないが、その範囲内で最上の物を購入するに越した事は無い。 最上の物が良いが、楽器として最上であるよりもメンテナンスや、丈夫さなども考慮すべきである。
 それぞれの楽器の専門家に相談し決定するべきである。
 特に打楽器に付いては、専門家にしか分からない事が多いので良く相談すべきだ。
 したがって各楽器の演奏法の為にも、日ごろからそれぞれの専門の人とのコンタクトを持っておきたい。

 譜面台:

 壊れやすい物でも有り、中々大切に扱い難い物でも有るので、個人持ちにする事も一つの対策であろう。
 丈夫な物は重いし軽い物は壊れやすい。選択に迷うところだ。

 *譜面台ではないが、譜面大の前に垂らすペナントやボードなどは、よほど硬いのも出なければ音を吸収し、音響に影響を与えるので深く考慮すべきだ。
 通常面隠しという楽譜の表紙をそろえる為のバインダーは色をそろえると確かに見栄えも良いので使いたい。その場合、その色はやはり音楽に影響を与える事を考慮しなければならない。音楽の内容によって取りかえるのも雰囲気を変え効果的な場合もある。

 楽譜:

 楽器同様その楽団にとっての財産である。定番と成る物は成るだけ買い揃えたい。
 また自分で編曲を成るだけしよう。その楽譜も財産。きちんとライブラリを作り保管管理をするシステムが必要。
 コピーをして原譜を保管しておくのは良いが、著作権の問題も知っておこう。現在では、第2次大戦の連合国側はおおよそ62年、その他は50年間作曲家の死後存在する。特例で学校内でのコピーの使用は許されている。

 予算:

 楽器、楽譜等の備品の購入やメンテナンスは当然だが、演奏会の費用についても知識を持っていたい。

会場費:会場だけでなく楽屋などが別途申し込まなくてはいけないところも多い。
     使用時間帯は、会場に入れる時から出てしまうまでの時間、搬入や準備の時間     後片付けや退出も計算しておかなければならない。

付帯設備費:照明は基本的な物以外は別料金になる場合が多い。特にピンスポットなどを     使えば、操作の為に専門家を雇う必要がある。自前の素人は使えない。
     ピアノの調律費は別料金が普通。譜面台や椅子等全ての物に費用が掛かる。

その他:楽器の運送費、録音の場合テープ代など。接待用の茶葉、切符を切る人員、会     場係などの寸志なども必要。 少し立派なパンフレットを作ったり、有料の場合の     チケットのときは印刷費も必要。

 

 


A組織作り

 命令系統は、責任の所在をハッキリさせる事が目的。必然的にピラミッド型が良い。
 自主性有る活動の為には、なるだけ多くのメンバーを組織に組み込む事が必要。少数役員の方が効率的であるが、優越感や支配意識が出る恐れがある。
 各仕事の継承の事も考慮に入れる必要がある。

よくある組織は

顧問
部長
副部長
指揮者   (コンサートマスター?*)   インスペクター
パートリーダー 楽譜係 楽器係 会計 書記 広報 各プロジェクトリーダー

 

 パートリーダー中心の組織作りが一般的であるが、上下関係が強く出ることに注意が要る。学校などではむしろ必要で、一般などの場合は害が大きい。
 その他の役割中心に組織を組む事で、積極的な団運営に参加を促すのも一考すべきと思う。
 常にサブを置き次期役職の経験をさせておきたい。

 *コンサートマスターは、クラリネットのトップが受け持つのが最も良い。演奏上のまとめ役であり、指揮者との仲介者である事から指揮台に近くにいる事が条件。音楽的に知識が豊富であること、広く団員の信頼があることにこしたことはないが、プロフェッショナルの場合と違い大きな権限を持たせない方が望ましい。
 アマチアでは居なくても大きな問題は無い。

*通常の組織の他に、演奏会などの進行上の組織も必要。

総監督
舞台監督*
演出     進行
演奏者 舞台係 受付接待など裏方 

*舞台監督は演奏会を統括する様にし、会場の打ち合わせから、楽屋割、当日の進行全てを把握し指揮をする様にする。

 

 役員は仕事の割り振りや進行状況を把握するのが仕事であり、自ら仕事をしてしまうと現場が混乱してしまう事を良く知っておく事。

 


B計画
数年の計画年間計画演奏会へ向けての計画演奏会当日の計画
進行表の作成毎日の練習時間の割り振り

 

 計画を立てる事はとても大切な事である。音楽同様楽譜に相当する物であり、不可欠な物である。たとえ即興演奏でもその概要がつかめていなくては良い演奏にならない。

 

数年の計画、年間計画:

 「どのような団体にするのか!」その意志が先ず有りたい。その上で何年で達成するのか、今年は何をすべきか、今何をすべきか自ずと決まってくる。
 中々目標を決めるのは難しい物であるが、例えばこの曲がやりたいと言うのも十分な目標となる。一年生が卒業する年にはこの曲がしたいと言った目標は具体性も有りハッキリとした目標になる。そしてその為にはしておかなくては成らない事が見えてくる。それを年間を通して達成する様に組み立てる。
 各学年に目標を決めさせるのも良い。自主性が芽生える。
 場合によっては、指導者が決めるのも良いが、目先の目標を全て指導者が決めるのは自主性だけでなく責任感や達成感を無くしてしまう恐れがある。一年後や数年先の目標であればその恐れは少ない。

 

演奏会へ向けての計画:

 何時何処でどのような人たちを対象に演奏会をするのかをふまえ、プログラムを組む事から始める。
 楽譜を手に入れ、場合によっては自作するなど実情に合った準備をし、難度や演出なども考慮に入れて練習日程を組む。
 演奏だけでなく、プログラムの作成、広報も予定を組んでおく。
 最低3ヶ月前には完成させておきたい。

 *前出の年次計画に沿っておく事は、重要であると共に選曲に意図を持つ事が出来、組み立てがし易くなる。

 

演奏会当日の計画:

 楽器搬入 リハーサルから撤収までの計画。演奏会場使用時間はとても厳格で決められた時間にしか入れず、必ず決められた時間に退出していなければならない。
 ゆえに、スムーズに進行するように計画を立てなければ成らない。
 又、仕込みと言う、舞台設定も使用時間内に行わねば成らず、前もってはしていない。又仕込みのときは、舞台上は
大変に危険なので、出演者などの一般人は立ち入りはさせてもらえない。
 ピアノの調律も同じ、舞台の仕込み後に使用時間内に時間を取る必要がある。
 リハーサル終了から開場までの間に、裏方の人たちの休憩時間も一時間は必要。
 終演後も、演奏者は感激に浸っていたい物だが、速やかに後片付け、撤去に入らねばならない。

 

進行表の作成:

 リハーサルの開始から作っておくのが望ましい。
 リハーサルは舞台設定を考え、大幅な転換がある場合は本番と順番を入れ替え最後に本番と同じ舞台になるようにしよう。
 なるだけ本番と同じようにし、途中の止めないで本番通のリハーサルをすべきだ。

 本番の開場 ⇒ 1ベル ⇒ 開演を知らせるアナウンス  ⇒ 演奏者スタンバイ ⇒ チューニング ⇒ 約5分後本ベル(最近では省略される事が多い) 客席電灯OFF、ステージON ⇒ 司会登場、或いは指揮者登場、又或いはいきなり演奏と続く。(指揮者登場の時に演奏者はコンサートマスターの合図で起立する。2曲目以後は指揮者(交代しても)のみ礼)
 一部演奏終了 ⇒ 指揮者客席に礼、退場 ⇒ 客電ON、ステージOFF、休憩のアナウンス ⇒ 演奏者退出(必ずステージから全員退出)
休憩後は最初と同じ要領。終わりも同じように。
 花束があれば、アンコールの前に。数が多いときはあまり御客様に拍手を長くさせない工夫を。
 最終演奏後は、何度か指揮者のみ出入りし、拍手が収まりかけたら終演のアナウンスと共にステージOFF。完全に消えれば、演奏者も退出。御客様の退場してから退出は気の使いすぎ。かえって御客様に退場を急がせる様で失礼。ステージの上での演奏以外の伝達や指示話などはなるだけしない。仕込みの時と同様に撤去作業は危険が伴う。

 *緞帳幕を使うのは、意外に問題が多いので通常は使わない方がスムーズに行く。舞台の転換の為に下ろしたければ、休憩の時間に下ろせば良い。うまく使う為には、緞帳の上げ下ろしの時間を考慮に入れ、リハーサルで必ず確認をしておく事。一版気を付ける事は頻繁には下ろさない事。オペラなどでも緞帳は最初に上げ最後に下ろす。途中はオペラカーテンや引き幕(黒幕)でするのが普通。
 お客様の意識で使い方を考えたい。 

 

毎日の練習時間の割り振り:

 専門家の集団で無いのであれば、日ごろは音楽以外の事をしている人たちであるので、音楽、それも音に意識を集中させる為の導入が必要。又、個人レッスンを受けていない人たちも多いので、基礎的なエチュードも取り入れたい。特に音階や分散和音の練習はぜひとも入れるべきだ。
 これらの基本練習は、専門家であれば必ず毎日の様にやっている事で、自分のテクニックを磨く絶対的方法である。真面目に取り組めば取り組むほど効果があり、すぐには分からなくても一ヶ月もすればハッキリとした違いが出てくる。
 ゆえに、ちょっと機用であったり経験の差で優位に立っている人たちでも、サボれば明らかに真面目に努力をしている人たちにおいて行かれる。よく見られる優越感を持った鼻持ちならない奏者を横暴にしない為のとても良い方法である。

 「努力をした者が報われる社会を作り出す事が、やる気を起こす。」

 *気を付ける事は、練習の為の練習にならないようにあくまで良い演奏をする為の技術を磨く事を分かっている事。
 出来るだけ集中して短時間で効果のあがるパターンを考案して、あまり長く時間を取らない事。

 個人練習やパート練習は必要であるが、全体の曲の構成が分かってからする方が効率が良い。

全体練習  ⇔ セクション練習  ⇔ パート練習  ⇔ 個人練習   

の順に流れ又元へ戻っていく様にする。

 出来ない者が出来るようにする為には、個人練習は意外に効率が悪い。

 以上の事を気をつけて一日の練習配分をすれば良い。

 例えば(2時間の練習)

 15分  基礎音階練習*

 15分  前日に練習した曲か、ある程度出来ている曲、常に演奏しているテーマ曲があ       ればベスト。       

 30分  始めての曲か、今最もしなければならない曲         

 30分  パート練習 

 30分  パート練習の成果を見る合奏、仕上げをしたい曲

*チューニングの時間を取らないのは、基本的にいらないが基礎練習の前後に軽くやり、個々は基礎音階練習の中で微調整をする。弦バスは前もってしておく。
理由は、管楽器は毎日長さは変わらない事。変わるのは自分の体の調子。(チューニング管は一定で良い)
もう一つの理由は、常に自分で回りとの調和に気をつける習慣を付ける為。         

*最近時々見られるクールダウンは、スポーツなどの筋肉を酷使した後の回復にあるので、そこまで筋肉を酷使する練習のあり方が問題であり、通常は必要無い。

 


C日常の習慣
挨拶上下関係出欠不満の解消、コンセンサス)

 

 挨拶:

 礼に始まり礼に終わると言われるが、集団での行為は、御互いを意識し合う所から始まる。全員での礼だけでなく、何時も顔を合わせる度に会釈するような関係を作りたい。
 儀礼的に成らず、御互いに交わし合う事。

 

 上下関係:

 学年だけでなく経験者や優位者が上に立つ関係ができるのは、技術世界では当たり前の事として捕らえたい。
 しかし、そこに下位者は上位者を尊敬し謙虚に教えを請い、上位者はおごらず下位者の手本たるべく努力をする姿勢を持つことを指導しなければならない。

 逆に、演奏中は全員が同じ立場にある。
 音を出しているときに上下関係が出ることは、演奏の妨げになる。

 指揮者もメンバーの一人、指導者であっても演奏中は奏者の一人。

 良い上下関係が出来ていればこそ出来る事である。

 

 出欠:

 何時も何処でも問題になることだが、良し悪しでなく欠席する事が全員にとっての損失である事を自覚しなければ成らない。

 学校バンドの場合、欠席は避けられない時代に在って、そのような自覚が無くなる事がもっとも危険である。

 皆で補い合う事でその対処をする。つまり欠席のパートをそのままにしないで必ず補充をし、誰かが補う習慣をつけることである。

 欠席者は必ず欠席中の対処を誰かに頼む様にし、誰かが必ずその役割を果たす様にする。自分のパートだけに責任を持つ習慣で無く、全体に責任を持つような体制を作る事が大切である。

 欠席者を糾弾する事では解決はしない。

 

 不満の解消:

 常に不満はある。

 何時でも不満を言える場でそれを皆で考える団体にしたい。たとえ解決はしなくても皆で問題視する雰囲気が、それを癒す事が出来る。
 不満がうっ積してしまうと全体の雰囲気を壊し、良い演奏は出来ない。全員で聞くのが難しい事は、誰かが聞くような仲間作りが大切。

 一種のガス抜きが要る。

 

 コンセンサス:

 以上の事は全てこのコンセンサスに繋がる事である。

 合奏すなわちアンサンブルとは御互いのコンセンサスの事である。指導者と演奏者の関係でなく全員横一列の関係で一糸乱れず足並みをそろえるには、コンセンサスを深める事しかない。

 独裁もコンセンサスの統一には有効であるが、積極的な自主性は生れてこず、消極的な「ことなかれ主義」が生れてしまう。スパルタ式も同じ。

 皆で 「のびのびと御互い手を取り合って和気あいあいとした生き様が、聴く人に感動をもたらす。」 事をしっかりと覚えておきたい。

 


Dその他

 各種プロジェクトなど:

 色々な催しや作業に全員でかかわることにより、コンセンサスを深める場が生まれる。
 役員が全てを取り仕切るので無く、プロジェクトを尊重しその決定のサポートをする役割が役員であるように考える。

 指導者の役割は全てを決定する事で無く、メンバーの自主性を引き出す事に在る。

 自分の意見を言わないのではなく、意見があればそれを全員にくまなくコンセンサスを行き渡る様にする。その為には、このようなプロジェクトの場でしっかりと意見を言い、納得させる事により実現する。

 プロジェクトは自主性を育てる為に在るが、指導者が手を抜いてかかわらなければ自分勝手な活動に陥ってしまう。
 たとえ面倒であっても必ず指導の枠の中で行わせる様にする。メンバーが自主的にしている様に感じる様にうまく指導する事が大切。 

 

 


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