厳しい時勢の中、人形業界も一段と難しく感じられます。 これは多分、不況のたびにお客様も賢くなられるからでしょう。 賢くなるということは、お客様の商品を見る目がますます厳しくなってきたこともそうですが、インチキ広告に踊らされなくなって来たと言うことです。 節句人形業界の二大インチキ広告には、『製造直売表示』と『二重価格表示』があります。製造直売表示とは、「私が作ったものを直接、小売りしています。だから安いのです」というもの。 節句人形が分業で作られていることは、考えれば誰でも分かることです。(雛人形でいえば、胴体・頭・飾り台・屏風・持ち物等は別々の工房で作られ小売店もしくは問屋でセットされますので、製造直売表示はインチキです) あまりに”ウソ見え見えの広告”はお客様を欺いているとしか言えません。 「メーカー(工房)から問屋を介さず入手します。だから安いのです」というのもよくありますので、注意して下さい。 考えてみればこれもおかしい。 節句人形業界は製・問・販の区別がつきにくい業界です。メーカーに近い問屋や、問屋に近いメーカー等境界がはっきりしていません。だから広告にわざわざうたうのは、これまたウソっぽいものです。
そして問題は、二重価格表示です。 メーカー希望小売価格、または標準小売価格を、当店特別価格(または卸値価格)にて、という表示です。 一割、二割引き程度ならば愛嬌もありますが、この程度ではお客様は乗ってこない。だから四割、五割、なかには六割引きの大幅割引き広告となるわけです。 これもおかしい広告です。
節句人形は分業生産システムが基本です。頭やぼんぼりに、メーカー希望小売価格など存在しません。だから、販売する七段飾りセットなどに、メーカー希望小売価格・通常価格と表示することはインチキとなります。 総合問屋がセットした商品に価格を付けることはありますが、これは参考価格程度のいわば目安です。これとて、五割引きなどで販売する訳などありません。節句人形の価格は原則的にはオープン価格表示が正しいのです。 オープン価格とは近頃の家電製品などによく採用されていますが、メーカー希望小売価格がないこと。つまり、当店販売価格一本の表示のことです。 安売りが当たり前となった家電製品などで、メーカー希望小売価格が割引率の目安になるだけで、意味をなさなくなった措置でしょうが、節句人形業界もこのオープン価格でなければおかしいはずです。
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